トヨタ・MR2復活の噂が、にわかに賑わいをみせているのはみなさんご存知でしょうか?同じく話題となっていたトヨタ新型スープラの発売が間近に迫る今、ここにきてトヨタの名スポーツカーの復活がたびたび期待され、トヨタが本気でスポーツカーブームを起こそうとしているのかもしれません。
新型MR2の予想CG
86顔のaudiTTとかR8みたいなボディラインだな… pic.twitter.com/6KIGWIKlhy
— 岸 (@chikinkatu69) 2019年1月10日
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スポーツカー3本柱構想のラストを飾るのは次期MR2なのか?
スープラに引き続き噂になっているトヨタ MR2復活について、徐々に全貌が見えてきました。
これは、トヨタが今後予定するスポーツカーラインナップである『トヨタスポーツカー3本柱構想』の中で、86、スープラ、そして次に出てくるのはMR2ではないかと自動車メディアの間で予測されている流れ。
さらに、トヨタはアメリカで『Celica(セリカ)』を商標登録したことが分かっており、トヨタスポーツカー3本柱構想は”スープラ、MR2、セリカ”ではないかという見解も。
もしこれが現実になれば、トヨタ製スポーツカーフリークにとってはこの上なく嬉しい内容です。
果たして、スポーツカー不遇の時代に次期MR2は登場するのでしょうか。
疑問に思う部分もありますが、新型スープラ登場後も豊田章男社長を筆頭にトヨタがスポーツカー開発に意欲的なことは明らかです。
トヨタ・MR2とは
MR2は、トヨタが製造・販売していた二人乗りスポーツカーです。
国産車で初めてリアミッドシップにエンジンを搭載したスポーツカーで、登場したときの初代モデル(AW11型)は1.6リッターエンジンを搭載していました。
それまでリアミッドシップエンジンのクルマといえば、フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーでしか味わえないなエンジンレイアウトでしたが、それをトヨタがコンパクトな車体に収めたライトウエイトスポーツとして作り上げたのです。
しかも、200万円以下という多くの消費者の手に届く価格で売り出したことで、世界中のユーザーからの支持を受けます。
さらに1989年にはフルモデルチェンジし、登場した2代目モデル(SW20型)には2リッターターボエンジンが搭載され、大幅なパワーアップとボディ剛性のアップを実現。
レースでは、全日本GT選手権GT300クラスに参戦した土屋エンジニアリングのMR2が、1998/1999年の2年連続シリーズチャンピオンを獲得し、その速さを証明しました。
トヨタ・MR2のスペック
1998年モデル トヨタ MR2 GT-S | ||
---|---|---|
車体型式 | E-SW20 | |
全長×全幅×全高(mm) | 4,170×1,695×1,235 | |
ホイールベース(mm) | 2,400 | |
乾燥重量(kg) | 1,210 | |
乗車定員(人) | 2 | |
エンジン型式 | 3S-GTE | |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC16バルブターボ | |
排気量(cc) | 1,998 | |
内径×行程(mm) | 86.0×86.0 | |
圧縮比 | 8.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 180[245]/6,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 304[31.0]/4,000 | |
トランスミッション | 4速AT/5速MT | |
駆動方式 | MR | |
タンク容量(ℓ) | 54 | |
タイヤサイズ | 前 | 195/55R15 |
後 | 225/50R15 |
2021年までに19車種を発売!その中に次期MR2が含まれる?
トヨタ北米の副社長ジャック・ホリス氏は、アメリカ自動車雑誌『Autoguide』のインタビューで、2019~2021年までに19車種の新型モデルを販売することを示唆。
さらに、スープラのアシスタントチーフエンジニアである甲斐将行氏は、『86、スープラとFR式は揃った。次はミッドシップの番』と注目の発言をするなどし、このことからいくつかのメディアではMR2の復活は本当ではないかと囁かれています。
たしかに、ここまでトヨタ関係者の言及がそろっていればMR2の復活は大いに期待できるかもしれません。
なんと言っても、MR2はリアミッドシップスポーツを民衆の手の届く価格で発売したことで世界的にも有名になり、今なお世界中に根強いファンは多数存在します。
2012年に86がデビューして新型スープラの発売も迫る中、トヨタはさらにファンの期待に応えることができるのでしょうか。
スポーツカーに力を入れている今のトヨタであれば、十分に可能性はあると思います。
トヨタ単独ではなく他メーカーとのコラボで次期MR2の開発を実現
スポーツカーを開発するにあたり、小規模で運営するスポーツカー/スーパーカーメーカーであれば、親会社からの資金援助やコアなファンの支援によって開発は可能ですが、トヨタのような規模になると、採算の取れないスポーツカーをあえて作ることは利益を考える上では困難。
豊田章男社長が根っからのスポーツカー好きとはいえ、社長からの鶴の一声だけで、これほどスポーツカーを立て続けに開発することができるとは考えられません。
そこで、トヨタは他の自動車メーカーとタッグを組んでスポーツカーの開発に取り組むことで技術やノウハウ、資金面を補ってきました。
例えばスバルと共同開発発売したトヨタ 86とスバルBRZ。
そして、BMWとの共同開発で新型スープラを登場させ、BMWは姉妹車の新型Z4を一足は早く発表しています。
そのため、次期MR2も他メーカーとのコラボ企画で誕生することが有力ではないでしょうか。
86に続きスバルと共同開発か?
