ツーリングカーレースの中で、比較的新しいカテゴリーであるTCR。2018年から、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)がTCRのみで行われるWTCR(FIAワールドツーリングカーカップ)に変更され、世界中で盛り上がりを見せるレースカテゴリーとなりました。しかし、日本ではスーパー耐久のST-Rクラスで出場可能となりましたが、まだまだ知名度が低いのが現状。今回は、そんなTCRとは一体どんなレースなのかについて、詳しくご紹介します!
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WTCRのスタートで、注目度急増のTCRマシンとは?
TCRはFIAが定めたツーリングカーレース車両の規格であり、TCRを採用したレースではTCR規格に則って製作された車両のみで競い合います。
2005年に設立されたグループGT3が自動車レースにおいて大成功をおさめ、のちの2007年にはグループGT4も設立。
こちらも世界中でにぎわいをみせています。
そして、FIA(国際自動車連盟)によって2014年にGT3やGT4を参考にしたTCR規格が登場。
WTCC(世界ツーリングカー選手権)の『TC1』『TC2』の下位クラスとして『TC3』を創設し、のちに『TCR』へと名称を変更しました。
そんなTCRが出来てからは『TCR International Series』が開催され、WTCCではワークスが活躍する一方で、TCR International Seriesでは多くのプライべーターが参戦し素晴らしい活躍を見せています。
2018年、WTCCからWTCRへ
2017年までTC1/TC2の車両が出場していたWTCC(世界ツーリングカー選手権)が終了し、代わってTCR車両のみで争われる『WTCR』(世界ツーリングカーカップ)に移行されました。
それまでTCRカーのレースが世界各地で盛り上がりを見せる一方で、WTCCはワークスチームの撤退が相次ぎ、2017年にワークス体制で参戦したのはボルボとホンダのみに。
そこでWTCCは2017年をもって終了する事を決定。
TCR International Seriesと統合する形で、2018年からTCRのツーリングカーレース車輌を導入した『WTCR』がスタート。
初年度となる2018年シーズン開幕戦モロッコでは、25台のエントリーがありました。
TCR車両規定
TCR車両規定については、現在以下のように定められています。
●車両が4ドアまたは5ドアの市販車ベース。
●マシンシルエットは市販車状態を維持し、タイヤはホイールアーチに収まらなければならない。
●ボディサイズは全長4.2m、全幅1.95m。
●最低車重は生産車用ギアボックス付きで1250kg、レース用ギアボックス付きで1285kg(ドライバー込の重量)。
●レース用ギアボックスを使用する場合はTCR規定で定められたシーケンシャルギアボックスのみ使用可能。
●排気量1.75~2リッターまでのターボ搭載を搭載したガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンが使用可能
●パワーは最大トルク410N・m、最高出力330PS前後。
●ABSやトラクションコントロールは基本的に使用禁止。しかし、レースによっては許可される場合もある。
●ハイブリッドは禁止。
●エンジン潤滑方式はウェットサンプのみ。
●サスペンションレイアウトはフロントで生産車両のまま。パーツのデザインは自由。
●リアサスペンションは強化パーツ使用可能。デザインは生産車両を維持。
●駆動方式は2WD。
●ブレーキはフロントが最大6ピストンキャリパー、ディスク最大直径380mm。リアが最大2ピストンキャリパー。
●ホイールのリム最大寸法10×18。
●最低車高は80mm。
●BoP(Balance of Performance)のために-20kgから+80kgの間でパワーウェイトレシオを調整する。
GT3やGT4よりも圧倒的に安価なTCRマシン!
TCR車両はGT3/GT4車両と同様にメーカーが生産・販売を行っていて、誰でもお金を支払えば購入可能です。
GT3レースが大流行していくにつれGT3車両の価格が高騰しており、それを受けてGT4やTCRは安価に設定されていますが、中でもTCRはベース車両がVWゴルフやホンダシビックなど世界的にスタンダードとされる5ドアハッチバッグや4ドアセダンであり、GT3やGT4のようにベース車両から高額ではありません。
また、車種が多いのも魅力の一つであり、TCR規定車両の2018年シーズンに向けたBoPテストには、11のメーカーが参加していました。
どのマシンも車両価格が1,000~1,800万円とかなり現実味のある価格設定になっており、ジェントルマンレーサーでも参加しやすいレースといえるでしょう。
TCR車両で出場可能な日本のレース
レース | 開催サーキット | 公式SNS |
---|---|---|
スーパー耐久 | フジスピードウェイ(静岡県) 鈴鹿サーキット(三重県) スポーツランド菅生(宮城県) オートポリス(大分県) ツインリンク茂木(栃木県) 岡山国際サーキット(岡山県) |
公式HP 公式YouTubeチャンネル |
TCR車両で出場可能な世界のレース
レース | 開催国 | 公式SNS |
---|---|---|
WTCR | 世界各国 | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
TCR Asia Car | マレーシア、タイ、韓国、中国 | 公式HP |
TCR MIDDLE EAST | アブダビ、ドバイ、バーレーン | 公式HP |
TCR Europa | 欧州各国 | 公式HP |
STCC | スウェーデン | 公式HP |
TCR CHINA | 中国 | 公式HP |
ADAC TCR GERMANY | ドイツ | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
TCR ITALY | イタリア | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
RACING WEEKEND | ポルトガル | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
SMP-RSKG | ロシア | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
TCR THAILAND | タイ | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
TCR UK | イギリス | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
Pirelli World Challenge | アメリカ、カナダ | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
IMSA CONTINENTAL SC | アメリカ | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
24H SERIES | 世界各国 | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
VLN | ドイツ(ニュルブルクリンクサーキット) | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
CER | スペイン | 公式HP 公式YouTubeチャンネル |
バラエティに富んだTCRマシンを紹介
アウディRS3 LMS
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR
セアト・レオン TCR
ホンダ・シビック TCR
ヒュンダイi30 N TCR
アルファロメオ・ジュリエッタ TCR
プジョー 308TCR
KIA Cee’d TCR
News: #STARD unveil Kia Cee’d #TCR car in Belgium – https://t.co/lF2zVebUZC pic.twitter.com/iYdvZfhlbD
— TouringCars.Net (@TouringCarsNet) 2016年10月29日
フォード・フォーカス
FRD Motorsport pleased with Ford Focus debut – https://t.co/LE9TmvFZYa pic.twitter.com/EEfnUfC9mD
— TCR Series (@TCR_Series) 2016年9月20日
オペル・アストラOPC
ルノー・メガーヌTCR
まとめ
日本ではスーパー耐久にTCRマシンで出場できますが、まだまだ知名度の低いカテゴリーです。
一方、日本以外ではTCRレースが世界中で行われており、同じアジア圏内の中国やタイでもTCR選手権が行われている程!!
是非日本でも、TCRをメインとしたレースを開催して欲しいと思います。
世界各国で行われるTCR選手権は、TCRオフィシャルYouTubeチャンネルから観ることもできるので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
TCR™のオフィシャルYouTubeチャンネルはこちら→ ”TCR TV”
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