天気に翻弄される事多かった、今シーズンの全日本ロードレース選手権。そんな中、遂にWEEKを通して晴天、ドライという好コンディションで行われた第8戦、スーパーバイクレースin岡山。若手ライダー達はどんな戦いを繰り広げ、どんな結果を残せたのでしょうか。

 

©Chika Sakikawa

 

J-GP3クラス 決勝

 

©Chika Sakikawa

 

秋晴れの下、スタート直前のウォームアップ走行が終了し、19LAPのレースが始まろうとしていたその時、グリッド上の#36 福嶋佑斗(TEAM PLUSONE)のマシンがエンジンストップ。

スタートディレイとなり、1LAP減算の18LAPのレースとなるという、スタートから波乱の展開となったJ-GP3の決勝レース。

そんな中、ホールショット奪ったのは#17 小室 旭 (Team P.MU 7C)。

続いて、#7 古市 右京 (KTM RACING)、#2 栗原 佳祐 (MORIWAKI CLUB)が追いかけます。

オープニングラップから、激しく順位を入れ替えてのトップ争いが繰り広げられ、古市がトップに。

その後もトップ集団栗原、小室、古市に、後方から追いついてきた#64 伊達 悠太 (BATTLE FACTORY)、#34 中島 元気 (TEAM SRS-Moto)も加わり、接戦を繰り広げます。

抜きつ抜かれつの激しいバトルを制したのは、ポールポジションスタートの栗原。

2位 古市、3位 中島の順でチェッカーを受けました。

 

Motorz注目の♯13長谷川聖 選手(CLUB Y’s)の決勝は?

 

©Chika Sakikawa

 

前日に行こなわれた公式予選での不調を解消し、決勝レースへの自信を覗かせていた長谷川選手。

決勝では、15番グリッドから好スタートを決め9番手に浮上。

そのままトップ集団を追う体制に入るも、前を走行していたライダーの転倒に巻き込まれ、コースアウト。

その勢いで、グラベルの中ほどまで押し出されてしまい、転倒。

コース復帰を果たすものの、オープニングラップにして最後尾に大きく順位を下げる事に。

その後も諦めることなく18LAPを走り切り、19位でチェッカーを受けました。

 

©Chika Sakikawa

 

長谷川選手コメント

スタートは結構よくて、1コーナーの立ち上がりで5台ぐらい抜けて、その後も前に出て先頭が見える所まで来ていたのですが、ヘアピンの立ち上がりで目の前の人がハイサイドし、そのバイクが肩に直撃してオーバーランして転倒してしまいました。

すぐにマシンを起こしたのですが、エンジンが止まってしまっていて、必死で押しがけして、コースに復帰したので時間がかかってしまって、一番後ろになっちゃって・・・。

一応完走はできました。

予選でもう少し前に出れていれば、今回の転ような倒に巻き込まれる事も無かったので、仕方ないです。

最終戦の鈴鹿はホームコースでもあるので、鈴鹿こそは表彰台に乗れるように頑張ります!!

CLUB Y’s公式Facebookページ

 

【初心者向け】長谷川選手的、岡山を走る時の注意ポイント!

 

①立ち上がりはすぐにアクセル全開。

②ギリギリまでブレーキを我慢する。

③ギリギリまでブレーキを我慢する。

全体的にストップ&ゴーというレイアウトのコースだからこそ、奥までブレーキを我慢して、素早くアクセルを開ける。

 

J-GP2クラス 決勝

 

©Chika Sakikawa

 

上位4台がコースレコードを更新するというハイレベルな戦いを繰り広げた公式予選で、ポールポジションを獲得したのは#634 水野 涼 (MuSASHi RT HARC-PRO.)でした。

決勝レースがスタートすると、好スタートを決めトップに躍り出たのは#44 関口 太郎 (SOX Team TARO PLUSONE)、♯5 石塚 健 (WILL-RAISEracingRS-ITOH)、水野と続きます。

ヘアピンコーナーに差し掛かる頃には、3番手の水野が2台抜き。

一気にトップに浮上すると、そのまま2番手以下を引き離し、5Lap目には2位との差は2分24秒という独走状態へ。

このまま水野が優勝を決めるのかと誰もが思った14Lap目、激しい2番手争いを展開しながら石塚、関口がジワジワとトップとの距離を詰め、2台の2番手争いから3台のトップ争いに。

そんな激しいトップ争いを制したのは、ポールポジションスタート、そして今回の優勝でシリーズチャンピオンが決定する水野!

続いて、関口、♯4 生形 秀之 (エスパルスドリームレーシング)の順でチェッカーを受けました。

 

 

Motorz注目の♯39 柴田陸樹 選手(RS-ITOH&AUTOBOY)の決勝は?

