砂漠で雨、予選順延と波乱

©︎MotoGP

今年も開幕戦の舞台はカタールにある「ロサイル・インターナショナル・サーキット」。砂漠の中にあるサーキットで、夜にレースをするサーキットしても有名。しかし今年は「大波乱の幕開け」となってしまった。

金曜日夜から激しい雷雨がサーキットを襲い、コース上には大量の水たまりが。安全に走行できる状態でないと判断されて、公式予選は中止となってしまった。

この結果、それまでのフリー走行での総合タイム順でグリッドが決定した。もちろん、幸運な結果ではあるが、そこまでのセッションで力強い走りを見せていたビニャーレスの実力もあった。

 

冷静かつ、アグレッシブな走り

©︎MotoGP

決勝日は天気が回復したものの、スタート前に再び天候が悪化。2回も中断を余儀なくされた。雨がらみの難しい路面、そして予定より45分遅れのスタートと混乱続きだったが、ビニャーレスは至って冷静だった。

スタートではポジションを守ることができず、一時は5番手まで後退。集団の中でレースを進めていく。やはりレースになると、他のライダーたちが一枚上手かと思われたが、ビニャーレスは一つのミスが命取りとなる難しいコンディションを考慮し慎重にレースを進めていたのだ。

流れをつかみ始めたレース後半からペースアップ。ライバルの転倒にも助けられる形となったが、着実に順位を上げていった。

11周目に2番手にあがると、そこからアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)との一騎打ち。ぞれまでの様子を見ていく走りから一転し、アグレッシブに攻めていくライディングへ切り替え、残り6周のところでトップに立つ。

2人のバトルは最後まで続いたが、ビニャーレスが逃げ切り0.461秒差でフィニッシュ。ヤマハ移籍後の初レースで、いきなり優勝を飾った。

 

ヤマハで勝つことは大きく重たいこと

©︎MotoGP

満面の笑みで表彰台の中央に立ったビニャーレス。MotoGPでは自身2度目の勝利だったが、ヤマハで勝つことはやはり意味が違うという。

決勝は楽ではありませんでした。またしても雨が降り出し、どうすればいいかわからなくて少し混乱。序盤は路面が滑り易くて厳しい状態だったので、無理をせず、冷静にいきたいと考えていました。

ペースはとても良かったので、終盤になってからプッシュを開始。前のほうでたくさんの転倒があったので、十分に待ってから攻めたのが良かったのだと思います。トップでゴールラインを通過したときの気分は、ことばでは表現しきれないほど。

ヤマハで初めての優勝は、最初のMotoGPウインよりも重たいんです。なぜなら、僕にとってはプレッシャーがより一層、大きかったので。冬季テストでリードし、”やれる!”と思って、こうして実際に結果を残しました。(ヤマハ・プレスリリースより)

©︎MotoGP

本人にとっても、今年のヤマハ移籍は大きなチャレンジ。

昨年以上に周囲から注目されるだけでなく、チームメイトはMotoGP最強ライダーの一人であるバレンティーノ・ロッシと、比較される対象が一層シビアになっているのだ。

そこで良い結果を出せるか、それともプレッシャーに負けてミスを連発してしまうかで、「マーベリック・ビニャーレス」というライダーの評価が決まる。

ある意味、このカタールGPは、それを大きく左右する1戦でもあったのだ。

もちろん、第2戦以降の走りを見てみないと本当の実力は分からないのだが、今回のレースを見た多くの人が「チャンピオン候補の一人になり得る存在」と確信したのは、間違いないだろう。

 

2017MotoGP 開幕戦カタールGP 決勝結果

1位マーベリック・ビニャーレス(Movistar Yamaha MotoGP)38’59.999

2位アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Ducati Team)+0.461

3位バレンティーノ・ロッシ(Movistar Yamaha MotoGP)+1.928

4位マルク・マルケス(Repsol Honda Team)+6.745

5位ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)+7.128

6位アレイシ・エスパルガロ(Aprilia Racing Team Gresini)+7.661

7位スコット・レディング(OCTO Pramac Racing)+9.782

8位ジャック・ミラー(EG 0,0 Marc VDS)+14.486

9位アレックス・リンス(Team SUZUKI ECSTAR)+14.788

10位ジョナス・フォルガー(Monster Yamaha Tech 3)+15.069

11位ホルヘ・ロレンソ(Ducati Team)+20.516

12位ロリス・バズ(Reale Avintia Racing)+21.255

13位ヘクトール・バルベラ(Reale Avintia Racing)+28.828

14位カレル・アブラハム(Pull&Bear Aspire Team)+29.123

15位ティト・ラバト(EG 0,0 Marc VDS)+29.470

 

ライダーズランキング

1位マーベリック・ビニャーレス 25pts

2位アンドレア・ドヴィツィオーゾ 20pts

3位バレンティーノ・ロッシ 16pts

4位マルク・マルケス 13pts

5位ダニ・ペドロサ 11pts

6位アレイシ・エスパルガロ 10pts

7位スコット・レディング 9pts

8位ジャック・ミラー 8pts

9位アレックス・リンス 7pts

10位ジョナス・フォルガー 6pts

11位ホルヘ・ロレンソ 5pts

12位ロリス・バズ 4pts

13位ヘクトール・バルベラ 3pts

14位カレル・アブラハム 2pts

15位ティト・ラバト 1pts

 

まとめ

©︎MotoGP

今まではロッシやロレンソがチャンピオン争いの中心人物だったが、そこにマルク・マルケス(ホンダ)が入り、いきなりチャンピオンを獲得したのが2013年。

この時もレースを重ねるたびに、従来の勢力図を大きく書き換えられていくような衝撃があったが、ビニャーレスも、これに匹敵していきそう。

今回は特殊なコンディションだったため、細かく判断するのは難しいが、より一層第2戦を観るのが楽しみになった開幕戦だった。

注目の第2戦は4月7~9日にアルゼンチンで開催。他のレース同様に、今年のMotoGPはシーズンを通して目が離せない。

 

あわせて読みたい

ロッシも憧れた天才ライダー!”ノリック”こと阿部典史を知っていますか?

今年からFIM世界選手権シリーズの最終戦!真夏の祭典”鈴鹿8耐”を楽しもう

目指せJSB6連覇!YAMAHA国内ライダー2017年モータースポーツ活動計画発表!

 


Motorzではメールマガジンを始めました!

編集部の裏話が聞けたり、月に一度は抽選でプレゼントがもらえるかも!?

気になった方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みいただくか、以下のフォームからご登録をお願いします!