安全運転サポート車の購入補助や、後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置の導入補助が受けられる「サポカー補助金」。当初は令和2年度(2021年3月末)で打ち切り予定でしたが、同年度計上予算の消化まで、令和3年度も補助が継続される事になりました。今回は、国交省からも「後付けのペダル踏み間違い急発進等抑制装置」として認定を受けている、株式会社データシステムの「アクセル見守り隊」と「ペダルの見張り番II」を紹介します。

アクセル見守り隊/ペダルの見張り番II 出典:https://www.datasystem.co.jp/sp/products/sag297/index.html

先進安全技術の搭載に助成が受けられる「サポカー補助金」

事故の可能性を減らせれば… Photo by yoppy

たびたび全国ニュースでも報じられる、「アクセルとブレーキの踏み間違いが原因、または原因と思われる暴走事故」は、単に目前の壁にぶつかる程度ならともかく、時には自走式立体駐車場の上階から転落大破、複数の歩行者を巻き込んでの人身事故など、重大事故への発展が、近年になって社会問題化しています。

昔ならMT車比率が多く、暴走してもクラッチを踏んで駆動力を切る、あるいはスポーツカーでもない限り動力性能がそれなりだったため、何か操作を間違えても冷静に対処する余地がありました。

しかし近年はクラッチペダルのない非MT車が増え、しかも電動化技術の発達でモーターにより発進、あるいは発進や加速のアシストを行う車が増え、低速トルクが強力なためにブレーキと間違えてアクセルを思いっきり踏んでしまった場合、猛烈な加速によりパニック状態に陥ったまま、事故へ発展していると考えられます。

そこで最新型の車では、車体に設けたセンサーで周囲の障害物を監視、自動的にブレーキをかけたり、不必要な場面でいきなりアクセルペダルを強く踏んでも、すぐに急加速させない仕組みが導入されるようになりました。

つまり「一旦止めたり、ゆるやかにしか動かさせない事でドライバーへ誤りを気づかせ、パニック状態へ陥る事を防ぎ、ブレーキペダルへ踏み直す時間を作る」効果が期待できますが、既に販売されている車でこの種の装置がない場合はどうするか、という問題が出てきます。

ただし、ドライバーによるアクセルペダル操作を、ワイヤーなどでエンジンに直接伝達していた時代と異なり、ある程度新しい車ではドライバーのアクセルペダル操作に応じ、コンピューターが実際の操作を受け持つ「電子制御スロットル」を採用しており、車のコンピューターへ介入できれば、最新型の車に近い操作も実現可能です。

そこで「後付けでペダルの誤操作による急発進を防ぐ商品にも、同様のシステムを組み込んだ新型車の購入と同様に扱おう」と決まり、「サポーカー補助金」の名で購入補助が受けられるようになりました。

国交省に認定されたデータシステムの「アクセル見守り隊」と「ペダルの見張り番II」

アクセル見守り隊とペダルの見張り番II データシステム©

サポカー補助金の対象となる「後付けのペダル踏み間違い急発進等抑制装置」には、大別すると2種類あります。

ひとつは主に自動車メーカーが後付けオプションとして開発した障害物検知機能付きで、高性能ではありますが、適合車種はそのメーカーが障害物検知用のセンサーを取付できる車に限られます。
もうひとつは、より簡易的ながら、アクセル信号をモニターして危険な操作と判断した場合に、コンピューターへアクセル信号(アクセル操作)をキャンセルさせる方式で、電子制御スロットルを採用した国産車なら、多数の車種に適合しているのが特徴です。

後者で令和元年12月に国交省から認定された装置のうち、車載用電子機器やカー用品などを開発・販売する株式会社データシステム(東京都新宿区)の製品が、「アクセル見守り隊」と「ペダルの見張り番II」。

両製品は、同社公式HPの製品紹介ムービーなどを見る限り、「ペダルの見張り番II」がカー用品店の「オートバックス」専売となっている以外、大きな違いはありません。

急踏み込み防止機能 出典:https://www.datasystem.co.jp/sp/products/sag297/index.html

基本となる「急踏み込み防止機能」は、停止時、または10km/h未満から前進/後進いずれかでアクセルペダルを強く踏み込んでしまっても、警告する光や音とともにアクセル信号を解除(キャンセル)し、クリープ現象程度の徐行のみで進みます。

