開幕間近に迫った2017シーズンのWRC(世界ラリー選手権)。今季はトヨタの復帰もあり、これまで以上に大きな注目を集めています。しかし、今まで注目してこなかった方はどんなレースか知らない人も多いはず。そこで今回は、WRCの魅力やルールについて分かりやすくご紹介したいと思います。

© Red Bull Media House

 WRC(世界ラリー選手権)とは?

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FIA(国際自動車連盟)が、それまで世界各地で単独開催されていたラリーをイベントとして組織化し、1973年にスタートしたラリーの世界選手権です。

他者と順位を競い合うレースではなく、決められた区間をいかに速く走るかというタイムを競い合うレースで、出場車両は一台ずつ順番にスタートしタイムアタックを行っていきます。

未舗装路(グラベル)とアスファルト舗装路(ターマック)を基本とした、色々な路面環境のコースを猛スピードで駆け抜けるシーンはWRCの見どころの1つとなっています。

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そして、もう一つの大きな特徴がレース中、マシンへの乗車人数が2人必要という点。

もちろん、1人はステアリングを握るドライバーで、もう1人は助手席でドライバーのサポートを行うコ・ドライバーです。

コ・ドライバーは、コースに関するコーナーや路面状況などの情報が記されたペースノートを読み上げ、ドライバーを運転に専念させる重要な役割を持っているのです。

ラリーは非常に長い距離を走る上、サーキットのような周回路を走行する訳ではない為、コースを覚えるのは非常に困難を極めます。さらには道幅が狭いコースも多く、一瞬のミスが命取りとなってしまうので、コ・ドライバーのサポートは欠かせないものとなっているのです。

ドライバーはコ・ドライバーの情報を信じ、コーナーへ飛び込むので、誤った情報を伝えてしまうと大事故に繋がりかねない、信頼関係が最も重要な競技なのです。

どんな危険な道であろうと2人のドライバーが信頼し合い、果敢にアタックを行う姿はラリーの魅力であり、その頂点がWRCなのです。

 

世界各国を転戦し、合計ポイントでチャンピオンが決定!

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では、次にWRCのルールを見ていきましょう。

WRCは年間13戦で争われ、FIA(国際自動車連盟)が統括する他のカテゴリーと同様に順位に応じてポイントが与えられ、最終戦を終えた時点で最も多くのポイントを獲得すると総合王者となります。

そしてそのタイトルは、ドライバー、コ・ドライバー、そしてマニュファクチャラー(製造者)の3部門に分けられています。

各イベントの総合成績に応じて与えられるポイントシステムは下記の通りとなっています。

1位   25ポイント

2位   18ポイント

3位   15ポイント

4位   12ポイント

5位   10ポイント

6位   8ポイント

7位   6ポイント

8位   4ポイント

9位   2ポイント

10位 1ポイント

そしてスケジュールはこちら。モータースポーツといえば3月〜4月に開幕しますが、WRCの場合は1月からスタート。

今年もモンテカルロラリーを皮切りに11月の最終戦オーストラリアまで世界中を転戦して争われます。

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2017 WRC カレンダー

第1戦(1月20日~1月22日):モンテカルロ

第2戦(2月10日~2月12日):スウェーデン

第3戦(3月10日~3月12日):メキシコ

第4戦(4月7日~4月9日):フランス

第5戦(4月28日~30日):アルゼンチン

第6戦(5月19日~21日):ポルトガル

第7戦(6月9日~6月11日):イタリア

第8戦(6月30日~7月2日):ポーランド

第9戦(7月28日~7月30日):フィンランド

第10戦(8月18日~8月20日):ドイツ

第11戦(10月6日~10月8日):スペイン

第12戦(10月27日~10月29日):グレートブリテン(イギリス)

第13戦(11月17日~11月19日):オーストラリア

 

WRCにはどんなマシンが参戦しているのか?どんなスケジュールでレースが進んでいくのか?次のページでじっくりご紹介していきます!