スーパーGTで活躍するマシンたちは、市販されているベース車両が存在します。そんな、市販車とGTマシンはいったい何が違うのでしょう?今回はGT300クラスを中心に、街中で見る市販モデルと、レーシングカーがどれくらい違うのかを比較してみたいと思います。

 

©︎Tomohiro Yoshita

 

 

羊の皮を被った狼・GTマシン

 

©Tomohiro Yoshita

 

日本最高峰のツーリングカーレース、スーパーGT選手権に参戦している車両は、ツーリングカーと呼ぶにふさわしく市販車がベースとなっているマシンで戦われるレースとなっています。

最近では車両規定をDTMと統一したり、主にヨーロッパで主流となっているFIA-GT3の車両が参戦したりと参加車種が増えてきました。

また、FIA-GT3に対抗すべくGTAと呼ばれるマザーシャーシー(汎用シャシー)の登場により、身近な市販車をベースとする車両も参戦しています。

たとえば、今人気のスポーツカーであるトヨタ86やスバルBRZがベースとなっているマシンをドレスアップなどの参考にしている方も多いのではないでしょうか?

しかし、外観は86やBRZでもGTカーの中身は全くの別物となっています。

GTマシンは、市販車の見た目をした「フォーミュラーカー」とも言われており、大幅な変更が施されているのです。

いったいどこがどのように違うのでしょうか?

また、どんな変更を受けているのでしょうか?

それでは、市販車とGTマシンの違いを見ていきたいと思います。

 

GTカーと市販車はどう違うの?

 

©︎Tomohiro Yoshita

 

日産は、市販車であるGT-Rをベースにした車両でGT500とGT300の参戦しています。

市販車でも十分なポテンシャルを持っているGT-Rですが、GTマシンとして開発された車両はどのようなマシンとなっているのでしょうか?

まずは、車体とスペックの違いを比較してみたいと思います。

 

出典:https://supergt.net/news/single/16977

 

2017年 NISSAN GT-R GT500 スペック

ベース車両:R35 GT-R
全長×全幅×全高(mm):4725×1950×1150
ホイールベース(mm):2750
車軸重量(kg):1020
エンジン型式・仕様:NR20A 水冷直列4気筒 シングルターボ

駆動方式:FR
排気量(cc):1995
最大出力:550ps以上
最大トルク:50kg-m以上

 

出典:https://supergt.net/news/single/16997

 

2017年 NISSAN GT-R GT300 スペック

ベース車両:R35 GT-R
全長×全幅×全高(mm):4790×2036×非公開
ホイールベース(mm):2780
車軸重量(kg):1290
エンジン型式・仕様:VR38DETT 水冷V型6気筒 ツインターボ

駆動方式:FR
排気量(cc):3799
最大出力:550ps以上
最大トルク:65kg-m以上

 

出典:http://www2.nissan.co.jp/GT-R/nismo_design.html

 

2017年 NISSAN GT-R NISMO スペック
全長×全幅×全高(mm):4690×1895×1370
ホイールベース(mm):2780
車軸重量(kg):1720
エンジン型式・仕様:VR38DETT 水冷V型6気筒 ツインターボ

駆動方式:4WD
排気量(cc):3799
最大出力:600PS/6800rpm
最大トルク:66.5kg-m /3600-5600rpm

 

GT-Rの市販車・GT300・GT500の車両を比較してみました。

おのおの、道路交通法や各カテゴリーの規定に合わせた車両となっていますが、車重を除き大きな差がない結果に驚きです。

もちろん、GTマシンはレースを前提とした専用パーツを使用したり、全高が大きく下がり、ボディ補強などの改良が施されています。

しかし、パワーやトルクだけを見れば、GTカーと比較しても劣らないスペックを与えられた市販のGT-Rが持つポテンシャルの高さを実感させられたのではないでしょうか。

 

まだまだ登場するスーパーGTマシン。やはり市販車とは全然違う!?

次のページでは、300クラスから3台が登場します。2017年から参戦のマークXも!?