今橋彩佳…千載一遇のチャンスを生かしきれず、悔しい“0.8秒差の”2位

©︎Tomohiro Yoshita

 

予選終了後、ポールポジションを獲得しメディアからの取材に応じる小山とは対照的に、2番手となった今橋は、メカニックと話し合い、自分に何が足りなかったのかを分析していた。

彼女も昨年までFIA-F4に参戦し、今年は86/BRZクラブマンクラスに参戦。今回のKYOJOでも優勝候補の一角と目されていた。

しかし、フタを開けてみれば、昨年までチームメイトだった小山に0.5秒差をつけられての2番手。午後の決勝までトークショーなど、様々なイベントをこなしていたが、その表情に笑顔はほとんどなかった。

迎えた午後の決勝レース。小山有利という予想が大半を占めた中、その雰囲気をスタートで一変させる。

 

©︎Tomohiro Yoshita

 

スタンディングスタートでややダッシュが鈍った小山に対し、今橋は抜群のスタートを披露。1コーナーからコカ・コーラコーナーに向けて3ワイドになるバトルとなった、これを制したのが今橋だった。

ペースが上がらない小山に対して、序盤から後続との差をつけていく今橋。前半のペースを見ていると彼女の方が有利だったため、「もしかすると今橋が初戦のウィナーになるのではないか?」という雰囲気が蔓延。

しかし、周囲の期待とは対照的に、コックピット内の今橋には全く余裕がなかった。

「追われる立場に慣れていなくて、一人で焦ってしまって…。走りがかなり雑になっていました」

特にダンロップコーナーや最終コーナーでのブレーキ時にタイヤをロックさせてしまっていたとのこと。

その間に小山に詰められ、ファイナルラップの1コーナーで逆転を許してしまう。

それでも最後まで再逆転を目指し追いかけたが、0.8秒届かずフィニッシュ。最後の最後で2位に落ちてレース終了となってしまいました。

 

©︎Tomohiro Yoshita

 

「スタートはうまくいって、序盤に小山選手と接触もありましたが、うまくこらえて、そこで差を広げられました。結構、間があいているからいけるかなと思ったけど、焦っちゃって、一人でペースが落ちていってしまいました…」

「最初からトップに離されたままの2位だったら、また別の悔しさだったと思いますが、ずっとトップを走っていた中で最後逆転されての2位なので…本当悔しい」

 

©︎Tomohiro Yoshita

 

レース後の取材中、何度となく「悔しい」と発していた今橋。しかも競り負けた相手が昨年のチームメイトで、やはり最大のライバルだっという部分も、悔しさを倍増させていた様子だった。

しかし、86/BRZや昨年までのFIA-F4でも、その悔しさをバネに次のレースでは着実に成長した走りを披露するのが今橋の強みでもあります。

レース後、あまり多くは語らなかったが、心の中では“絶対に第2戦は勝つ!”と心に決めていたことだろう。

 

©︎Tomohiro Yoshita

 

表彰式でのシャンパンファイトでは、小山に思いっきりシャンパンを浴びせていた。

“次は絶対に負けない!”

そんな思いが、伝わってくるようなシャンパンファイトでした。

 

ますます楽しみなKYOJO第2戦

 

©︎Tomohiro Yoshita

 

今回のレースでは、全体的に小山が一歩リードという印象で、周囲の話を聞いても「小山が頭一つ抜け出ている」という評価が多い。

しかし、実際にその小山を最終ラップまで抑え込む走りを見せた今橋の存在も十分に大きかった。

彼女のいう通りトップで逃げていく展開に慣れていなかったことが、敗因かもしれないが、これが4ヶ月というインターバルの間で改善されていけば、第2戦はさらに互角な戦いになることも予想されます。

このまま、小山がリードを広げるのか?それとも今橋が逆転するのか?ますます目が離せません。

 

まとめ

©︎Tomohiro Yoshita

シリーズ発足のアナウンスから、様々な意見があったKYOJO-CUP。実際にフタを開けて開幕戦をみてみれば、今までクローズアップされなかったライバル対決で盛り上がる結果となりました。

次回は9月17日に富士スピードウェイで第2戦が開催されます。

この週はスーパーGTやスーパーフォーミュラなど国内主要レースも重なっておらず、翌日の18日は祝日。

サーキットへ足を運びやすい日程となっています。

ぜひ、彼女たちの熱いレースを現地で応援してみてはいかがでしょうか。

 

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