軽自動車やコンパクトカーの印象が強いダイハツですが、1970年代以降から割と最近までコンパクトなヘビーデューティ4WDも得意としているメーカーでした。その初期の傑作がタフトで、トヨタビスタ店向けのブリザードとして、その後もラガーを含む2代にわたってトヨタにOEM供給していた時期もありました。

 

ダイハツ F50型タフト 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%88

 

 

ダイハツ タフトとは?

 

ダイハツ F20型タフト / Photo by RL GNZLZ

 

古くからの国産オフロードといえば、三菱 ジープ、トヨタ ランドクルーザー、日産 パトロール(サファリ)といったところが定番でしたが、いずれもそれなりの大排気量ガソリン、またはディーゼルエンジンを搭載したパワフルなオフローダーでした。

ひたすら頑丈なボディに質実剛健なメカニズム、過酷な使用にも耐え得るトラック用エンジンという組み合わせが最強パターンでしたが、意外と国産小型オフローダーの立ち上がりは遅く、1967年に登場した軽4WDのホープスター ON型4WDと、FRの2WD車ながらオフローダー風外観を持つ1.3リッター車、いすゞ ユニキャブがその始まりでした。

いずれも大成はしませんでしたが、ホープスター・ONはよく知られているようにその後スズキ ジムニーへ発展し、1970年に発売。

それを横目で見ていたダイハツも、1970年に100台限定でハイゼットベースのFRバギー、フェローバギィを発売する一方で、新興国など海外需要も含めた小型オフローダー市場に可能性を感じ、日本国内ではジムニーとジープその他の中間的な車種を開発します。

それが1974年に発売されたタフトで、コンパーノやコンソルテで実績のあるFE型1リッター4気筒OHVエンジンを搭載したジープ型の軽量パートタイム4WDでした。

そんなタフトはジムニーより重いもののパワフルかつトルクフル、そして最軽量ボディはドアも屋根も幌式でジープその他の旧来型本格オフローダーよりはるかに軽い車重1t未満を実現。

本格的でタフなラダーフレーム+リジッドアクスル+パートタイム式4WDという組み合わせで、思惑通り日本以外の海外需要もあってハンターやヘルキャットなどの名で輸出されるようになり、この種のオフローダーは『ダイハツの日本では知られていない隠れた名車』的存在になっていきます。

 

ビスタ店誕生でOEM供給されたブリザード

 

初代トヨタ ブリザード / Photo by JOHN LLOYD

 

一方、ダイハツと当時は提携関係にあり、事実上傘下に収めていたトヨタも、新設するビスタ店向けの目玉モデルを求めていました。

なぜならビスタ店は、これまでのトヨタ系販売店(トヨタ店・トヨペット店・トヨタカローラ店、トヨタオート店・トヨタディーゼル店)には無い特色を持たせた実験的店舗という位置づけで、車種ラインナップもそれまでに無いものが必要だったのです。

しかし、開発を急いでいた本格FFセダン、初代ビスタはビスタ店開業(1980年4月)に間に合わず1982年の発売となり、販売店の名を記した車種が開業時に無いという画竜点睛を欠く状態だったので、なおさら人目を引く車種が求められたことにより、ダイハツ タフトに白羽の矢が立ちました。

こうしてビスタ店開業時、その専用車種としては初代クレスタの脇に、タフトのOEM版、初代ブリザードが並ぶことになります。

また、トヨタ車全ラインナップの中では『ランドクルーザーの弟分』というポジションのため、40系ランドクルーザー風のフロントマスクが与えられた初代ブリザードは、それまでのタフトには無かった2.2リッターディーゼルを搭載していました。

タフトもそれに先立つ1978年9月のマイナーチェンジで、デルタトラックなどに使っていたダイハツ製2.5リッターディーゼル搭載型(F50型)と、トヨタから供給された12R-J型1.6リッターガソリンエンジン搭載型(F20型)を追加(1リッターガソリンのF10型は廃止)。

1982年11月にはディーゼルエンジン搭載型が2.8リッターのDL搭載型に換装され(F60型)、ブリザードよりさらに強力なオフローダーへと成長します。

タフトにせよブリザードにせよ、全高を除けば新規格化された3代目以降のジムニーより小さいボディに1,600ccガソリンエンジンや2.2~2.8リッターディーゼルを積んでいたのでパワーに不足があろうはずもありません。

4WDオフローダーにひたすら小型、軽量、簡素でタフさを求めるユーザーからは、古いランドクルーザーやジムニーともども、今でも憧れの1台となっています。

 

主なスペックと中古車価格

 

ダイハツ F10型タフト / © 1998-2018 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

 

ダイハツ F10 タフト 幌ドア 1974年式

全長×全幅×全高(mm):3,320×1,460×1,860

ホイールベース(mm):2,025

車両重量(kg):975

エンジン仕様・型式:FE 水冷直列4気筒OHV8バルブ

総排気量(cc):958

最高出力:43kw(58ps)/5,500rpm(※グロス値)

最大トルク:79N・m(8.0kgm)/4,000rpm(※同上)

トランスミッション:4MT

駆動方式:4WD

中古車相場:118万~139万円(タフトのみ。ブリザードはAKSのみ)

 

まとめ

 

ダイハツ F50型タフト / 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%88

 

ロングボディ仕様もあった海外版を含め、まだオフロード4WDが『SUV』と呼ばれる前の特殊なタフギアだった時代に一応の成功を納めたタフト / 初代ブリザードは、1984年に揃ってモデルチェンジを受けます。

ブリザードは引き続きランクル70系の弟分的存在として、タフトはディーゼル版のみラガーと改名して再出発しますが、時代はパジェロなど豪華内外装のRVブームで、1988年に初代スズキ エスクードが登場すると、人気をさらわれていきました。

その意味では、日本国内におけるダイハツ / トヨタの小型オフローダー全盛期はライバル不在だったタフト / 初代ブリザードの1970年代~1980年代前半までかもしれません。

ともあれ、両社は、このタフト / 初代ブリザードから、ラガー / 2代目ブリザードやロッキー、テリオス / キャミ、ビーゴ / ラッシュまで続く、小型オフローダーの長い道のりを歩み始めたのです。

その原点となった初期型F10タフトなどの軍用車両のような無骨さがたまらない!という人もいるのではないでしょうか?

 

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