元D1選手の猪瀬 徹氏が栃木県で経営しているチューニングショップ『フレンズ』は、S15シルビアによるタイムアタックでも有名です。タイムアタック専用に作られたナンバー無し車両の贅沢なS15シルビアは、いったいどんな仕様になっているのでしょうか。

最高出力700PSに車両重量1,170kg

フレンズS15のエンジン出力は700PS、車両重量1,170kgだそうです。

パワーウェイトレシオを計算すると、1,170kg ÷ 700PS = 1.67kg/PSで、加速力の高さがうかがえるのは言うまでもありません。

ダウンフォース対策のパーツ(アンパネなど)を装着する前の状態は、さらに100kg軽く、その場合のパワーウェイトレシオを計算すると、1,070kg ÷ 700PS = 1.52kg/PSとなります。

また、片側50mmずつワイドトレッド化されているので、実質100mmトレッドが広がっています。

エアロパーツを存分に使ったダウンフォースマシン

外装を見れば分かる通り、このS15はエアロパーツを存分に使ったダウンフォースマシンと言えるでしょう。

フロント部分のアンパネ(アンダーパネルのこと)は、仕様変更6回目とかなり手間のかかったパーツとなっています。

剛性の高さが肝となるため、ドライカーボンを採用。
人が乗っても壊れない強度・走行中にアンパネがしなってしまわないくらいの厚さが考慮されています。

その他、フロア部分のフラット化やGTウイングを装着することでダウンフォースを稼ぐと同時に空気が抜けるようになっている点も注目です。

極太タイヤと高スペックなブレーキパーツ

この車の目玉とも言える極太のタイヤは、アメリカの『Hoosier(フュージャー)』をチョイス。

ホイールと併せて紹介すると、フロントは11Jのホイールにタイヤ幅315、リアが12Jのホイールにタイヤ幅335の組み合わせ。

フロントブレーキキャリパーにはエンドレス製の6ポッドモデルを採用し、ブレーキローターは370mmとかなり大きめです。

この仕様は、タイムアタックという競技ではオーバースペックなため、ばね下重量の軽量化を狙ってローターの小径化を検討しているとのことでした。

リアブレーキは負担がそれほどかからないため、R33の純正ブレーキを採用しています(ローターだけ大径化)。

ドライサンプ化・パワーユニットの位置を車体寄りに移動

出典:http://friends-power.com/blog/cat5/index_7.html

ドライサンプ化ならびに重心位置を中心へ移動している点にも注目です。

ドライサンプ化により、横Gがかかった状態でもオイルを安定して供給することができるようになっています。

動画では述べられていませんが、これによってエンジン位置の低重心化にも貢献。

エンジンとミッションが10cm内側へ移され、運転席・ペダル・シフトノブなどの位置も10cm手前に移動されています。


出典:http://friends-power.com/blog/cat5/index_2.html

ホリンジャー製6速ドグミッションやロールケージも注目です。

まとめ

今年の冬から筑波サーキットでのタイムアタックを始めるとのことで、どのような走りをしてくれるのか、非常に楽しみです。

我々が知る、S15の限界をさらに超えた走りに期待したいところ。

猪瀬さんとS15の進化をこれからもチェックしていきたいと思います!

Motorzではメールマガジンを配信しています。

編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?

配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!