F/Kマッシモ ADVANスープラ(2001,2002年)

©︎TOYOTA

2001年、ドライバーは荒聖治/織戸学という体制となり、チーム・セルモのスポンサーでお馴染みだったF/KマッシモとジョイントしてのGT500挑戦2年目。

車体はやはり前年型でしたが、空力パーツには投資を行い、最新のワークス仕様にアップデートされています。

この年もポイントは11ポイント、苦しいシーズンとなりますが、フリー走行でトップタイムを勝ち取るなど光明の見えた1年でした。

2002年シーズンは織戸学に変わり山路慎一が新規加入。

この年は3度の入賞を果たし、中でも第5戦富士では4位と、あと一歩で表彰台というところまで戦闘力をつけていきます。

最終獲得ポイントは32ポイントでした。

そして言うまでもなく「無いものは作ったれ」精神は変わらず、土屋エンジニアリングはワークスと一線を画す独自のアップデートでハイテク軍団に勝負を挑み続けていきます。

 

ADVAN スープラ(2003)

©︎TOYOTA

土屋エンジニアリングといえばこのスープラ!という方も少なく無いでしょう。

25周年を迎えたADVANの全面的なサポートにより、歴史と伝統のADVANカラーを背負うことになったのです。

ドライバーは荒聖治/ジェレミー・デュフォアという布陣となり、更に念願のワークス・スペックの最新マシンを導入。

この年からV8エンジンとなった新型スープラで開幕戦からトップ争いを繰り広げ、第6戦のもてぎで激戦の末ついに3位表彰台を獲得します。

最終戦では初のポール・ポジションも獲得し、伝統のカラーリングに恥じぬ活躍を見せました。

 

ECLIPSE ADVAN スープラ(2004〜2006)

出典:http://ms.toyota.co.jp/

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2004年シーズンからは富士通テンのECLIPSEブランドがスポンサーに付き、ドライバーは古巣に復帰した織戸学に加え、ドミニク・シュワガーという布陣に一新。

高いポテンシャルを見せ一時トップを走行するなど進化を見せるも、あと一歩で安定感に欠き優勝には届かない、歯がゆさの残る1年となります。

そして宿願を果たすべく臨んだ2005年シーズン。

開幕戦において、グリッド1位2位を独占したNISMOワークスの新型Zと、仕上がりの芳しくなかったワークススープラ勢を横目に独自のアップデートが功を奏し、ついにGT500念願の初優勝を果たします。

その後はワークス勢の開発が進み、やはり苦戦を強いられるシーズンになったものの、もはや「プライベーターが戦えないレベル」とも言われた超ハイテク・GT500クラスで挙げたこの1勝の価値。

それは計り知れないものだったと言えるでしょう。

 

ECLIPSE ADVAN SC430(2007〜2008)

出典:http://ms.toyota.co.jp/

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2007年、ワークス勢が2006年から投入したSC430を1年遅れで導入、やはりワークス使用の前年モデルの供給を受けての参戦でした。

ドライバーは1997年以来となる織戸学と土屋武士が再びタッグを組み、シーズン中5位・6位入賞を記録。

2008年シーズンは新車の投入はなく、なんとそのまま前々年モデルに最新のエアロキットのみを組み込んで参戦。

このような苦しい状況の中、第4戦セパンと第5戦SUGOで2戦連続4位入賞を果たし健闘しました。

しかしこの2008年は、世界中で不景気を理由にレースからのワークス撤退が相次いだ、まさにモータースポーツ氷河期の幕開けの時。

土屋エンジニアリングもこのあおりを受け、2008年を以ってスーパーGTへの参戦を中止せざるを得ない状況となったのです。

 

伝説よ再び!!”つちやエンジニアリング”復活

Photo by Tomohiro Yoshita

時を経た2015年、もとよりメカニック・エンジニア・監督・そしてドライバーのすべてを一流にこなす唯一無二の存在だった土屋武士が、「つちやエンジニアリングの復活」を表明。

参戦に向け、この年からプライベーター向けベースマシンとして導入される、GTマザーシャーシを購入。

非常にユニークなのは、テレメトリーなどの電子技術が主流の現在にあって、70年代のF1よろしく、敢えてメカとしての”勘と経験”を以ってマシンを開発・セットアップし、戦うことを明言したのです。

現実的なコストカットに加え、父である天才メカニック・土屋春雄のような「誰にも代わりの効かない」職人を育てるべく、前向きなトライとして実際にこの方針でシーズンを戦いました。

もちろん、土屋武士がエンジニアでありながら一流のドライバーであるからこそ可能な芸当とも言えます。

乗って自分でセットアップを出来るというのが、どれほどの武器かは想像に難く無いはずです。

 

VivaC 86 MC

出典:http://supergt.net/news/single/16578

出典:http://supergt.net/

2015年シーズンは、開幕からGT3勢が猛威を振るう大乱戦の中、開幕戦から6位入賞を果たし早々に存在感を示すと、第6戦SUGOでマザーシャーシ初の優勝を果たします。

土屋エンジニアリングとしては10年ぶりの勝利でした。

2年目となる2016年は更に力をつけ、第2戦で3位、第3戦で2位と連続入賞。

そして10月10日に行われたタイ・ラウンドで完全勝利を果たし、そして、最終戦でも見事優勝し、勝ってシリーズチャンピオンに!

1999年のクラスチャンピオンから17年、成長という言葉では足りない進化を遂げた万能選手・土屋武士と、彼の率いるスーパーメカニック達が再び伝説を築き、2016年のシリーズチャンピオンとなりました。

 

まとめ

資金に恵まれない故、風洞もテレメトリーも使わず、しかし限られた環境だからこそひねり出せるアイディアと”人間そのもの”の熟成により、土屋エンジニアリングはコンピュータに支配された現代のモータースポーツに革命を起こそうとしているのかもしれません。

Photo by Tomohiro Yoshita

エアロパーツひとつとっても、過去のGTマシンの写真を皆で眺めながら「この形状は効果ありそう」といった見よう見まねで、DIYでフルスクラッチ!本当にこんなこともあるのだそうです。

それでいて、ワークス勢やメーカーが本腰で開発したGT3マシンに勝つだなんて、夢があるにも程があります。

土屋エンジニアリングは、間違いなく日本中のメカニックが「面白い!!」と思えることを、情熱と確かなノウハウでやり続けている訳です。

こんな面白いチームから、目が離せる訳がありません。

 

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