大雨の中開催された、全日本ロードレース選手権第3戦SUGO大会。豪雨と濃霧による公式予選スケジュール変更からの、決勝レース。決勝日も天気予報とは反し、雨が止むことがありませんでした。そんな波乱続きの決勝はどのような結末を迎えたのでしょうか。
CONTENTS
まずはJ-GP3クラス決勝
元々予定されていた土曜日に唯一公式予選を終えたJ-GP3クラス。
天気予報では午前中には雨が止むという予報でしたが、全くその気配はなく、降り続く中行われた決勝レース。
前日の濃霧による大幅なスケジュール変更により、周回数は18LAPに変更されスタートを切りました。
ホールショットを奪ったのは♯36 福嶋佑斗(TEAM PLUSONE)。続いて♯17小室旭(Team P.MU 7C)、♯41宇井陽一(41Planning)と続きます。
そのまま2コーナーにさしかかると、宇井が小室をかわし、3コーナーで福嶋もかわしてトップに浮上!その後も、オープニングラップからトップ4台が順位を入れ替え続ける接戦を繰り広げました。
周回数を重ねるごとに、すこしずつバラけ始めたトップ集団。最後は小室と伊達のテールtoノーズの激しいバトルが繰り広げられ、最終的にレースを制したのはポールポジションスタートの小室。続いて、伊達、宇井、♯13長谷川聖(CLUB Y’s)という結果となりました。
Motorz注目の♯13長谷川聖 選手(CLUB Y’s)の決勝は?
前日の予選で9番グリッドからスタートした長谷川。
オープニングラップから好タイムをマークし着々と順位を上げ、3LAP目には7位、8LAP目には5位と猛追劇を見せます。
そして、そのままチェッカーを受けるかに見えた最終LAPで♯2栗原佳祐(MORIWAKI CLUB)を交し4位に浮上し、入賞を果たしました。
長谷川選手コメント
今日の決勝は、予選の位置が悪くて追い上げるのに色々と手間取ってしまい、3位が見えた時には追い付けない状況でした。
次戦では、予選であんな失敗はしないようにタイムを出して、グリッドを前の方からスタートして、表彰台に乗れるように頑張ります。
もてぎはあんまり得意ではありませんが、去年はバイクがノーマルの状態だったので、今年は去年とは違うのでイケると思います。
ST600クラス予選・決勝
土曜日の雨と濃霧の為、日曜日朝に変更となった公式予選。雨が降り続くウエットコンディションの中、ポールポジションを獲得したのは、♯62横江竜司(SHOP Union 東北)。続いて、♯52 岡本裕生(51ガレージ チームイワキ)、3番手に♯5前田恵助(伊藤RACING・GMDスズカ)の順でのスターティンググリッドを決定しました。
同日行われた決勝レースでホールショットを奪ったのは、2番グリッドからスタートをした岡本。
次いで、横江、♯57奥田教介(team MF & KAWASAKI)と続きます。
そのままオープニングラップを制した岡本は、かなりの好タイムをマークし、グングン後続を引き離してそのまま独走態勢に。
周回を重ねるごとに雨足も強くなり、転倒が続出する中、驚異の追い上げを見せたのは22番グリッドスタートの♯46 星野知也(TEAM PLUSONE)。オープニングラップ終了時には3番手に浮上し、2番手走行中の横江が4周目のSPコーナーで転倒すると、前田との2番手争いを繰り広げます。
決勝結果は、終始独走状態だった岡本が後続と16秒以上の差を付け優勝!続いて、前田、星野の順でチェッカーとなりました。
Motorz注目の♯70 清末尚樹 選手(RS-ITOH)の決勝は?
午前中に行われた公式予選で9番グリッドスタートとなった清末。オープニングラップが終了する頃には6番手に浮上し、着実に前との差を詰め、一時は5番手にまでポジションを上げました。
その後、4番手争い集団で接戦を繰り広げるも、14LAP目、7位走行中にS字の立ち上がりでハイサイド!転倒リタイアという悔しい結果となりました。
清末選手コメント
今日のレースは、単独でハイサイドで終わってしまいました。まあ、今の実力かな?と思います。
次のもてぎでは勝ちに行くので、次回も応援よろしくお願いします。
Motorz注目の♯15 和田留佳 選手(RS-ITOH&サンタバイク)の決勝は?
予選で決定したスタートポジションは18番グリッド。そこからスタートを決め、着々と順位を上げていった和田。
オープニングラップ終了時には12番手、そして、10LAP目が終了する頃には8番手にまでポジションアップ。
前を走るのは同チームのライバルである清末。その差コンマ5秒という所まで迫るも、転倒。そのままリタイヤとなりました。
和田選手コメント
今日は、予選でコケてしまって18番グリッドからのスタートでしたが、スタートが決まり、そこからは自分の中では冷静に、冷静にと思いながら行きました。
目標は一桁で、一桁の所まで追い上げたら手を抜こうと思っていたんですけど、思った以上に前のペースが上がっていなくて、それに釣られた形でペースを上げてしまい、最終的には無理をする形になってしまい、転倒リタイアになってしまいました。
でも、18番グリッドスタートから、8番手まで追い上げ、7位、6位まで狙えるタイムで走っていたので、悔しい気持ちがほとんどですが、まだもう少し行けるのではないかと思える部分もあるので、まずは茂木でリベンジできるように頑張りたいと思います。
応援よろしくお願いします。
J-GP2クラス予選・決勝
前日の濃霧と豪雨により、決勝日午前中に行われた公式予選。セッション時間はたったの20分。雨が止むことは無く、フルウェットでのタイムアタックで、ポールポジション獲得したは、♯31 岩戸 亮介(Team高武 RSC)。続いて、♯4 生形秀之(エスパルスドリームレーシング)、♯44 関口太郎(SOX Team TARO PLUSONE)の順でグリッドを決定します。
決勝レースは18LAP。引き続き雨が降りしきる中、好スタートを見せ、ホールショットを奪ったのは関口。その後を生形、岩戸、♯634 水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO)が追いかけます。その後関口、生形が順位を入れ替えながらテールtoノーズの接戦を繰り広げます。
そんな激しいバトルが繰り広げられるオープニングラップのトップ集団後方では、まさかの転倒が2台続き、それに巻き込まれる形で多くのライダーが大きく順位を入れ替える波乱の展開に。
その後、8LAP目に着々とぽションを上げてきた水野がトップに。そのまま一気に2位以下との差を引き離し、開幕3連勝を達成する結果となりました。
Motorz注目の♯5 石塚健 選手(WILL-RAISEracingRS-ITOH)の決勝は?
