2014年のSUPER GTでは大きなレギュレーション変更が行われました。GT500クラスではドイツツーリングカー選手権(DTM)との共通化により車両規定を変更。GT300クラスにおいても前年まで使用されていたJAF-GT及びFIA-GTに合わせて製作されたマシンに加えて、マザーシャーシをGTAが販売開始。両クラス共に大きな進化があった2014年シーズンで活躍したGT300クラスのGT-Rについてご紹介します。

 

出典:https://www.apr-racing.com/racing/2014-super-gt/round-1-1/

 

 

apr

 

出典:https://www.apr-racing.com/racing/2014-super-gt/round-4-1/

 

JAF-GT仕様のニスモGT-Rを、2014年シーズンに採用していたのは6チームありました。

そのうちの1チームがこの「IWASAKI apr GT-R」です。

ドライバ-は、影山正美選手と岩崎祐貴選手でした。

2013年シリーズからGT-Rをドライブする岩崎祐貴選手にとっては2シーズン目。

タイヤはヨコハマタイヤを選択しており、ボディカラーは青を基調としています。

メンテナンスは名門「apr Racing」が行っており、体制としては万全でした。

apr Racingはこのシーズン、プリウスもGT300クラスで参戦しており、2台体制。

GT-Rの実際の成績は性能調整等の影響もあって、シーズンを通してトラブルも多く苦戦し、なかなか上位に食い込む事ができませんでした。

 

NDDP

 

出典:https://supergt.net/tandds/team/2014/21

 

NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社)は、GT300クラスにもエントリーしています。

NISMOとして参戦している為、GT500クラスと同等に勝つ事を求められているチームです。

ドライバーは星野 一樹選手とルーカス・オルドネス選手の2人。

星野選手と言えば、カルソニックインパル星野一義監督のご子息です。

今ではベテランドライバーの1人となりましたが、2世ドライバーとして活躍する一人です。

マシンは白を基調とするボディカラーで、黒のアクセントが全体のイメージを引き締めたスタイリッシュなデザインを採用。

タイヤはヨコハマタイヤと契約をしていました。

開幕戦が行われた岡山国際サーキットでは、表彰台まであと1歩という4位入賞でレースを終えています。

シーズン中盤では苦戦しながらもタイラウンドで優勝しており、2014年シーズンはシリーズ4位。

これはGT300クラスでの最上位リザルトで、課題は2015年シーズンに持ち越されました。

 

TEAM MACH

 

出典:https://supergt.net/tandds/team/2014/23

 

TEAM MACHは、その名のとおり「マッハ車検」という自動車車検事業の会社が母体となっているチームです。

ドライバーはチームオーナーである玉中 哲二選手と山下 潤一郎選手のコンビ。

不況と言われている自動車業界で成功し、SUPER GTでマシンを走らせているという事実は異例。

地元九州では、シーズンオフにレース仲間を呼んで「合宿」という名の懇親会をたびたび開いているそうです。

このチームは、SUPER GTでの実績を買われてプライベーターチームという布陣でNISMOよりGT-Rが供給されました。

タイヤはヨコハマタイヤを選択しており、ボディカラーは白と青を基調としたデザインです。

シーズンの成績は苦戦を強いられ、チームランキングは23位でシーズンを終了しました。

 

DIJON

 

出展:https://supergt.net/gallerys/index/photos/2014/all/gt300

 

DIJONのチームオーナー高森博士選手は、レース界の中でも謎が多いとされる人物です。

某通信系企業の役員という噂や、実は資産家だという噂など様々あります。

そんな高森選手は、2014年シーズンの体制として田中 勝輝選手とコンビを組みました。

タイヤはヨコハマタイヤを選択しており、ボディカラーは白と赤を基調としたスタイルです。

このGT-Rも、他のプライベーターチームと同様でNISMOから供給(購入)したものをベースとしてレースに参戦しています。

2013年のシーズンオフにNISMOから話があり、それに乗っかる形でマシンチェンジをしましたが、開幕戦の岡山国際サーキットでは18位完走。

ポイント圏内に入る事はできず、シリーズランキングも22位とあまりいい成績は残せませんでした。

 

TAISAN

 

出典:https://supergt.net/tandds/team_round/2014/Round2/82

 

2013年シーズンまでポルシェ911 GT3を使用していたチ-ムタイサンですが、2014年シーズンはNISMOよりGT-Rが供給されました。

グループAの時代からたびたびレースで活躍して来たチームタイサンですが、ドライバーには横溝 直輝選手と密山 祥吾選手を起用してシーズンに臨みました。

二人ともレース実績豊富で、安定した速さを持ったドライバーです。

チームとしても、タイサンは老舗のメンテナンスガレージで、実績も技術力もあります。

選択しているタイヤメーカーはヨコハマタイヤで、ボディカラーは伝統のタイサンカラー!

開幕戦が行われた岡山国際サーキットでは、マシンセッティングの問題もあり19位でレースを消化。

次戦の富士スピードウェイでは、前戦のデータを生かして9位で完走し、ポイントを獲得しています。

更に第3戦・4戦でもポイント圏内でレースを終え、好成績を納めました。

しかし、ウエィトハンディの影響もあり、それ以降はノーポイントで終わっています。

チームランキングは、シーズン16位でした。

 

2014年式 日産GT-Rプレミアムエディション(DBA-R35)のスペック

 

全長×全幅×全高(mm):4670×1895×1370
ホイールベース(mm):2780
車両重量(kg):1750
エンジン型式:VR38DETT
エンジン仕様:V型6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc):3799
最高出力:550ps/6400rpm
最大トルク:64.5kgm/3200rpm
トランスミッション:6AT(2ペダルマニュアルトランスミッション)
駆動方式:フルタイム4WD
中古相場価格:3,880,000〜26,500,000 円

 

まとめ

いかがでしたか?

GT300クラスは、ワークスとプライベーターが混在しているクラスです。

それぞれ資金力が違う分、各チーム試行錯誤し、上位を目指して戦っているのです。

シーズン成績だけを見ると、NISMOやタイサンがGT-R勢では上位に食い込んでおり、チーム力が勝つ為のポイントとになっています。

しかし各々の考え方もあり、勝つ事を求められるチームもあれば完走する事を目的としたチームもあります。

特に、GT300クラスはプライベーターチームが多いので参加型モータースポーツという一面がある為です。

プロと遜色ない速さを求められるレースである為、誰でも走れる訳ではありませんが資金と努力さえあればチャンスは多数。

特にDIJONレーシングは、底辺カテゴリーからステップアップ方式でドライバー育成を行っているようです。

レースやGT-Rが好きな方は、一度挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

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