世界最高峰のF1の舞台まで上り詰めたドライバーたち。彼らが引退した後はどのような生き方をしているか知っていますか?ドライバーを終えてもレースに携わる人もいれば、新しい分野で挑戦を始める人まで。今回は有名なドライバー5人をピックアップして引退後の生活に注目してみました。

 

©︎鈴鹿サーキット

3度の世界王者ネルソン・ピケ、GPSを利用し一儲け!?

出典:https://ja.wikipedia.org/

3度のF1王者としてドライバーとして大きな成功を収めたネルソン・ピケは、実業家としてビジネスの分野でも成功を収めた人物として知られています。

1991年にF1を引退した彼はインディ500やル・マン24時間レースにも参戦するなど様々なレースで戦い続け、46歳となった1998年に長いドライバー生活に終始符を打ちました。

すると、ピケ・スポーツという自身のレーシングチームを設立し、さらにはレースとは無縁のビジネスにも着手。母国ブラジルの首都であるブラジリアに拠点を構えた彼は国内の運送業にビジネスチャンスを見出したのです。

ブラジル国内の貨物輸送はトラックに頼っていることから、GPSを利用してその業務を監視するサービスを行うautotracという会社を創業しました。

すると、ビジネスの分野で多くの賞を獲得するなど高い評価を受け、大成功を収めたのです。

現在は業務を監視するだけでなく輸送にかかる費用を計算したり、円滑に輸送ができるプランを計画するサービスなども行うなど幅広く活動。

さらに、この事業とは別でブラジル国内でピレリタイヤの販売権を一部保有し、自動車メーカーであるBMWの輸入代行業を行うなど、どの事業においても抜け目のない戦略を行うビジネスは、さすが元ワールドチャンピオン。

また、息子のレースキャリアのサポートも行っており、現在F1を目指して戦っている四男のペドロ・ピケのマネージメントも兼ねてF1のパドックに顔を出し、レースの世界でも積極的に活動を続けています。

(autotrac社のホームページはこちら

 

ミカ・ハッキネンは若手ドライバーの発掘に注力

http://www.mclaren.com/formula1/

次にご紹介するのはミカ・ハッキネン。

ミハエル・シューマッハの最大のライバルとして数々の名勝負を繰り広げ、1998年から2連覇を達成しました。2001年に突然引退を決断しファンを驚かせたことでも有名ですが、そんな彼は現在どのような活動をしているのでしょうか。

最近でもF1中継で映されるも多い彼は、現在でも現場に携わる仕事に取り組んでいます。

2008年にエーシズ・マネージメント・グループ社に加わって以降は若手ドライバーの発掘や育成に精を出しており、かつて自身のマネージャーを務めたティディエ・コットンと共にドライバーマネージメントにて活躍しています。

2010年にはルイス・ハミルトンのマネージャーを務め、近年では同郷フィンランドの後輩であるバルテリ・ボッタスのマネージャーであるコットンをサポートするという役割を担っているのです。

©︎Tomohiro Yoshita

現在、ボッタスは2017年にメルセデスへの移籍が取りざたされていますが、そのなかでメルセデスと長い関係を持っているハッキネンの意見は重要視される可能性も高いと思われます。

また、現役時代に高い人気を誇ったこともあってか、メルセデスやジョニー・ウォーカーのキャンペーン活動にも参加するなど、引退後もF1に深く関わっています。

関連:シューマッハとハッキネンが争った0.001秒単位の大バトルとは?鈴鹿F1の名勝負の中で最もフェアプレーだった3戦!

