クルマが好きなら、2ドアクーペのスポーツカーに憧れるのは当然のこと。でも奥さんも子供も乗せるし、ドアが2枚ではかなり不便…。今回ご紹介するのは、そんな人たちのためにメーカーが気を利かせてくれた「一見普通だけどスポーツエンジンを搭載するクルマ達」なのです。なるべく中古市場で手に入るクルマを厳選しましたが、ちょっとした希少車もご用意…。マニアックな「快速セダン」の世界を覗いてみませんか。
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【レベル:1】トヨタ カローラ1.6GT
1995年にフルモデルチェンジをおこなった8代目カローラ。発表から3年が経過した1998年にラインナップへと追加されたのが、この「1.6GT」と呼ばれるグレードでした。
見た目は何の変哲も無いカローラ・セダンですが、何を隠そうエンジンにはAE111型レビン/トレノと同じ「4A-GE」型を搭載しています。
おまけに通称”黒ヘッド”と呼ばれたVVT(可変バルブタイミング機構)採用の”最終進化系4Aエンジン”で、出力は実に165psを発生していました。
マフラーを変えれば、下の動画のような官能的サウンドもお楽しみいただけます。
トランスミッションにもクロスレシオのアイシン製6速MTが採用されているなど、外観との見事なギャップを持ったなかなか本格的なスポーティカーなのです。
一時はハチロクチューナーの”ドナー”としてエンジンだけが狙われる存在でしたが、一部のマニアには今尚愛され続けているモデルです。
【レベル:1】日産 サニーVZ-R
1998年に登場した9代目サニーにも、知られざるスポーツモデルがラインナップされていました。
モータースポーツシーンで活躍した「パルサーVZ-R」と同じ1.6L SR16VE型エンジンを搭載する、その名も「サニーVZ-R」は、VVL(可変バルブタイミング機構)の採用により通常の1.5Lモデルよりプラス70馬力(!)の175psを発揮します。
そしてミッションは5速MTのみ、という実にスパルタンな仕様で販売されていました。
中古市場でも球数が非常に少なく地味な存在ですが、パルサーVZ-Rよりも新しい高剛性プラットフォームを採用していることもあり、そのポテンシャルは侮れないものと言えそうです。
ノーマルだとエアロを装備していないので、中古車屋さんでこの年式のサニーを見かけたら、ボンネットの中を要チェックです。
【レベル:2】トヨタ アルテッツァ RS200
デビューした1998年当時「ハチロクの再来」とも言われ、トヨタ久々のFRスポーツとして登場した「アルテッツァ」。
ボディ剛性の高さ、ダブルウィッシュボーン式のサスペンションなど、セダンのパッケージングながらツボを押さえたクルマと言えます。
中でも「RS200」と呼ばれるスポーツグレードのエンジンには、モータースポーツシーンで鍛えられた名機「3S-GE型」エンジンを採用しています。
セリカやMR-2といったスポーツカーに搭載されてきた3Sですが、アルテッツァのそれは最終進化系とも呼べるものでした。
電子制御式可変バルブタイミングリフト機構「VVT-i」を吸排気ともに採用し、7000rpmで210psを発生します。
このエンジンに合わせて、トランスミッションにはアイシン製6速MTが設定されていました。
大人しい見た目のセダンに高回転型エンジン…という、後にも先にもあまり例のない組み合わせを持ったクルマと言えるのではないでしょうか。
【レベル:3】三菱 ギャランVR-4
1987年に登場した6代目ギャランのトップグレードに据えられたのは、この「VR-4」と呼ばれるスポーツグレードでした。
もとよりWRC(世界ラリー選手権)制覇を見据えて登場したこのモデルには、2.0L 直4ターボの名機「4G63型」が搭載されています。
240psというパワーに加え、トルクも当時の2Lクラスとしては異次元の31kg-mを発生するモンスターマシンとなっています。
しかし一方では、足回りやブレーキの性能が強力なエンジンに追いついていない面もありましたが、その開発ノウハウは同じパワーユニットを受け継いだランサー・エボリューションシリーズで開花していくことになるのです。
【レベル:ラスボス級】ロータス オメガ(英国名:カールトン)
最後は、中々買えるクルマではないかもしれませんが、ロータス オメガをご紹介。
「オペル」の高級セダンである「オメガ」をベースに、レーシングコンストラクターである「ロータス」がチューニングしたこのクルマは、メーカーオフィシャルで売られていた立派なカタログモデルです。
ノーマルでは170psそこそこのエンジンをボアアップした3.6L 直6エンジンをツインターボで武装し、出力382ps、最大トルクは56.8kg-mという当時の”フェラーリ並み”スペックを叩き出しています。
多少のエアロパーツは装着しているものの、決して派手ではないオメガの質素な佇まいそのままに、時速280km/hオーバー、0-100km/h加速5秒台という恐るべき動力性能を秘めていました。
残念ながら日本への正規輸入は無かった様で購入は困難ですが、まさに「羊の皮を被った狼」という呼び名がピッタリのクルマと言えるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。
そもそもクルマにとって、実用性は非常に大事です。
あのポルシェ911が名車になり得たのも、「4名乗車」というポリシーを貫いたからこそ…と言われています。
地味なルックスはそのままに、スポーツマインドを味わえるこれらのクルマ。乗用車としての美学を感じませんか?
そしてラスボス級としてご紹介したロータス・オメガ以外は、100万円以下で状態の良い中古車がまだまだ入手可能です。
「ドアは4枚無いとダメ!」という家庭のレギュレーションに向き合う必要がある方には、オススメ出来るチョイスだと思います。
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