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四半世紀前に生まれた元祖・軽クロスオーバーSUV!ダイハツミラRV-4とは

現在でこそ、コンパクトハッチバック車やミニバンをベースに車高を上げた「クロスオーバーSUV風モデル」は多数販売されていますが、それが初めて登場した1990年代には「普通車にクロカン風デコレーションを施したキワモノ」扱いでした。国産車の中でもかなり初期にSUVルックを施したミラRV-4もそうした「異端児と言われた車」の1台です。

 

ダイハツ L210S ミラRV-4 / 出典:http://www.productioncars.com/gallery.php?car=15929&make=Daihatsu&model=RV4

 

 

RVブームが先か、ゴルフカントリーが先か?

 

ダイハツ L210S ミラRV-4 / 出典:http://www.picturevehicles.ca/middle-east-background-vehicles/

 

わりと古い自動車ファンならご存知だと思いますが、1990年頃からの一時期「RV」(レクリエーショナル・ビークル)というジャンルの車が大ブームになりました。

RVとは現在でいうとSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)の中でも、特に悪路走破性に優れた「クロカン4WD」と呼ばれるジャンルに当たります。

ゴツゴツとたくましい外観にマッドタイヤを履き、豪華内装の施されたクロカン車に乗るのがカッコよく、デートにも最適!スキーでも大活躍!そんな時代でした。

おかげで三菱 パジェロが大ヒットし、いすゞ ビッグホーンやトヨタ ランドクルーザー70ワゴン(現在のランドクルーザープラド)といった「乗用RV」が登場。

一時期は、ミニバンやトールワゴンなども含め「RV車」というジャンルに入っていたほどでした。

大まかに言うと、全高が高すぎてタワーパーキングに入らない車を総称して「RV」と呼んでいたと思えばわかりやすいのですが、そこまで不便を強いられながらも走るのは街中だけ、自慢の悪路走破性能も頑丈なラダーフレームも、何ら意味をなしません。

そんなブームが、当然長続きがするわけも無く1990年代半ばにはステーションワゴンやミニバン、さらに当初「シティオフローダー」と言われた格好だけクロカン車の乗用車ベースSUV(トヨタ RAV4やホンダ CR-V)に駆逐されていきます。

ただし、そこまでの短期間ではありますが、「乗用車をRVっぽくデコレーションすれば売れるんじゃないか?」と考えた自動車メーカー各社によって、RV仕立ての乗用車がいくつか作られました。

もっとも、RVブームが始まった頃にはフォルクスワーゲンがフルタイム4WDのゴルフシンクロをベースにしてゴルフカントリーを発売していており、わずかながら日本でも販売されていたので、もしかするとRVブームが先かゴルフカントリーが先か、あるいはRVブームを見た誰かが、「ゴルフカントリーみたいな車を作ればいいじゃないか」と言い出したか、どれかと言うより、その全てが起源かもしれません。

そしてミラRV-4はそうした「RVルック国産車」の中では先陣を切るように、あるいは国産初のRVルック車として1992年8月にデビューしたのです。

 

むしろ今見ると「斬新」な、25年前の「珍車」ミラRV-4

 

ダイハツ L210S ミラRV-4 / 出典:https://www.rightdrive.ca/vehicle/daihatsu-mira-rv4/

 

ダイハツ L210S ミラRV-4のベースとなったのは4WDターボの3ドアスポーティグレード、ミラTR-XX X4です(※)。

(※当時の「ミラX4」は通常のスポーティグレードで、競技ベース車は「ミラX4R」)

サスペンションの変更で最低地上高を上げ、フロントのバンパーガードとアンダーガード、サイドステップ、背面スペアタイヤ、ルーフレールを装着していました。

これらは樹脂製または金属製のボディとは別色パーツであり、現在の「クロスオーバー風モデルの方程式」と、やっていることはほとんど変わりません。

違うのは、ホイールアーチ(タイヤを収まるためフェンダーが切り欠かれている部分)に沿った樹脂製アーチが装着されていないこと。

それに、RV全盛末期に「何で街中で動物との接触対策であるアニマルバーが必要なのか」と批判された結果廃れた、いかめしいパンパーガードがミラRV-4には装着されていることでしょう。

当時はこのバンパーガードの有無が大事で、ゴルフカントリーも後の三菱 ギャランスポーツGTやスバル インプレッサグラベルEXでも標準またはオプションで、ヘタなRV車顔負けの立派なバンパーガードが装着されています。

それに比べればミラRV-4のそれは可愛いものでしたが、元からラゲッジ底面下にスペアタイヤを格納しているにも関わらず、わざわざリアハッチにスペアタイヤを背負わせたのも含め、「合理性」からはほど遠い「格好だけそれらしくした」のは明らかでした。

 

ミラRV-4はそれほど特異な車だったのか?

