トヨタ AE86(以下:ハチロク)の専門ショップ『テックアート』は、レーシングドライバーである土屋圭市氏の愛車「ハチロク」のチューニングを手掛けた、知る人ぞ知る名門チューニングショップです。そんなテックアートでおこなった土屋氏のハチロクを取材中、もう一台気になるAE86トレノ・ブラックリミテッドAPEXを発見。それはなんと、同社代表 鎌田芳徳氏が20年以上乗り続けている愛車のハチロクでした。

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ただならぬオーラを漂わす黒光りのハチロク

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2019年の初夏、Motorz編集部 ヤマトは、土屋圭市氏の愛車のハチロクを取材するために、埼玉県にあるテックアートを訪れました。

テックアートは、土屋氏のハチロクのチューニングを担当し続ける、知る人ぞ知るハチロク専門ショップです。

といっても、お店の外観は普通の町工場で、コンセプトは『気軽に入れるお店』。

社長の鎌田氏と、そのご兄弟やお父様という家族経営で、チューニング以外に一般整備や中古車販売・買取も行っている、非常にアットホームなお店です。

取材では土屋氏に愛車のハチロクを紹介していただき、さらに、そのハチロクに試乗させてもらえることに!

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そんな取れ高も大満足で取材が終わりを迎えた頃に、お店の敷地内にもう一台、ただならぬオーラを漂わせ、黒く美しい光りを発するハチロクの存在を発見!

土屋氏のハチロクに引けを取らない程のインパクトを放つハチロクに出会ってしまったのです。

不良っぽい悪そうなトレノ!これぞ大人のハチロクチューン

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そんな漆黒のハチロクは、同社代表 鎌田芳徳氏の愛車でした。

鎌田氏の愛車は、AE86スプリンタートレノ最後の特別仕様車『GT APEXブラックリミテッド』をベースにチューニングされており、外装・内装・エンジンの至るところまでいじり倒されています。

鎌田氏は、「角のあるエッジをきかせたハチロクのスタイルを、どうイカつくするかをコンセプトにしており、友人から譲り受けて20年以上乗り続けています」と話してくれました。

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土屋氏のハチロクが、誰もが真似したくなる正統派チューニングカーとするなら、鎌田氏のハチロクは、ちょっと不良っぽいワルカッコいいチューニングカー。

外車や最新の国産スポーツカーには出せないこの雰囲気は、80年代の国産スポーツカーの良さと、ベースとなるAE86トレノのカッコよさを再認識することができます。

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内装はブラックを基調に、インパネの補器メーターやセンターコンソールに赤を配置することでアクセントにしつつ、真っ赤なシートやフロアマット、ドアの内張りなどとの統一感を強調。車内のレーシーな雰囲気を、さらに盛り上げます。

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リアシートは取り外されているものの、見た目にはこだわり、防音材と絨毯を敷くことで、オシャレな雰囲気に。足元に追加された赤のLEDイルミネーションライトと併せて、アダルティズムな印象が演出されています。

張り出したフェンダーと迫力のマイナスオフセット60

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外装は、クリスタルボディ横浜(CBY)のオーバーフェンダー、テックアートオリジナルのエアロパーツを身にまとい、ホイールはワークマイスターCR07のフロント8.5J-10、リア8.5J-40を装着。

そして車高調は、テックアートのオリジナルダンパーが装着されています。

大きくはみ出したオーバーフェンダーは、マイナスオフセット60mmのホイールをスッポリ収め、角ばったハチロクトレノに、さらにエッジを効かせたスタイルを実現しています。

490馬力を絞り出す7AGターボエンジン

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エンジンは、純正の4AGよりパワーが出て耐久性の高い、7AGエンジンを搭載。

7AGは、6代目カリーナや3代目スプリンターカリブに搭載されていた7A-FEエンジン型のブロックに、20バルブのヘッドを組み合わせたエンジンで、7A-FEが1.8リッターの設計だったため、より頑丈で故障リスクを軽減させたうえで1.8リッターまで排気量がアップされています。

4AGより格段に低回転時のトルクアップが実感でき、純正部品を流用することにより、コストも抑えられるため、ハチロク乗りには是非おすすめしたいエンジンチューンです。

ちなみに、鎌田氏のハチロクのエンジンには、ギャレット製のタービンが取り付けられており、燃調をトップフィード製インジェクターに変更することで、最適化が図られています。

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マフラーは、フジツボとコラボで製作したテックアート パフォーマンスマフラーBGテールバージョンを搭載。エンジンを始動するとアイドリング時に重低音が響き、図太いサウンドが魅力です。

非力なA型エンジンにこだわりながら、テックアートのチューニングノウハウを詰め込み、パワーはブース1.5kgf/cm2で約490馬力!

サーキットで走れば最高速は時速200キロ中盤まで達し、軽い車体と相まってノーマルのGT-Rくらいが相手なら、余裕で前に出られる仕様です。

意外にも実用的な490馬力!アクセルを踏み切るとじゃじゃ馬

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ヤマトが取材中に「機会があったら今度、ヨコに乗せてください!」と言うと、鎌田氏が「乗る!?」とすぐさま同乗走行がスタートします。

街中に出て加速すれば、低回転域から一気にスピードが上がっていき490馬力を実感。

ハチロクはエンジンを回してパワーを引き出すイメージがありますが、鎌田氏のハチロクは回転数を4,000~5,000rpmぐらいに抑えても、下からじわじわとトルクで出て加速していく感覚です。

街中から高速道路までの速度域で運転しやすいようにチューニングされており、かつ燃費は街乗りで8~9km/L 高速で10~11km/Lを実現。普段使いの街乗りで楽しむためにはうってつけの1台。

かといって、5000rpm以上まで回せば490馬力が本領を発揮し、ホイールスピンをしてしまうほど、じゃじゃ馬な一面をみせてくれます。

まとめ

AE86トレノ/レビンは生産終了から30年以上経過し、速さでは現行車には敵わないと言われています。

しかし、チューニングによりハチロクの良さがスポイルされず弱点が克服されるなど、ハチロクチューンは今でも年々進化しているのです。

その最前線が土屋氏のハチロク、そして鎌田氏のハチロクだと実感できる取材となりました。

モタガレでも、テックアート製品を取り扱っています!

 

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TEL:048-994-2081
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