雨、晴れ、濃霧。1日を通して全ての天候を経験する事になった、全日本ロードレース選手権Rd.5の決勝日。前日の悪天候により、公式予選も同日開催されました。そんな、天候に左右され続けたオートポリスラウンドは、いったいどんな結末を迎えたのでしょうか。

©Chika Sakikawa

 

J-GP3クラス 決勝

 

©Chika Sakikawa

 

前日の公式予選が豪雨と濃霧で中止となり、決勝日の朝に行われた公式予選は、予選開始ギリギリまで降り続いていた雨が突然あがり、ウェットコンディションでスタート。

そんな難しい状況の中、ぶっちぎりのトップタイムでポールポジションを獲得したのは、♯17 小室旭 (Team P.MU 7C)でした。

決勝レースがスタートする頃には天候は回復し、所々ウェットではあるものの、ほぼドライコンディション。

全車スリックタイヤでのレースとなりました。

ホールショットはポールポジションスタートの小室。

続いて#41 宇井陽一(41planning)、#7 古市右京(KTM RACING)と追いかけます。

その後、小室、宇井、古市、#13 長谷川聖(CLUB Y’s)の4台が頻繁に順位を入れ替えながら、激しいトップ争いを繰り広げ、周回を重ねていきました。

そんな激しいバトルを繰り広げるトップ集団に、後方から追いついてきたのは、#64 伊達悠太(BATTLE FACTORY)と#33 佐野勝人(犬の乳酸菌.jp/プリミティブRT)。

そのままトップ争いに介入し、アグレッシブな攻めの走りで接触ギリギリの攻防を繰り広げ、最初にチェッカーを受けたのは伊達、続いて小室、佐野の順となりました。

 

 

http://www.mfj.or.jp/user/contents/race_result2017/road_race/2017result/rd05/gp3_final.html

 

Motorz注目の♯13長谷川聖 選手(CLUB Y’s)の決勝は?

 

©Chika Sakikawa

 

当日行われた公式予選では、自身最上位となる3番グリッドを獲得。

前日のコメントでも、オートポリスは好きなタイプのサーキットだと話していた通り、コースとの相性の良さを見せました。

決勝スタート後オープニングラップでは、1つポジションを落とした4番手となるも、その後もトップ集団に食らいつき、着々とポジションを上げていき、6Lap目にはトップに浮上!

周回を重ねるごとにトップを入れ替える激しいレースを走り抜き、最終的には5位でチェッカーを受けました。

長谷川選手コメント

スタートの位置も良く、スタートもまあまあ決まって、1コーナーから3コーナーまでは筑波での失敗を踏まえて、あまり先頭にガンガン行かないようにしました。

みんなの様子を見ながら、このぐらいのペースかな?と思いながら走ってたんですけど、結構みんなペースが上がらなくて…ちょっとずつ抜いていきました。

そしたら宇井さんと古市さんと小室さんの3台と僕の集団になって、後ろがどんどん離れて行ったので、このグループで最後まで走りきる事になるのかな?と思って、トップに出たりしてみたのですが、気付いたら伊達君とかが追い上げて来ていて、あの人たちは本当にうまいので、そこから前に出る事が出来なくなってしまいました。

今回のセッティングはもう少し遅いペースに合わせたセットにしていたので、自分のバイク自体もペースが上げられず、5位という結果になりました。

今回のレースで初めてオートポリスを走ったにも関わらず、トップ集団で走る事ができ、自分的には大満足だし楽しかったです。

次戦の岡山は全日本が開催されるサーキットの中では住んでいる場所から一番近く、一番走っているコースなので、頑張りたいと思います。

 

CLUB Y’s公式Facebookページ

 

ST600クラス 決勝

 

©Chika Sakikawa

 

J-GP3クラスと同じく、決勝日に開催された公式予選。

雨は止んでいたものの、ウェットパッチが残る難しい路面で見事、初のポールポジションを獲得したのは#52 岡本裕生(51ガレージ チームイワキ)でした。

決勝レースの路面はほぼドライ。

ホールショットを奪ったのは♯3 名越哲平(Mistresa RT HARC-PRO.)。

その後を、#50 国峰琢麿(T.Pro Innovation)、岡本が追いかけます。

そんなオープニングラップの第1ヘアピンで、トップに出たのは名越!

