かつてデボネアやプラウディア / ディグニティなど、小規模ながらも1960年代から高級セダンを根強く販売してきた三菱。2代目デボネア(デボネアV)以降は自社のみでの展開をあきらめ、ヒュンダイなど他社からの需要頼みな状況となりながらも続けてきましたが、ルノー日産連合に組み込まれる直前に日産からシーマのOEM供給を受け、最後の三菱ブランド最高級セダンとして販売されていたのが2代目ディグニティです。

2代目三菱 ディグニティ 出典:https://gazoo.com/car/newcar/vehicle_info/Pages/detail.aspx?MAKER_CD=D&CARTYPE_CD=37&GENERATION=02&CARNAME=%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3

 

最後の三菱ブランド最高級セダンは、日産 シーマのOEM

2代目三菱 ディグニティ 出典:https://gazoo.com/car/newcar/vehicle_info/Pages/detail.aspx?MAKER_CD=D&CARTYPE_CD=37&GENERATION=02&CARNAME=%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3

三菱自動車という自動車メーカーは、いすゞのように『御三家』扱いされたことも無く、トヨタや日産よりはるかに小規模ながら、軽自動車から高級車まで、さらに三菱ふそう独立以前はトラックやバスも生産・販売するフルラインナップメーカーでした。

自動車以外も含むグループ全体での『MITSUBISHI』ブランドと、スリーダイヤモンドマークの威力がそれを可能にしていましたが、こと乗用車部門に関しては2000年代以降、急速に没落していきます。

最後の独自生産高級セダンとなったプラウディア / ディグニティを、たった1年1か月の販売だけで引き上げざるをえず、最高級のディグニティなど量産車として生産台数59台という記録もそれを物語っていました。

2010年代になってもその流れは止まらず車種ラインナップは次々と消えていき、2016年10月にはルノー日産連合に組み込まれて三菱自動車単独での自動車開発も終了することになりますが、その最後の時期に三菱ブランドの高級セダンが復活しています。

後の傘下入りを予告するかのように日産からOEM供給を受け、2012年7月に発売されたこの2台は、フーガはプラウディア、シーマはディグニティと三菱が最後に独自生産した高級セダンの名がつけられていました。

 

三菱独自のセダンは消えても、フロントグリルのスリーダイヤモンドは最後まで

2代目三菱 ディグニティ 出典:https://gazoo.com/car/newcar/vehicle_info/Pages/detail.aspx?MAKER_CD=D&CARTYPE_CD=37&GENERATION=02&CARNAME=%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3

2代目プラウディア同様、2代目ディグニティも基本的にはOEM元から大きな変化はありません。

日産でも当初はフーガとエルグランドのVIP仕様を日本国内での最高級車とする予定で、シーマをプレジデントともども廃止したところ、ユーザーからの反発もあって2012年4月にフーガのストレッチ(車体延長)&ハイブリッド専用高級セダン版としてシーマを復活。

その発表翌日に三菱が日産からのフーガ&シーマのOEM供給を発表しているので、あるいは生産台数などの関係で、シーマ復活は三菱への供給が前提だったのかもしれません。

事情はどうあれ、シーマ復活のおかげで登場した2代目ディグニティは価格(発売時の新車価格840万円)から察するに最上級グレード『ハイブリッドVIP G』に絞ってOEM供給を受けたようです。

3.5リッターV6エンジンとハイブリッドシステムを組み合わせて7速ATで制御するFR(フロントエンジン・後輪駆動)車で、プラウディア(フーガ)より150mm長いホイールベースによるゆったりした後席、ただし快適性をMAXにする4名乗車仕様までは準備しない割り切り。

豪華内装や快適装備、音響などの装備面もシーマ ハイブリッドVIP G同等であり、エクステリアの違いは前後の車名およびメーカーエンブレム、そしてフロントグリルとなります。

少なくとも形状はプラウディアと同じに見えるフロントグリルは、シーマの横基調とは異なり縦基調デザインで、その中央に『最後の誇り』と言わんばかりの大きなスリーダイヤモンドマークが装着されていました。

三菱車なのですから三菱マークで当たり前なのですが、フーガと異なりインフィニティマークをつけず日産マークとしたシーマ同様、最後まで譲れない『ブランドの魂』をひしひしと感じるような気がします。

 

主なスペックと中古車相場

2代目三菱 ディグニティ 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3

三菱 BHGY51 ディグニティ VIP 2014年式

全長×全幅×全高(mm):5,095×1,845×1,510

ホイールベース(mm):3,050

車両重量(kg):1,950

エンジン仕様・型式:VQ35HR 水冷V型6気筒DOHC24バルブ

総排気量(cc):3,498

最高出力:225kw(306ps)/6,800rpm

最大トルク:350N・m(35.7kgm)/5,000rpm

トランスミッション:7AT

駆動方式:FR

中古車相場:329.8万~350万円

 

まとめ

2代目三菱 ディグニティ 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3

2012年4月26日に三菱がニュースリリースで日産から高級セダンのOEM供給を受けると発表された際、プラウディアの名は同時発表でしたが、ディグニティの名はやや遅れて5月16日の発表となり、車名決定に何か紆余屈折があったかと感じさせます。

もしかして伝統の『デボネア』の名が復活する可能性もあったのか、あるいは日産から前日に復活が発表されたばかりのシーマの詳細を精査して車名を決めたのか、定かではありません。

なお、三菱自動車が2012年7月4日に2代目プラウディアともども2代目ディグニティの発売を発表した時、年間販売台数は2台合わせて700台でしたが、4年4か月の販売期間トータルでの販売台数は合わせて672台。

内訳はプラウディア552台、ディグニティ120台だったので、2代目ディグニティはOEMにも関わらず初代(59台)より売れたことになります。

2代目ディグニティがそのモデルライフを終えた2017年1月、三菱自動車は既にルノー日産連合に取り込まれており、もはや日本国内で三菱ブランドの最高級セダンを販売する理由も無くなったようです。

1964年の初代デボネア発売から約53年。

振り返ってみれば意外や個性的な車ぞろいだった三菱ブランド高級セダンの歴史は、華々しいフィナーレやオチがあったわけでも無く、最後はハイブリッドカーが停車するがごとく静かに、ひっそりと幕を閉じました。

 

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