現在の日本に残された数少ない5ナンバーセダン、2代目プレミオ
2007年6月のフルモデルチェンジからはや11年。
さすがに全盛期より衰えたとはいえ未だに月間平均900台以上を販売し、日本自動車販売協会連合会の月販ランキングでは2018年度上半期ベスト50以内の44位をキープする2代目トヨタ プレミオは、兄弟車アリオンのほか、同じトヨタのカローラアクシオ、ホンダのグレイスともども今の日本では数少なくなった5ナンバー枠小型セダンとなりました。
単眼カメラ+レーザーレーダー式の安全運転支援システム『Toyota Safety Sense』こそ廉価グレードを除き標準装備しているものの、ハイブリッドシステムなど先進のパワーユニットは搭載しておらず極めて保守的。
しかし通常の内燃機関のみを搭載した5ナンバー車の中では大排気量と言える1.8~2リッターの自然吸気エンジンを選択可能で動力性能には余裕があり、全長が長いためカローラアクシオより車内スペースが広い事も魅力です。
そのため、コンフォート廃止以降のタクシー専用車や、JPNタクシーより安価に購入できる小型タクシーとして採用される例も多く、駐車スペースや狭い路地裏でも活躍できるプレミオには、まだまだ根強い需要がありそうに思えます。
2回のマイナーチェンジで風格も増したフロントマスク
昔のコロナのように高回転高出力型DOHCエンジンやターボエンジンを積むでも無く、ハイブリッドシステムを搭載して環境性能をアピールするでも無い、『飛び道具』を持たない2代目プレミオは、初代同様『偉大なる平凡』といえる車です。
しかし「車なら何でもいいんだけど、難しい説明や故障の心配があるメカニズムはいらない。」「本当に普通だけど、ちゃんとした車が欲しい。」という、一見投げやりに見えて案外ハードルの高いユーザーにとっては最適なのが、根強い人気の理由かもしれません。
そのためトヨタもプレミオを2007年から11年も販売していてほったらかしにするような事はせず、2度にわたるマイナーチェンジでフロントマスクを変更。
2010年の第1回マイナーチェンジでは風格あるフロントグリルを上級グレードに採用し、プレミアムコンパクトセダンとしての正常進化をしています。
また、2016年6月に行われた第2回マイナーチェンジでは、デビュー当初はあまりの変化に心配されつつも結局は大きな支持を得た14代目クラウン同様、フロントグリルの思い切った大型化やヘッドランプデザインの変更で現在の姿へと変化しています。
そして日本で根強い『5ナンバー信仰』や、駐車スペース、出入りする道路幅など現実問題として5ナンバー車以上の運行が困難なユーザーにとって、ミニバンやSUV以外の貴重な選択肢として年齢層を問わず支持され続けており、改良を受けつつ販売され続けるロングセラーモデルとなっているのです。
主なスペックと中古車相場
トヨタ ZRT261 プレミオ 2.0G 2018年式
全長×全幅×全高(mm):4,595×1,695×1,475
ホイールベース(mm):2,700
車両重量(kg):1,270
エンジン仕様・型式:3ZR-FAE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量(cc):1,986
最高出力:112kw(152ps)/6,100rpm
最大トルク:193N・m(19.7kgm)/3,800rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
中古車相場:43万~259.9万円
まとめ
本当に貴重で根強い支持を受け続けるプレミオですが、現行カローラアクシオの後継車がカローラスポーツ(2018年6月)同様3ナンバー化されるという噂もあり、仮に日本仕様がフェンダーなどの変更で5ナンバー枠を維持したとしても、プレミオのポジションとかぶる可能性が出てきます。
しかも、トヨタでは『近い将来、内燃機関のみの車の国内販売を廃止』、さらに『トヨタ系ディーラー全チャンネルで販売車種を統一』という方針を予定しており、プレミオの将来は非常に微妙です。
少なくとも販売車種の統一でプレミオ/アリオンいずれかへの統一は確実で、さらにカローラへポジションを譲り、現行の2代目プレミオでモデルが廃止される可能性すらあります。
既に伝統の名に決別しているとはいえ、1957年発売の初代コロナ以来13代、60年以上に渡る歴史が間もなく終わってしまうのか?
2016年のマイナーチェンジから4年程度となる2020年頃には、全てが明らかになることでしょう。
[amazonjs asin=”B079JSD3GW” locale=”JP” title=”MARFY’S WHITE(マーフィーズ ホワイト)歯磨き粉 オーガニック 90g 日本製”]
Motorzではメールマガジンを配信しています。
編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?
配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!