そのままグングン2位との差を引き離し独走状態になります。

熾烈を極めたのは2位争いで、19番グリッドスタートの♯73 AHMAD YUDHISTIRA(Manual-Tech Kawasaki)が驚異の追い上げを見せ、4Lap目には2位に浮上!

名越、♯57 奥田教介 (teamMF & KAWASAKI)との接戦の末、独走の国峰、続いてYUDHISTIRA、名越の順でチェッカーを受けました。

 

 

http://www.mfj.or.jp/user/contents/race_result2017/road_race/2017result/rd05/600_final.html

 

Motorz注目の♯15 和田留佳 選手(RS-ITOH&サンタバイク)の決勝は?

 

©Chika Sakikawa

 

公式予選では、リアのバネレートが低すぎたというセッティングの読み違いにより16番手に沈んだ和田でしたが、決勝レースがスタートすると着々とポジションを上げていき、3LAP目には7位に浮上します。

その後、激しい6番手争いを勝ち抜き、6位でチェッカーを受けました。

和田選手コメント

今日のレースは6位入賞できました。

予選が16番手で少し不安だったのですがスタートで8位まで上げれて、そこから少しずつ上がっていったのですが、途中雨が降り出した事にビビってしまい、ペースが上がらなくなってしまいました。

その為、5番手に距離を離されてしまって6番手にも1度抜かれてしまったのですが、そこからはペースをしっかり戻して走り切りました。

残念ながら5位には追い付けませんでしたが、6位入賞でポイントをしっかり取れたので良かったと思います。

次戦の岡山は、そんなに嫌いなコースではないし、去年のグダグダだったシーズンの中でも一番ペース良く走れたコースなので、少し楽しみです。

しっかり表彰台に乗れるように頑張りたいと思います!

和田留佳公式Twitter

 

Motorz注目の♯70 清末尚樹 選手(RS-ITOH)の決勝は?

 

©Chika Sakikawa

 

午前中に行われた公式予選により、14番グリッドからスタートした清末。

予選終了間際で転倒してしまった事が響いていたのか、中々ペースを上げる事が出来ず、みるみるポジションを落としていきます。

そして、最終的には19位でチェッカーという苦しい結果となりました。

清末選手コメント

今日のレースは序盤から、全然ペースを上げられずにドンドン離され、抜かれまくって19位まで落ちました。

予選より下の順位でチェッカーを受けてしまった事は、今後反省して生かしていかないといけない部分だと思います。

今回結果を出せなかった理由は、メンタル面。気持ちが全く前に行っていませんでした。

どんなコンディションでも、岡山こそは上に行けるように頑張ります!

清末尚樹公式Facebook

 

J-GP2クラス 決勝

 

©Chika Sakikawa

 

決勝日の午前中にウェットコンディションの中行われた公式予選で唯一、2分01秒台に入れ、ポールポジションを獲得したのは♯634 水野涼 (MuSASHi RT HARC-PRO.)。

決勝レースがスタートすると、2番グリッドスタートの♯44 関口太郎 (SOX Team TARO PLUSONE)がホールショットを獲得し、水野、#4 生形秀之 (エスパルスドリームレーシング)と続きます。

その後も接戦を繰り広げ、コントロールラインをトップで通過したのは、♯31 岩戸亮介 (Team髙武 RSC)。

そこから、岩戸、関口、水野の激しいトップ争いが始まります。

そんなトップ集団の中で一気にペースを上げ、他を引き離しにかかった水野を関口が追い、そのままトップは水野と関口の一騎打ちに。

抜きつ抜かれつの激戦を制し、最初にチェッカーを受けたのはポールポジションスタートの水野!

今シーズン4勝目を獲得し、ランキングトップの座をより確実なものにしました。

http://www.mfj.or.jp/user/contents/race_result2017/road_race/2017result/rd05/gp2_final.html

 

Motorz注目の♯39 柴田陸樹 選手(RS-ITOH&AUTOBOY)の決勝は?