次期MR2に関して一番濃厚だと考えられるタッグは、86/BRZに続きスバルとの共同開発がささやかれています。
これは、スバルが2020年までに新型ホットハッチの発売を目指しており、トヨタと共同開発を進めてMR2とのタイミング合わせスバルも姉妹車を出すというもの。
パワートレインはスバル レヴォーグと共通の1.6リッター水平対向4気筒ターボ、または2.0リッター水平対向4気筒に電気モーターを組み合わせたハイブリッドで、最高出力は300PSを超えると予想されています。
また、一部メディアでは予想されるデザインのレンダリング画像が公開されており、VIZIVシリーズのフロントマスクとアウディR8のような攻撃的なスタイルと予想。
ちなみにVIZIVシリーズとは、スバルの新世代デザインの方向性を示した『SUBARU VIZIV TOURER CONCEPT』デザインコンセプトカーで、2018年3月のジュネーブモーターショーでは『VIZIV』シリーズ5台のワールドプレミアが行われました。
スバルが目指す新型ホットハッチがスバル独自のデザインコンセプトということは、トヨタはMR2にはオリジナルのデザインが施されるのでしょうか。
エンジン供給している英・ロータスと共同開発か?
2つ目に濃厚なのは、トヨタが10年以上エンジン供給を行っているイギリスのロータスカーズとMR2を共同開発するのではないかという予想。
ミッドシップスポーツカーの開発においては、ロータスは専門分野というほど熟知したメーカーであり、数々のピュアスポーツカーを生み出してきました。
そこでロータスがシャシーをメインに開発し、一方トヨタがパワートレインを開発して生まれたミッドシップスポーツカーであれば、かなりポテンシャルの高いクルマになるに違いありません。
しかし、それには1つ問題が。
中国の自動車メーカー吉利汽車(ジーリー)を運営する浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)は、2017年にロータスの株式51%を取得し、ロータスの親会社となりました。
浙江吉利控股集団といえばボルボを傘下にもち、去年2月にはダイムラーの株式9.69%を取得し、事実上の筆頭株主となっている会社。
となるとトヨタにとってライバル会社であり、そんなライバルの傘下となったロータスとクルマを共同開発するなんて事はあるのでしょうか。
浙江吉利控股集団がメルセデスベンツを運営するダイムラーの筆頭株主になれば、メルセデスベンツの最大のライバルであるBMWとスープラを共同開発したトヨタにとって、浙江吉利控股集団の傘下であるロータスとのMR2の共同開発は、持ち出しにくい話題のはず。
トヨタとロータスのMR2共同開発は、実際に難しい内容ですが、もしかすればMR2と共同開発を進めるうえで、トヨタはロータスを買収する!なんてことも、あるかもしれません。
まとめ
世界的にスポーツカーといえば高額なクルマのイメージがありますが、オリジナルのMR2と同様にコンパクトで安価なスポーツカーが登場すれば、世界中のスポーツカー市場が活気づくかもしれません。
トヨタとスバルが86/BRZを登場させた時、『まさにこんな車を求めていました!』という感じで世界中から大絶賛!今では世界中の自動車メーカーが2リッタースポーツカーを開発するうえでのベンチマークとなっています。
次期MR2が登場すれば、世界最高峰のレースに出場するリアミッドシップレーシングカーのような乗り味を、楽しむ事も!!
次期MR2が、スポーツカー市場に新たな風を吹かす存在になってくれる事への期待にワクワクが止まりません。
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