 

ダイハツ L210S ミラRV-4 / 出典:https://www.rightdrive.ca/vehicle/daihatsu-mira-rv4/

 

ミラRV-4のデビューが1992年8月で、同種の車がその後続々とデビューしたのを考えれば、一概にミラRV-4だけが奇特な珍車とは言えません。

以下に、当時の同種車と、そのデビュー時期を思いつく限り挙げてみましょう。

フォルクスワーゲン ゴルフカントリー:1990年

ダイハツ ミラRV-4:1992年8月

ホンダ シビックシャトル・ビーグル:1994年7月

三菱 ギャランスポーツGT:1994年9月

日産 ラシーン:1994年12月(新規車種)

スバル インプレッサグラベルEX:1995年10月

トヨタ カルディナフィールドハンター:1996年1月

トヨタ スターレットリミックス:1998年10月

上記の中でラシーンのみはB13サニーベースとはいえ新規車種ですが、ほとんどが「最低地上高が高く、標準かオプションでバンパーガードを持ち、お決まりのように背面スペアタイヤを搭載」しているモデルばかりです。

唯一、スターレットリミックスのみは衝突時歩行者保護の観点からバンパーガードを持ちませんが、既にクロスオーバーSUVブームが始まっていた事からも、時代が変わったのはこのあたりからと言えるのではないでしょうか。

このように、ミラRV-4は確かに珍車ではありますが突然変異種というほどではなく、むしろ当時としては時代を先取りした存在でした。

 

ダイハツ ミラ RV-4 スペックと中古車価格

 

ダイハツ L210S ミラRV-4 / 出典:https://www.rightdrive.ca/vehicle/daihatsu-mira-rv4/

 

ダイハツ L210S ミラRV-4 1992年式

全長×全幅×全高(mm):3,295×1,395×1,550

ホイールベース(mm):2,280

車両重量(kg):740

エンジン仕様・型式:水冷直列3気筒SOHC12バルブ ICターボ

総排気量(cc):659cc

最高出力:64ps/7,500rpm

最大トルク:9.4kgm/4,000rpm

トランスミッション:5MT

駆動方式:4WD

中古車相場:不明(流通無し)

 

まとめ

 

1990年代末以降は「乗用車のRVルック」そのものが無駄すぎて愚の骨頂と切り捨てられる時代が続き、ラシーンやスバル フォレスターのような新規車種が「背の低いSUV」または「最低地上高の高いステーションワゴン」として重宝されていきました。

しかし、2010年代頃から極端に「何でもSUV化」が始まったことで、今度は「乗用車のSUVルック」が増えてきたのです。

そうなると25年前のミラRV-4に始まるRVルック車を珍車扱いしたことは忘れ去られ、むしろ一回りしてカッコイイようにすら見えてきます。

ミラRV-4を作ったダイハツでも「キャスト」シリーズにSUVルックのキャスト アクティバをラインナップしていますが、これはSUVとしては当たり前すぎるスタイル。

むしろミライースのSUVルック版を作り、バンパーガードを除き「ミライースRV-4」などリメイクして売り出せば、案外「キャストやスズキ ハスラーじゃもう当たり前すぎる」という層に、ちょっとした人気が出るかもしれません。

 

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Writer Introduction
兵藤 忠彦

ダイハツ党で、かつてはジムカーナドライバーとしてダイハツチャレンジカップを中心に、全日本ジムカーナにもスポット参戦で出場。 その後はサザンサーキット(宮城県柴田郡村田町)を拠点に、主にオーガナイザー(主催者)側の立場からモータースポーツに関わっていました。

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