 

©Chika Sakikawa

 

予選での転倒など、少し苦戦気味だった柴田選手ですが12番グリッドからスタートし、オープニングラップで一気に9番手までポジションを上げていきます。

その後1度は、10位まで順位を落とすも激しい9番手争いを制し、上位での転倒もあり7番手でチェッカーを受けました。

 

©Chika Sakikawa

 

柴田選手コメント

決勝レースは12位からスタートして、それからずっと9番手争いをしていました。

少しづつ前には離されていったんですが、自分のついていける限りのペースを維持しようと思って走りました。

最終的には、自分より前で2台転倒があって7位と言う結果だったのですが、岡山は得意ではないですし、すごく難しくて・・・。

その中での7位という結果に喜んではいませんが、ポイントも取れたので良かったのかな?と思います。

次の最終戦は今年最後のレースなので、高いレベルでバトルしたいと思ってます!

あと1か月、頑張ります。

柴田陸樹公式Facebook

 

【初心者向け】柴田選手的、岡山を走る時の注意ポイント!

①はらまないで、しっかりアクセルを開ける。2コーナーに向けてしっかりと寄っていく。

②アクセル全開!!

③登りなので、すぐに開けてストレートの距離を伸ばす。

④路面にある赤い〇印の所でブレーキング。しっかりと止める。

⑤はらまない。

⑥しっかりインに付いて開ける。

⑦トンネル手前でブレーキ。

⑧小回り。

⑨しっかり起こしてアクセルを開ける。

⑩インに付いてしっかりアクセルを開ける。

⑪しっかりためて、最終コーナーに向けてファイト!!

⑫ホームストレートの距離を伸ばせるようにしっかりアクセルを開ける。

⑬トンネルをくぐる前にブレーキング。

 

Motorz注目の♯5 石塚健 選手(WILL-RAISEracingRS-ITOH)の決勝は?

 

©Chika Sakikawa

 

予選では3番グリッド、フロントローを獲得し絶好調の石塚選手。

ホールショットは2番グリッドスタートの関口選手に奪われるも、トップ集団に食らいつき健闘を見せます。

そして水野選手、関口選手と3台で何度も順位を入れ替える激しいバトルを展開し、トップ走行中の17Lap目、Wヘアピン1つ目で転倒。

そのまま、リタイアとなってしまいました。

 

©Chika Sakikawa

 

石塚選手コメント

決勝レースが終了しました。

結果的には、残り2周ぐらいを残した所で転倒してしまい、リタイアで終わりました。

レース展開的には、スタートも上手く決まり、2番手でスタートでき、そこから3台4台のトップ争いになって、中盤から終盤にかけてトップの水野選手が逃げてたんですけど、そこに自分が2番手に上がってからは、ベストタイムで毎周追い上げて、トップにも出れました。

そこでも、抜き差しなど順位の入れ替えがあって、残り2周の所でトップに立ってたんですけど、Wヘアピンの1つ目でいきなりフロントが切れ込んで、転倒してしまいました。

ホントにとにかく悔しいです。

ただ、このレースWEEK初日から、上手く乗れてたし、マシンのセットも決まっていたので、今回こそ勝てるチャンスだっただけに、レース内容はとても良かったと思います。

転倒はしてしまいましたが、優勝争いをして勝てるという自信がつきました。

実力は示せたかなと思います。

次の鈴鹿では、しっかり勝てるように頑張っていきたいと思います。

応援ありがとうございました。

石塚健オフィシャルFacebookページ

 

【初心者向け】石塚選手的、岡山を走る時の注意ポイント!

①1コーナー立ち上がりはアウトウッドまでの車速を乗せる為に重要で、はらみ過ぎずWILLIAMSコーナーに丁寧にはいっていく。

②ブレーキングを奥まで頑張る。はらんでもカントが付いている為、思ったより止まる。

③ヘアピンコーナーの侵入は、小回りで走る。

 

ST600クラス 決勝

 

©Chika Sakikawa

 

朝のウォームアップ走行から、転倒者続出の波乱の流れで始まったST600の決勝レース。

ホールショットを獲得したのは、2番グリッドスタートの♯5 前田 恵助 (伊藤RACING・GMDスズカ)、#50 國峰 啄磨 (T.Pro Innovation)、♯52 岡本 裕生 (51ガレージ チームイワキ)と続きます。

そんなフロントロー3台のトップ争いに注目が集まる中、オープニングラップのヘアピンコーナーで多重クラッシュが発生。

レースは赤旗中断となってしまいます。

その後、19LAP予定だった決勝レースが12LAPに減算され、再スタート。

2度目のホールショットも前田が獲得し、その後を岡本、國峰が追いかける展開に。

しかしトップを走る前田はファステストラップを連発し、2位以下をグングン引き離して独走状態を形成。

そのまま後ろを5秒以上ひき離し、安定した走りでチェッカー!今シーズン2回目の優勝を手にしました。

 

 

Motorz注目の♯15 和田留佳 選手(RS-ITOH&サンタバイク)の決勝は?