 

©Chika Sakikawa

 

午前中に行われた公式予選により、13番グリッドスタートとなった柴田でしたが、オープニングラップ終了時には10位とジワジワとポジションを上げていきます。

そして3LAP目に7位に浮上したところで、前を走る#13 三原壮紫 (Team KAGAYAMA)との激しい6位争いを展開!

その後、10Lap目に三原と生形が絡み転倒するも、自身のペースを崩す事無くポジションを守り続ける形でチェッカーを受け、5位入賞を果たしました。

柴田選手コメント

予選は何台かと一緒に走っていて、自分のある程度の位置を確認しながら走っていたのですが、最後の1周みんながアタックするというタイミングで何故かピットに戻ってきてしまいました。

そのタイミングで何台かに抜かれたようで、13番手になってしまいましたが、苦手なレインも少しずつ走れるようになってきているなという印象です。

決勝は13番グリッドからスタートしましたが、いつ赤旗になるか分からない天候だったので、すぐに前に出ようと思い1台1台抜きながら走っていると、練習走行の時から同じペースで走っていた三原選手がいたので、追いかけました。

そのまま、距離を縮めたり離されたりを繰り返しながら抜けるポイントを探しているうちに、前を走っていた三原選手と生形選手が接触し、転倒。

7位を走っていたので、そのまま繰り上がりで5位になりました。

ペースも最初は悪くなかったのですが、後半徐々にタイヤが垂れてきて、前の3位争い集団から離されてしまい、最後は単独でチェッカーとなりました。

入賞できたのは良かったですが、もう少し行けたのかな?と思います。

次戦の岡山はまだ勉強中のコースですが、予選からもう少し前に出て、表彰台に乗りたいです!

その前に8耐頑張ります!!

柴田陸樹公式Facebook

 

Motorz注目の♯5 石塚健 選手(WILL-RAISEracingRS-ITOH)の決勝は?

 

©Chika Sakikawa

 

事前テストでの転倒により、ブレーキングに重要となる右手中指に怪我を抱えてのレースとなった石塚。

午前中に行われた予選により9番グリッドスタートとなるも、オープニングラップで13番手まで順位を落とします。

その後少しずつペースを上げ、9Lap目には11位まで追い上げますが、前との差が大きく、単独走行に。

最終的には上位集団での転倒もあり、9位でチェッカーを受ける結果となりました。

石塚選手コメント

今回のレースは事前テストで転倒し、右手中指を骨折してしまっていたので、ほとんどテストができなかったので、車体やタイヤもベストな状態にもっていく事ができませんでした。

レースウィークに入り、怪我も少し良くなりましたが、遅れを取り戻すことが難しく、中盤争いの厳しいレースになってしまい、結果、予選決勝共に9位が精一杯でした。

次戦の岡山に向けては、3カ月間のインターバルがあるので、その間に自分達に足りないものをしっかりと補って、また流れを取り戻していきたいと思います。

岡山は大好きなサーキットですし、去年はポールポジションを取れた相性の良いサーキットなので、後半戦の良いスタートが切れる様に頑張ります。

石塚健オフィシャルサイト

 

まとめ

 

©Chika Sakikawa

 

バイクを降りたら無邪気に走り回る普通の少年たちが大人たちに交じって、バイクのセッティングや走り方、そして自身のメンタルなどをコントロールしながら戦うロードレース。

その中でも日本のトップクラスのライダー達が激戦を繰り広げる全日本という舞台で、天候など自身ではどうしようもない要因に翻弄されている姿を見ると、少し苦しい気持ちになります。

特に今回のオートポリスラウンドは、地元の人でもあまり経験した事が無い程の目まぐるしく変化する厳しい天候の元での戦いとなりました。

それでも、ベストを尽くし、少しでも速くチェッカーを受ける事だけを一心に目指す。

そんな、全日本ロードレース!次回は、9月30日・10月1日の岡山国際サーキットです。

是非1度、実際に現地で観戦してみてはいかがでしょうか。きっと楽しんで頂けると思います。

 

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