今年初めに開催のアナウンスがあった女性ドライバーだけでのプロレース「KYOJO-CUP」。いよいよ、5月14日に富士スピードウェイで開幕戦を迎えた。今回は13台がエントリー。女性ドライバー同士によるガチンコバトルの行方はどうなったのか?予選から決勝まで詳しく振り返っていく。

©︎Tomohiro Yoshita

有言実行!予選は小山美姫がポールポジション

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前日まで大雨に見舞われた富士スピードウェイだが、この日は朝から晴天に恵まれ、絶好のレース日和に。

パドックには、KYOJO-CUPを楽しみにしていたファンが大勢集まり、早くも賑わいを見せていた。

今回は初開催ということもあり、メディアの取材も多数入っており、“競争女子”たちは、朝からブリーフィングに取材対応にと大忙し。

それでも、いざコックピットに座ると、それぞれ“ドライバー”の目つきに変わっていた。

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今回は事前の練習走行はほとんどなく、ぶっつけ本番に近いドライバーもいたが、いざ予選セッションが始まると一つでも上の順位を目指し、果敢に各コーナーを攻めていた。

これによりトップが目まぐるしく入れ替わる展開となったが、毎ラップにわたってトップタイムを塗り替える速さをみせていた小山美姫がポールポジションを獲得。

2番手には昨年のFIA-F4でチームメイトだった今橋彩佳がつけた。

しかし、その差は0.539秒と大きく、早くも小山が一歩リードという印象を与えた。

レース前から「ポール・トゥ・ウィン」を宣言していた小山。

有言実行というパフォーマンスを披露したが、本人はいたって冷静。2分04秒495というタイムにも納得がいっていなかった様子。

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「(ポールポジションのタイムについては)全然ダメですね。富士はコンディションの影響でタイムが変わりやすいですが、3秒台にはいれたかったですね。大丈夫かなぁと思って走っていたら最終ラップに“P1”のサインが出たので、よかったなと思いました」

 

いきなり3ワイドの攻防戦!トップ争いも最終ラップまで白熱!

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そのまま迎えた午後の決勝レース。今回は自民党の三原じゅん子参議院議員と、宮崎政久衆議院議員が来場。三原議員は元レーシングドライバーとしてスパ24時間などにも参戦経験があり、現在はモータースポーツ推進議員連盟の事務局長など多くの役職を兼任。さらにKYOJO-CUPの大会会長も務めている。

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さらにグリッドには、多くのファンが駆けつけ、各グリッドを囲んで写真撮影などを行い、早くも注目度の高さが伺えた。

多くのファン・関係者の期待が募る中で始まった決勝レースは、いきなり予想以上の激戦となっていく。

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ポールポジションの小山を攻略しようと2番手の今橋、3番手の小泉亜衣が好スタートを決め、コカ・コーラコーナーからトヨペット100Rコーナーにかけては3ワイドの大バトルを披露。いきなりトップ争いがヒートアップする。

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そこで、頭一つ抜け出したのが今橋。2周目以降もプッシュし、一時は後続に1.5秒近いリードを築く。

予選での速さから一転し、一時は3番手まで落ちた小山だったが、後半になって冷静に挽回を開始。3周目に2番手を取り戻すと、徐々に今橋に接近。残り2周のところで射程圏内におさめ、チャンスを伺った。

もちろん、逃げていた今橋にとっても優勝は絶対にほしいところ。なんとか小山のラインを封じ、トップを死守するが、最終ラップの1コーナーでついに先頭が交替。

小山がトップに返り咲き、見事KYOJO-CUP最初のウィナーとなった。2位には今橋、3位に小泉がそのまま続いた。トップ3がわずか2.5秒以内にひしめくという激戦。訪れたファンも大興奮の決勝レースとなった。

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「スタートは…まぁまぁという感じでした。でも、(ライバルたちが)横にくるのは想定内だったので、落ち着いて対処しました。自分の方が速いというのは分かっていたので、冷静にいこうと思っていました。まずは有言実行を果たせたのでよかったです」

 

まとめ

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今回は、当初の予想通りというか、小山美姫が勝利。レースでは追いかける展開になったものの、頭一つ抜け出ているなという印象を与える走り。優勝後も、そこまで喜びを爆発させることはなかった。

しかし、実際にはトップ3は2.5秒以内。特にトップと2位の今橋との差はわずか0.8秒と接戦だったことも確か。

「このまま小山の独走では終わらない」という雰囲気も、少し感じられた開幕戦でもあった。

次回のKYOJO-CUPは9月17日と、約4ヶ月のインターバルがあり、この間にライバルたちがどれだけ力をつけてくるのか、非常に楽しみなところだ。

女性ドライバー同士のガチンコ勝負。実際に見てみると、他のレースに劣らないくらいの魅力が今後出てきそうだ。

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