 

デビッド・クルサードはF1コメンテーターに、表彰台インタビューでもお馴染み

出典:https://en.wikipedia.org/

ウィリアムズやマクラーレンといった名門チームで活躍し、1990年代を代表するF1ドライバーとして知られるデビッド・クルサード。彼もF1の現場で活躍を続けています。

2007年にF1を引退した彼は、その翌年からイギリスのテレビ局であるBBCのF1中継のコメンテーターに転身し、ドライバー生活を終えた後もF1のパドックへ通うこととなりました。

そんな新しいF1との付き合い方を気に入っているようで、2008年以降から現在までコメンテーターを続けており、ドライビングではない方法でレースの魅力を伝え続け、現在もスカイスポーツのF1キャスターとしてレースの解説を務めており、表彰台でのインタビューを担当しています。

また、彼はF1生活で最後に在籍したレッドブルのデモランを担当することも多く、2009年には大阪城公園でデモランが行われた際には3万人を超える観衆を沸かせただけでなく、2013年にはドバイで海抜210mという高所でドーナツターンを決めるというパフォーマンスを披露しています。

母国イギリスでは実家が運送業を営んでいるのですがそれを継ぐつもりはないようで、コメンテーターだけに留まらずコラムを執筆するなど、第二のF1生活を楽しんでいるようです。

 

エディ・アーバインは不動産投資で億万長者に!?

出典:http://formula1.ferrari.com

フェラーリでミハエル・シューマッハのチームメイトを務めたことでも有名なエディ・アーバインは、不動産投資で大成功を収めています。

引退後はアメリカに移住しニューヨークやフロリダ、さらには母国アイルランドの首都であるダブリンで不動産投資を始めます。すると、これが大きな利益をもたらすと、北アイルランドの運送会社の株式を取得するなど活動の幅を広げていきました。

アーバインと言えば、全日本F3000時代に来日していた際、日本語が全く話せなかったそうです。その頃は、いつも英語の経済番組を見ていたようで、その経験が引退後に役立つこととなりました。

引退から7年が経った2008年にはアイルランドのスポーツ長者番付で世界的に有名なサッカー選手であるロイ・キーンを抑え堂々の1位を獲得。この時の彼の資産は約380億円とも言われ、一時はF1チーム買収の噂が出るほど事業は成功を収めていました。

しかし、2008年に起きたリーマンショックでは大きな損失を受けたのですが、それでも現役のトップドライバーと同じほどの資産を残したと言われています。

また、派手な私生活がしばしばニュースに取り上げられることもありますが、F1の意見を求められると歯に衣着せぬ意見をメディアにぶつけるなど、レースへの情熱は今でも変わっていないようですね。

 

トヨタに情熱を注いだイタリアン、今度はワインに情熱を注ぐ

©︎鈴鹿サーキット

ルノーやトヨタで活躍を見せたヤルノ・トゥルーリは、現役時代から所有するブドウ園の経営を行っています。

2014年にはフォーミュラEでチームを創設し代表兼ドライバーを務めましたが、2年目を迎えたシーズン序盤に参戦を断念。それに伴ってドライバーとしてのキャリアを終えることになりましたが、ワイン製造には引き続き精を出しているようです。

彼の祖父がワイン製造者だったこともあり、1996年に故郷イタリアのアブルッツィ州で、父とともに製造を開始。工場だけでなくブドウ園まで所有し、栽培から熟成までをこの場所で行っています。

この農場の広さは30ヘクタールにも上り、創設初年度には18,000本ものワインを製造。

2005年にはトヨタが初の表彰台を獲得したことを記念して”ポディアム”という名の特製ワインを販売し、現在では彼の名を冠した商品も販売されています。

また、この農園の主力商品でもあるポレーデ・カストラーニは日本でも購入可能。過去には地元の新聞社でワインの最優秀賞を受賞するなど、地域を代表するブランドとして国内だけでなく世界で愛飲されています。

(こちらのトゥルーリが手掛けるワインブランドのホームページはこちら

関連:トヨタF1の歴史とマシン、情熱で駆け抜けた8年間を振り返ります。

 

まとめ

彼らのレーシングスタイルは今でもファンに語り継がれていますが、さらに人物像が見えやすい第二の人生はどことなく彼らの性格を表しているのではないでしょうか。

厳しいレースの世界を生き抜いただけあって、その経験と情熱を違ったジャンルで生かしているようです。

レースとは無縁のビジネスにおいても成功を収めている人も新たな人生を楽しみながら挑戦しているようで、これが何よりの成功の秘訣なのかもしれませんね。

億万長者になった名ドライバーからF1に関わり続ける人まで、レースを辞めても魅力的な人ばかりですので彼らの今後にも注目してみると面白いかもしれませんね。

 

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