44年もの間、トヨタの小型乗用車代表として君臨し続けてきたコロナも、21世紀に入るとコンセプトはそのままにイメージチェンジ。11代目のサブネームだった『プレミオ』へと名を変えました。とりたてて新しい技術やトヨタの威信をかけた飛び道具が潜んでいるわけでも無い、しかし上質。あるいはそれこそがもっとも難しいかもしれない『偉大なる平凡』として、プレミオはコロナの後を継いでいきました。

 

初代トヨタ プレミオ  / 出典:https://www.favcars.com/photos-toyota-premio-t240-2001-07-138433-800×600.htm

 

偉大なるネオ・コンサバ路線でコロナのあとを継ぐもの

 

初代トヨタ プレミオ / 出典:http://cdn.toyota-catalog.jp/catalog/pdf/premio-3/premio-3_200412.pdf

 

2001年12月、それまで『コロナプレミオ』の名でサブネームつきながらも存続していたコロナは、12代目T240系へのモデルチェンジにあたり、ついにコロナの名に別れを告げて『プレミオ』として新たな歴史をつむぎ始めます。

当時、1980年代からのRVブーム、そして1990年代中盤からのステーションワゴンやミニバン、クロスオーバーSUV、軽/コンパクトトールワゴンのブームによって、いわば『マイカーの王様』だったセダンの地位は大きく後退していました。

それは、数多くのセダンをラインナップしていたトヨタにとっては死活問題で、国内シェア40%を維持するために『セダン・イノベーション』と銘打ったセダン復権を目指す一大キャンペーンを1996年に打ち出すも、もはやセダン離れは止まりません。

ついには1996年(39.7%)、1998年(39.4%)と国内シェア40%を割り込むに至り、トヨタは新たな時代への対応を決意。

新型車を矢継ぎ早に投入していくとともに、従来型セダンは数少なくなった保守層向けとして、ある意味で割り切っていきました。

そして保守層ユーザーのみをターゲットとすることに徹した、決して目立たないながらも上質なネコ・コンサバ路線とでも言うべき5ナンバー小型セダン、プレミオと兄弟車のアリオン(旧カリーナ)はこうした背景で生まれたのです。

 

目指すは真の5ナンバープレミアムセダン

 

初代トヨタ プレミオ / 出典:http://cdn.toyota-catalog.jp/catalog/pdf/premio-3/premio-3_200412.pdf

 

初代プレミオの内外装をひと通り見ると、特に鮮烈な印象を残すわけでは無いものの、決して不快ではないエクステリア、落ち着いた淡色系のトリムに貼られた木目調シートなど、決して気分を浮き立たせてアクセルを踏み込む車では無いと感じさせられます。

ある意味『退屈』の一歩手前ではあるものの、決して不満を感じること無く上質、そして日本の道路は元より、3ナンバー車が入る日なぞついぞ考えたことも無いような駐車場にもピタリと収まる5ナンバーサイズ。

これにはトヨタが数年前に発売したプレミアムコンパクトセダン、プログレに通じるものを感じますが、2.5 / 3リッターエンジンを搭載したFR車ではなく、プレミオは1.5~2リッターエンジンを搭載したFF車、つまり排気量の面でも5ナンバー車です。

3ナンバーの大型セダンやスポーツカーが走り回る以前の価値観で生きてきた人間にとっては、落ち着くサイズと必要十分にして尻込みする必要の無いエンジンを積んだプレミオが目指したのは、『真の5ナンバープレミアムセダン』だったのかもしれません。

それは先代(コロナプレミオ)より120mmも伸ばされ、はるかにゆとりある車内空間を実現したところにも、そのような姿勢が現れているように感じます。

トヨタが作ったのは、『5ナンバーへのこだわりを持つユーザーにとってのフラッグシップセダン』でした。

 

主なスペックと中古車相場

 

初代トヨタ プレミオ / 出典:https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/car/id60008568/

 

トヨタ AZT240 プレミオ G 2001年式

全長×全幅×全高(mm):4,600×1,695×1,470

ホイールベース(mm):2,700

車両重量(kg):1,240

エンジン仕様・型式:1AZ-FSE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ

総排気量(cc):1,998

最高出力:112kw(152ps)/6,000rpm

最大トルク:200N・m(20.4gm)/4,000rpm

トランスミッション:CVT

駆動方式:FF

中古車相場:17.3万~69万円

 

まとめ

 

初代トヨタ プレミオ / 出典:https://www.favcars.com/toyota-premio-t240-2001-07-photos-138430-800×600.htm

 

セダンに代わって販売の主力となっていた車種が華々しい話題を振りまく中、イメージリーダーとなることはもちろん、注目の的になることさえ求められない新時代の5ナンバーフラッグシップセダンを開発したトヨタの試みは成功したのでしょうか?

2018年10月現在もなお、モデルチェンジを経てプレミオの販売を続けていることが、その答えかもしれません。

乗っていて心地よい車、しかし人目を引かずノンビリと、営業車のように見えてしまう車。

「運転手になってしまう車では無く、憧れと親しみを感じたあの頃の気持ちそのままに乗れるセダンがいい。」「独立トランクはもちろん不可欠だよ?」というユーザーには最高の車!

新しくは無いかもしれませんが、価値観の多様化とは古くからの価値観も受け入れて初めて成り立つものなのかもしれないと、初代プレミオは感じさせてくれます。

 

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