 

©Chika Sakikawa

 

7番グリッドからスタートした和田選手。

スタートを上手く決め、6番手にポジションを上げてオープニングラップを走行中に赤旗中断。

そして、2度目のスタートも好調で、再び6番手に浮上し安定した走りで5番手争いを展開します。

しかし中々ペースが上げられず、少しずつポジションダウンし、7位でチェッカーを受けました。

 

©Chika Sakikawa

 

和田選手コメント

今日の決勝はスタートは良かったのですが、セットを外してしまい、チャタリングが酷かったり、コーナーのツッコミでフロントタイヤが切れ込むような感じだったし、リアも流れていて上手く走れませんでした。

それで焦ってしまい、後ろを気にしすぎてしまって自分の乗り方が上手くできずに、結局、どんどんどんどんペースが落ちていって、後ろの人に抜かれてという自分の弱さが出たレースだったし、他の人にも迷惑をかけたレースで、応援してくれた人達に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

それでも、そんな中でも7位で走り切れたという事は、自分の中でも何か成長につながるんじゃないかな?と思うので、最終戦の鈴鹿に向けて、自分の中でコンディションを整えて1つでもランキングを上に上げれるように頑張って行きたいと思います。

応援よろしくお願いします。

和田留佳公式Twitter

 

【初心者向け】和田選手的、岡山を走る時の注意ポイント!

①ブレーキは止まれるところで。インベタで曲がって、立ち上がりは真ん中ぐらいで抑える。

②早くアクセルを開けれるラインを通る。

③④⑤全開でいけるように頑張る。

⑥コーナーの中で1回はらんで、加速する時にイン側にけるようにする。

⑦立ち上がりをなるべくイン側で立ち上がれるようにする。

⑧次のコーナーまで、しっかり開けれるラインを通る。

⑨次のコーナーまでしっかり加速できるようにする。

⑩次のコーナーに合わせる為に、立ち上がりは真ん中まで。

⑪しっかりアクセルを開けれるラインを通る。

⑫最終コーナーまでアクセルを開けれるようにする。

⑬ホームストレートで、早くアクセルを全開にできるラインを通る。

 

Motorz注目の♯70 清末尚樹 選手(RS-ITOH)の決勝は?

 

©Chika Sakikawa

 

前日に行われた公式予選で、12番グリッドからのスタートとなった清末選手。

決勝レースがスタートするも、オープニングラップでの多重クラッシュにより再スタートとなります。

2度目のオープニングラップでは9位に浮上、その後5番手争い集団に食い下がる健闘を見せました。

着々と順位を上げていき、レース中盤にはチームメイトの和田選手と6番手争いを展開。

和田選手にアタックをかけ続け、痛恨のコースアウト。

そのまま最後尾にポジションを落としてしまい、チェッカーをうける結果となりました。

 

©Chika Sakikawa

 

清末選手コメント

スタートは悪くなかったんですけど、ライバルの和田選手を抜けなくて焦ってしまってコースアウトからの転倒だったんですけど、この原因は金曜日からの流れにあって、流れをキチンと作れずに予選までもたついてしまった事で今回こういう結果になってしまったのかな?と思います。

最終戦はテストがないので、木曜日からの走行だと思うので、早い段階から決勝レースのラップタイムでテストのうちにまわれるようにセットしていきたいと思います。

清末尚樹公式Facebook

 

【初心者向け】清末選手的、岡山を走る時の注意ポイント!

①早く向きを変えられるように走る。

②コースの端まで使えるように意識する。

③イン付きが早くならないように意識する。

 

まとめ

多くのライダー達に話を聞いていて、共通して感じるのは何があっても諦めない気持ちの強さ。

レーシングスピードで転倒して痛くないはずないのに。

コースアウトしてグラベルにハマったマシンを動かすのは並大抵の重さじゃないはずなのに。

それでも、どんなアクシデントがあっても諦めない。1つでも前を目指す。

そんな気持ちの強さがなければ戦えない世界なのかもしれません。

ただの結果と言う数字だけではなく、そんなライダー達の諦めない強さやレース展開に是非注目してみてくださいね。

レース観戦が、そして1人1人のライダー達がもっともっと好きになって頂けると思います。

 

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