1970年ごろから、クルマは我々の生活の必需品となり、男女のデートの足として欠かせない存在までになりました。そんな中で登場したのが、デートカーと呼ばれるジャンル。古くはハコスカ2DHT GT-Xがカタログにデートカーと記していたり、バブル期にはシルビア、プレリュード、ソアラなどが人気を博しました。また、最近のデートカー需要はミニバンやSUVに集中。そんな「デートカー」の定義とは一体何なのでしょうか?
デートカーってなに?
デートカーとは文字通り、男女がデートに使用するための車です。
今も昔も、異性とのデートとして人気なのが、ドライブデート。
バブル期には、ドライブデートで高級車やスポーツカーに乗ることが女性にとってのステータスでした。
それに応じるように、男性もモテたい一心で、デートカーとして人気の高い車種をこぞって購入していました。
2019年現在では、想像し難いかもしれませんが、デートカーは男性にとってのアクセサリーのひとつで、女性にモテるための必須アイテムだったのです。
バブル期の人気デートカー
1985年ごろから1992年あたりまで、日本経済はいわゆる「バブル景気」でした。
日本国民にくまなくお金が行き渡り、1億総中流とよばれ、「白いマークII」が絶大な人気を誇った時期です。
この時代に流行ったデートカーは、2ドアクーペがもてはやされていました。
2ドアクーペが選ばれた1番の理由は、室内の狭さでしょう。
恋する2人のための密室で、お互いのドキドキ感が高まる空間であることもさながら、デザイン的にもカッコいいクルマが多かったのです。
また、他にもクーペならではの非日常感や、クーペは高級で同クラスのセダンより高額設定であることも、バブル期にはデートカーとして選ばれる理由の1つでもありました。
トヨタ ソアラ
初代ソアラは、クラウン2DHTの後継車的なキャラクターを持って登場した車種で、実質クラウンクーペと言っても過言ではありません。
そんな初代モデルのイメージを踏襲し、正常進化を果たした2代目ソアラのスタイルは、初代モデルにフラッシュサーフェス化を施したような、美しく流麗なものになりました。
技術面では、スペースビジョンメーターやエアサスペンションなどの最新技術が注ぎ込まれ、中でもエンジンはM系最強の7M-GTEUをトップグレードに搭載。
最高出力240ps/5,600rpm、最大トルク35.0kgm/3,200rpmを発揮し、1986年の発売当初は日本最強エンジンだったと言っても過言ではありません。
美しいスタイリングとパワフルなエンジン、未来感あるテクノロジー、さらに高級車であることが、当時の女性の人気の的でした。
ホンダ プレリュード
アコードのコンポーネントを元に初代モデルが開発されたホンダ プレリュードは、2、3代目モデルがデートカーとして人気でした。
特に1982年発売の2代目モデルは、リトラクタブルヘッドライトを採用し、日本車離れしたワイド&ローなプロポーションと、都会的な繊細で美しいスタイリングで、一躍人気に!
そんなスタイリングに更に磨きをかけたのが、3代目モデルです。
当時の新車価格で200~220万円のプレリュードが、300万円以上するトヨタ ソアラに匹敵するほどの人気があったため、デートカーとしてはコスパが良い1台でした。
日産 シルビア
シルビアがデートカーとして脚光を浴びたのが、1988年発売の5代目S13型です。
2、3、4代目モデルは西武警察でも使用されるなど、線の太い男性的なイメージのデザインでしたが、5代目モデルは初代のように繊細で女性的、かつ都会的なデザインとなって登場しました。
メカニズムは2.0リッター直4DOHCと同ターボを搭載。
コンパクトなFRクーペだったため、ドライブ好きな男性にも、絶大な人気を誇りましたが、女性の着目点は流麗なエクステリアと、質感の高いインテリア。
一体成型型バケットシートと、シート生地と同色の生地をドアトリムにあしらった室内の一体感は見事でした。
現代のおすすめデートカー
現代の女性がドライブデートで乗りたい車は、SUV、コンパクトカー、セダン、スポーツカーなのだそう。
そこで、2019年現在のデートカーにおすすめな車をご紹介します。
トヨタ ハリアー
SUVとして安定の人気を誇るのが、トヨタ ハリアーです。
それもそのはず、ハリアー開発陣は購入者で一定の割合を占める若い男性が、婚活相手にふさわしいとアピールできる車として開発しているそうです。
スタイリングはおとなしめで、オーナーが常識ある社会人であることを表現。
動力性能は必要にして十分で、ハイブリッドなら環境志向であることもアピールできます。
さらに価格は20代後半の男性会社員なら、少しがんばってローンを組めば返済できる金額に設定されていて、社会的信用と金銭的な余裕もアピール可能。
ボディタイプや室内空間こそ変貌してしまいましたが、車にオーナーを代弁させるという点で、バブル期のデートカーの狙いに近いものがあります。
MINI
コンパクトカーをデートカーに選ぶのも、現代なら許容できるようです。
それならば、外車のMINIを選んでみてはいかがでしょうか?
MINIには基本の3ドア/5ドアに加え、スポーティーなジョン クーパー ワークス、SUVライクなクロスオーバーもラインナップされています。
そのため、オーナーとなる男性のライフスタイルや、女性が助手席に乗りたい車のタイプによって、どのMINIにするか選択可能です。
トヨタ クラウン
助手席に乗った時の快適性では、セダンの右に出る車はありません。
さらに最近の新型セダンは、デザインもスポーティーでオシャレ。
エンジンもパワフルで、環境にも優しく、先進安全装備やコネクタビリティも装備されるなど、時代の最先端を行っています。
なかでも、2018年にモデルチェンジしたトヨタ クラウン RSシリーズは、女性がデートカーに求める要素を高い次元でクリアーしている1台です。
まとめ
デートカーは、男女がデートをする時に使用する車の総称です。
そのため、男女の車の好みによって、デートカー候補は無数に存在します。
しかし、デートカーに求める要件として女性は様々な事柄を挙げますが、これをすべて満たそうとすれば、「アッシーくん」にしかなりません。
本命の女性とのデートなら、自分の世界の一端を披露する意味で、お気に入りの愛車に乗せたらいいのです。
それでお付き合いできるのなら良し、振られたのなら、根本的な趣味が合わないので次の人を探しましょう。
とはいえ、最低限の乗り心地を確保できていないホモロゲーションモデルやスポーツ一辺倒のモデルは、なるべく選択しないようにしたいところです。
Motorzではメールマガジンを配信しています。
編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?
配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!