「Sleeper」という言葉は、「見た目は普通だが性能が凄い車」のことを指すスラングであり、海外ではごく普通に使われています。外国には、通常では思いつかないようなチューニングがほどこされたクルマがゴロゴロ存在します。例えば、ゴルフを1200ps超えにしたり、S2000を500psにしたり。そんな中、オーストラリアでは5代目「トヨタ スターレット」を500psに改造した猛者が居ました。
トヨタ スターレット(5代目)について
本題に入る前に「トヨタ スターレット」について、おさらいしておきましょう。
スターレットは3ドアハッチバックボディを持つ車であり、トヨタが製造、販売していました。
5代目スターレットには、外見にスポーツモデルとしての要素を強く反映したタイプが存在しており、NAのグランツァSには1.3リッターの4E-FE型エンジンを搭載。
グランツァVには、4E-FTE型ターボエンジンが載せられていました。
それぞれ駆動方式とエンジンの違う3種をラインナップ。
FFのEP91、4WDのEP95、ディーゼルエンジン搭載のNP90が存在します。
また、ターボモデルには本格的な走りを追求し、装備を最小限度に留めた、モータースポーツパッケージ (MSP) がラインナップされており、このうちEP91型には駆動系統と過剰なホイルスピンを抑制するために、発進時に過給圧を低くする機能を搭載。
また先代に搭載されていた「ローモード・スイッチ」と呼ばれる、ブースト圧を低く調整できるシステムも継承され、安全性に配慮されています。
5代目スターレットのマイナーチェンジの歴史
1996年のフルモデルチェンジ後、5代目スターレットには1997年にレトロ調モデルである、「カラット」が追加されました。
続く1998年にはフロントバンパーとテールランプの意匠を変えて、ブレーキアシストを標準装備。
シートベルトに備わった、フォースリミッタ機構と合わせてより安全性に配慮された車に。
同年10月にはカジュアルRVを意識した「リミックス」という5ドアモデルが発売され、日産の「ラシーン」に対抗します。
そして1999年のヴィッツ登場後もしばらく生産と販売は続けられていましたが、同年7月に生産を終え、8月には販売も終了となりました。
オーストラリアで500psにチューンされたスターレット
5代目スターレットは海外でも人気であり、様々なユーザーによってチューンされています。
その中でもオーストラリアに存在するスターレットは、一見するとノーマル風なEP91ですが、内部には1.5リッター直列4気筒Garrett GTW3684ターボエンジンとシーケンシャルギアボックス、Wolf V550 ECUを搭載しており、最高出力は何と500ps!
動画を見ても分かりますが、コースをおよそ10秒ほどで走破し、まさに「羊の皮を被った狼」の走りを見せてくれています。
見た目は普通の車でありながら、その性能がとんでもないというギャップ。
これが海外で人気の「Sleeper」だというわけです。
まとめ
海外で「Sleeper」と呼ばれる車達。
そういった車は勿論日本にも数多く存在し、「ダイハツ ストーリアX4」や「スズキ 初代アルトワークス」などがこれに該当します。
これらもまた「羊の皮を被った狼」として有名な車であり、ラリーやダートトライアルで大活躍した名車です。
トヨタのスターレットもチューン次第で、そういった車達の仲間入りを果たせるということが、このオーストラリアの事例を見ると分かると思います。
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