車の売り方には色々あり、そこに現車があるかどうかは問題じゃない!そもそも生産すらまだしてない!という内からオーダーするようなスーパーカーもあれば、とにかく通販で試しに売ってみたらどうなる?という一風変わった実用車までさまざまです。今回ご紹介する無印良品のMujiCar1000も、全く畑違いながら1,000台限定販売に挑戦、大健闘した1台でした。

 

MujiCar(ムジカー)1000 / 出典:https://www.diariomotor.com/noticia/coche-marca-blanca-historia/

 

 

無印良品やMUJIとつければ何でも売れる…はずだった?限定1,000台即完売の都市伝説

 

無印良品のある生活に欠かせないお供になるはずだった、Mujicar1000  / 出典:https://www.diariomotor.com/noticia/coche-marca-blanca-historia/muji-car-1000-1/

 

2001年4月19日、日産からちょっと変わったニュースリリースがありました。

日産と、『無印良品』ブランドで当時既に著名だった株式会社良品計画、そしてそのインターネット通販部門であるムジ・ネット株式会社が共同でオリジナルカー『ムジ・カー1000』を開発、ムジ・ネットのWEBサイトから1,000台限定で販売するというのです。

無印良品がついに車を、それもオリジナルカーを発売するとは…と、プレスリリースに添えられた写真を見ると、『オリジナルカー』はK11マーチそのもの。

しかし『MujiCar1000』と書いてあるのでマーチではありません。

繰り返します、これはマーチではありません。

大事な事ですから3回言いますが、これはマーチではありません。MujiCar1000です!

さて、このMujiCar1000ですが、本当に2001年4月20日より『ムジ・ネット』上で予約受付が開始され、同年5月11日より販売が始まりました。

この当時の良品計画にとって、『無印良品』や『MUJI』ブランドは消費者の絶大な支持を受けており、そのブランドをつければ何でも売れると強気だった時代です。

実際に家も携帯電話もホテルも『無印良品』あるいは『MUJI』ブランドで販売していましたが、さすがに自動車は全くの専門外であり、良品計画とムジ・ネットにとっては『地の利があるビジネス以外は、してはいけない』という、貴重な経験をもたらしました。

つまりどういうことかというと、MujiCar1000は限定1,000台で販売を開始したものの、売れたのはわずか170台に過ぎなかったのです。

当時は『限定1,000台はあっという間に完売したらしい。さすが無印良品!』などと噂されたものですが、本当に売れていたなら第2弾、第3弾があってしかるべき。

完売とは全くの都市伝説に過ぎませんでした。

ある意味では、そうした都市伝説を生むくらい無印良品ブランドは強く、まさか売れないはずが無いという先入観があったかもしれません。

 

予約してご成約の方には、無印良品オリジナル折り畳み自転車をプレゼント!

 

ステアリングの日産マークはそのままですが、内外装やメーターパネルの色にはオリジナリティが。 / 出典:https://www.diariomotor.com/noticia/coche-marca-blanca-historia/muji-car-1000-7/

 

さて、肝心のMujiCar1000はどんな車だったのでしょうか。

姿かたちを見ればK11マーチそのものですが、フロントグリルは日産マークも無く簡素で黒い無塗装の前後バンパーやドアミラー、ビニール張り表皮の後席とラゲッジなどは飾り気が無いというよりビジネスモデル的。

テールランプは最終型のK11マーチとはちょっと異なり、初期型の使い回しというか、良く言えば無印オリジナルの組み合わせでしたが、納車の瞬間から中古車感が漂うのは否めません。

ちょっとだけ特別に思えたのは、K11のステーションワゴン版マーチBOX(1999年11月発売)から流用した、畳んだ時にラゲッジとの段差を無くせるダブルフォールディング式の後席くらいなものでした。

また、マーブルホワイトのボディカラーやクリーム色のメーターパネルなどはMujiCar1000専用で、オリジナルデザインのフロントグリルにもテールゲートにも無い日産エンブレムは、ステアリングに残されています。

ただ、無塗装樹脂パーツや当時既に市民権を失っていた3ドアハッチバック車、荷室の使い勝手に貢献する後席といい営業車然とした見かけですが、これを『マーチバン』として安価に販売すれば、そこそこ人気が出たかもしれません。

ただし、当時のK11マーチ最廉価版のコレット-f・3ドア車の価格は90万円(5MT) / 95.5万円(4AT)なのに対し、4ATのみのMujiCar1000は93万円。

1,000cc3ドアのAT車同士では若干MujiCar1000の方が安いのですが、いかんせん通販で買う無印良品ブランド製品としては、プレミアム感が皆無。

日産としては無印良品ユーザーが持つ多数のアイデアや情報を商品活動に活かしてマーケティング力を高め、今後も共同での企画・開発を継続していく方針でしたが、少々時期尚早だった感もありました。

なお、無印良品ならではのプレミアム企画としては、予約申し込みから成約に至ったユーザー向けに、希望小売価格29,800円の『無印良品オリジナル スチール14型折り畳み自転車』がプレゼントされたそうです。

今となれば、MujiCar1000よりこの自転車の方にプレミアがつくかもしれません。

 

主なスペックと中古車相場

 

まだ紙で手に取るインパクトが大事だった時代、ネット専売ですがカタログがありました。後席ダブルフォールディングの説明もあります。/  出典:https://www.diariomotor.com/noticia/coche-marca-blanca-historia/muji-car-1000-9/

日産 K11 MujiCar1000 2001年式

全長×全幅×全高(mm):3,720×1,585×1,425

ホイールベース(mm):2,360

車両重量(kg):840

エンジン仕様・型式:CG10DE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ

総排気量(cc):997

最高出力:44kw(60ps)/6,000rpm

最大トルク:84N・m(8.6kgm)/4,000rpm

トランスミッション:4AT

駆動方式:FF

中古車相場:皆無

 

まとめ

 

カタログに同梱だったのか、ペーパークラフトもあった模様。/ 出典:https://www.diariomotor.com/noticia/coche-marca-blanca-historia/muji-car-1000-11/

 

わずか170台の販売に留まったとはいえ、当時の通販や限定生産モノなどそんなもの。

3S-Gを搭載したTRDオリジナルコンプリートカローラの『TRD2000』は、高価すぎて99台限定のところ12台しか売れませんでした。

また、ヤマハモービルメイツの『ami』など限定600台をチケットぴあで販売し、一説には3台しか売れなかったとも言われます。

むしろMujiCar1000が、自動車とは全く無縁な無印良品の通販サイトで170台も売れたのは、商品企画としてちょっと外している部分まで考慮すれば、大健闘と言えるレベル。

装備を厳選しすぎたとはいえ、よく見ればオリジナルより機能的な部分もあるので、現在所有しているユーザーはそんな『通だからこそわかるMujiCar1000の良さ』を誇ってもいいのではないでしょうか。

MujiCar1000を予約して制約するともらえた自転車 / 出典:https://m.blog.naver.com/PostView.nhn?blogId=car0203&logNo=220804122425&proxyReferer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2F

 

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