2018年現在、日本でも売れる唯一のアメ車ブランドとして名を馳せる『ジープ』ブランド。もともと日本では軍用車両のイメージが強かったものの、近代的RV/SUVとしてのブランドイメージを得るのに大きく貢献したしたのが、1980年代から2001年まで長きにわたって販売された2代目ジープ・チェロキー(XJ)でした。

 

2代目ジープ・チェロキー(XJ)  / © FCA Japan Ltd. All Rights Reserved.

 

AMC時代最後のチェロキー

 

2代目ジープ・チェロキー(XJ) / © FCA Japan Ltd. All Rights Reserved.

 

アメリカの軍用4WD車として、第2次世界大戦で連合軍が勝利する大きな原動力となった『ジープ』ブランド。

戦後長らくブランドを所有していたウイリス・オーバーランドから同社を買収したカイザー=ジープ コーポレーションが再度買収され、1970年以降はAMC(アメリカン モーターズ)が『ジープ』ブランド車を製造していました。

そんなAMCは1974年にジープ ワゴニアの2ドアスポーツワゴン版として、初代ジープ チェロキー(SJ)を発売しますが、軽快なスポーツ仕様とはいえ大排気量フルサイズSUVだったチェロキーは、オイルショック以降ガソリン価格が高騰する中では苦戦してしまいます。

そして、ついにはAMC自体がフランスのルノー傘下に収まるほど凋落してしまいますが、ルノー傘下となってからは初めて、そしてAMC時代としては最後のチェロキーとなったのが、1983年に登場した2代目(XJ)です。

大幅に小型化された上にラダーフレーム式をやめてモノコック(ユニボディ)化で軽量化され、ルノーの影響でヨーロピアン風デザインとなったデザインも非常に好評。

前後リジッドサスに『セレック トラック』または『コマンド トラック』という、走行中でも2WDから複数の4WDモードへ切替可能だったAMC独自の4WDシステムによって、悪路走破性もなかなか良好で、初期型のエンジンが非力だったことを除けば高い評価を受けています。

 

日本では右ハンドルの低価格車が大人気!

 

2代目ジープ・チェロキー(XJ) / © FCA Japan Ltd. All Rights Reserved.

 

ジープと言えば、第2次世界大戦後に進駐軍が乗り込んできた時に多用されたアメリカの象徴であり、後には自衛隊も使っている軍用車両のイメージが濃かった日本ですが、1985年から販売された2代目チェロキー(XJ)はそのイメージ変革に大きく貢献しました。

一方、1980年代からの日米貿易摩擦が激しくなり、日本車がアメリカでヒットする一方で日本でアメ車がサッパリ売れなくなって『ジャパン バッシング』が激化。

ついには「日本はもっとアメ車を買う努力をすべきだ!」と、現在のトランプ大統領も驚くような対日貿易強硬策が実行に移されますが、この頃のアメリカ自動車メーカーも無為無策だったわけではなく、2代目チェロキー(XJ)で戦後初の右ハンドル車が輸入されました。

そんな右ハンドル版チェロキー(XJ)は1993年から発売され、「ついに右ハンドルのアメ車が登場!」と一般ニュースでも大きく報じられたほか、同時に300万円を切る『スポーツ』グレードの登場で人気に火が付きます。

しかし、この頃日本で販売されていたのは4リッター直6OHVエンジン車で、10.15モードカタログ燃費ですら5.9km/リッター、実用街乗り燃費となると2km/リッター程度しか走らず、76リッタータンクでもちょっと走るとみるみる燃料計の針が下がる代物でした。

とはいえ、1990年後半から2000年頃にかけてはガソリンが現在では考えられないほどに安く、レギュラーガソリンでリッター90円切りは当たり前!

場合によっては70円台というケースすらあったので、まだこのような燃費の車でも売れる余地がありました。

 

主なスペックと中古車相場

 

2代目ジープ・チェロキー(XJ)  / © FCA Japan Ltd. All Rights Reserved.

 

クライスラー ジープ・チェロキー スポーツ 1993年式

全長×全幅×全高(mm):4,400×1,770×1,650

ホイールベース(mm):2,575

車両重量(kg):1,610

エンジン仕様・型式:水冷直列6気筒OHV12バルブ

総排気量(cc):3,959

最高出力:140kw(190ps)/4,750rpm

最大トルク:305N・m(31.1gm)/4,000rpm

トランスミッション:4AT

駆動方式:パートタイム4WD

中古車相場:29~188万円

 

まとめ

 

2代目ジープ・チェロキー(XJ) / © FCA Japan Ltd. All Rights Reserved.

 

初代(SJ)からの思い切った路線変更、そして日本ではさまざまな要因に後押しされて、2代目チェロキー(XJ)は現在の『ジープ』ブランド好調の基礎を作る車となりました。

もっともその間、AMCはクライスラーに買収されて消滅(1987年)してしまいましたが、チェロキーの好調があってこそ、クライスラーもAMC(というより『ジープ』ブランド)に魅力を感じたと言えます。

また、前後リジッドサスにパートタイム4WDとはいえ、モノコックボディなので軽量活発に走り、乗用車的な内外装を持つチェロキーは、AMC イーグルなどとともに現代のクロスオーバーSUVの始祖と言えるかもしれません。

 

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