午前中に行われた公式予選で5番グリッドを獲得した石塚。スタートを決め、オープニングラップはポジションを1つ落とした6番手で走行するも、S字立ち上がりで5番手走行中の♯76 伊藤勇樹 (伊藤RACING)が転倒し、それを避けきれずコースアウト。
転倒は免れ、すぐに再スタートを切るも、順位を11番手まで落としてしまいます。
しかし、そこから驚異の追い上げを見せ、2LAP目には8番手、3LAP目には7番手と着実に順位を上げていきました。
そんな、このまま上位にポジションを戻せるかに見えた5LAP目の馬の背で転倒。
リタイヤが頭によぎるも、最後尾でコース復帰。ハンドルが曲がり、ステップも折れたマシンで再び追い上げを開始します。
その後も、周回を重ねるごとに着々とポジションを上げ、17LAP目には9位に浮上。そのままチェッカーを受けました。
石塚選手コメント
決勝レースは9位で終えました。スタートは割と決まったのですが、スタート直後の4コーナーで前車が転倒し、それを避ける為に転倒車と一緒にオーバーランするしかなく、その時点でかなり順位を落としてしまい、追い上げのレースでした。
その後の2~3周でかなり順位を挽回し、6~7位ぐらいを走行中のライダーを追っている時に、ペースを上げすぎてしまい、自分のミスで転倒してしまいました。
そこからマシンをすぐに起こして復帰し、また追い上げて、最終的に9位でチェッカーを受ける事ができました。
今回はWEEKの初日から、トラブルなどあり、思うように走れなくて、厳しいレースWEEKになってしまいましたが、次戦以降、この失敗やうまくいかなかった部分の原因を追究して2度とこういう悔しいレースをしないように、1から頑張っていきたいと思います。
Motorz注目の♯39 柴田陸樹 選手(RS-ITOH&AUTOBOY)の決勝は?
雨の中20分という短い時間となった公式予選。その中で上位を目指そうとペースを上げていった所で転倒し、最後尾19番グリットからのスタートとなりました。
午前中の予選での転倒というプレッシャーから、決勝レースでも中々ペースを上げる事が出来ず苦戦します。
周回を重ねていくごとに、転倒車が続出し、それによるポジションUPはしたものの、そのまま13位でチェッカーを受けるという悔しい結果となりました。
柴田選手コメント
予選では、徐々にペースを上げていこうと思っていたところで転倒してしまい、最後尾からのスタートとなりました。
決勝は絶対ついて行けると思っていたのですが、想像以上にうまく走ることができず、自分なのか、バイクなのか、どっちもだと思いますが、ライダーとしてカバーできる所もあったと思うのですが、それもできませんでした。
予選で転倒した影響もあり、攻めきれず、転ばないように走ることに必死という自分の弱い部分が出てしまい、いっぱいいっぱいでした。
今までのレースの中で一番最悪なレースになってしまったので、次のもてぎに向けて、もう1度自分を見つめなおして、次はいい結果を出したいです。
応援よろしくお願いします。
JSB1000クラス 鈴鹿8耐トライアウトの結果は?
今回の全日本ロードレース選手権 第3戦SUGO120mileでは、鈴鹿で行われた第2戦に続き、7月末に鈴鹿サーキットで開催される、”コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久レースへの参戦権を賭けた、”鈴鹿8耐トライアウト”2ndステージが行われました。
トライアウトへのエントリー台数は、全32台中10台。その中で、8耐への権利が獲得できるのは、たったの2チームです。
そんな限られた8耐参戦権を獲得したのは、♯79 伊藤真一(TEAM SuP Dream Honda)そして、♯43 須貝義行 (チーム スガイ レーシングジャパン)。
どちらの、SUGOがホームサーキット。地元のライダー達でした。
まとめ
天候により、かなりの波乱の展開となった全日本ロードレース選手権第3戦SUGO大会。レースWEEKを通して、中々セッティングが進まないだけではなく、精神的にもかなりのストレスとなった1戦だったと思います。
その苦しい環境の中で戦い抜いたライダー達。9番手から驚異の追い上げを見せ、4位入賞を果たしたGP3の長谷川選手。そして、2度の戦線離脱を経ても、諦める事なく追い上げ続けたGP2の石塚選手など、見ているだけで胸が締め付けられるような苦しい戦いが、いたるところで繰り広げられている、ロードレースの世界を応援せずにはいられません。
まだまだ始まったばかりの今シーズン。次戦は、6月10・11日のツインリンクもてぎです。
是非1度、現地に見に来てくださいね。絶対!絶対感動して頂けると思います。
2017年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ 第4戦公式ページ
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