自動ブレーキではなくアクセル制御なので、停車まではしませんが、不用意な急加速を行わない事と警報で、踏み間違いに気づいたドライバーがブレーキへ踏み直す時間の余裕を作りました(アクセルペダルから足を離せば、警報は止まり、防止機能も解除されます)。

もちろん、10km/h以上で通常走行している際は動作しませんので、高速道路で本線へ合流する際は、通常通りの加速が可能です。

同時踏み防止機能 出典:https://www.datasystem.co.jp/sp/products/sag297/index.html

また、オプションで「車種別ブレーキハーネス」も組み込めば、アクセルとブレーキを同時に踏んでしまった場合にもアクセル信号を解除し、ブレーキを優先する「同時踏み防止機能」が働きます(最新車種では「ブレーキオーバーライド」として実装されている事も多い機能)。

なお、誤操作でなくとも停車/徐行状態からアクセルを強く踏む必要がある急坂、あるいは交差点で曲がる時などは、機器のスイッチを押せば一時的に機能をOFFにできて、その後アクセルを戻せば自動で機能がONに復帰する仕組み。

利用状況に応じて作動させるアクセル感度調整を5段階で変更したり、作動した回数を後からチェックできる機能も備えられているほか、ウィンカー連動で機能を一時停止できる「ウィンカー連動キャンセルアダプター」も販売されています。

65歳以上のユーザーが使う車なら、サポカー補助金で購入・取付費用から2万円引き!

アクセル見守り隊/ペダルの見張り番II 出典:https://www.datasystem.co.jp/sp/products/sag297/index.html

気になる価格ですが、以下のようになっております(いずれも税込)。

「アクセル見守り隊」:30,800円(本体のみ)
「ペダルの見張り番II」:44,000円(オートバックス専売・取付に要する部品や工賃を含む)

「車種別アクセルハーネス」:4,400円
「車種別ブレーキハーネス::3,300円(「同時踏み防止機能」に必要)
「ウィンカー連動キャンセルアダプター」:4,400円(オプション)

65歳以上のユーザーが購入する場合、経済産業省の「サポーカー補助金」対象となっており、申請者本人が「運転免許証」、「使用者名と免許証の氏名が同一の車検証」、「印鑑(認印)を取付店舗へ持参して申し込めば、一度に限り、購入・取付費用の総額(税込)から2万円を差し引いた金額で取付可能です。

また、自治体によっては独自のサポカー補助金に相当する制度を独自に設けており、国のサポカー補助金と併用可能な場合はさらに安く導入できます。

なお、国のサポカー補助金の申請は、次世代自動車振興センターが認定した「後付装置取扱事業者」が行いますので、補助金を使った購入・取付の場合は以下リンクで最新の取扱事業者を確認してください。

「アクセル見守り隊」取扱事業者
「ペダルの見張り番II」取扱事業者

 

※これに関連してか、「アクセル見守り隊」の購入や取り扱いに関しては「誠に勝手ながら諸条件がございます」との注意書きとともに、問い合わせフォームから申込みするよう公式HPには記載されています

基本は高齢者向けですが、年齢を問わずオススメです!

こんな時でも踏み間違いでの事故を防ぐ 出典:https://www.datasystem.co.jp/sp/products/sag297/index.html

当初は令和2年度(2020年度)まで、令和3年3月末で終了予定の施策だったサポカー補助金でしたが、予算がまだ残っており、令和3年度に入っても予算が尽きるまで補助を受けられます。

早いもの勝ちですから、高齢の親御さんがまだ運転している場合のプレゼントにもいかがでしょうか?

また、高齢者によるペダル踏み間違い事故の増加を受けて注目されている商品ですが、万が一の踏み間違いによる急加速と、それによるパニック状態は、年齢や運転経験を問わず起こりえますから、対応車種に乗っているユーザーなら高齢者に限らずオススメできる製品です。