街の交通安全を守る白バイ。スーパーGTなどのモータースポーツでのデモランでもよく見かけますよね。そして、警察官の中でも、徹底した運転指導が行われて初めてなれる白バイ隊員が技術を競う大会「全国白バイ安全運転競技大会」でのライディングテクニックがすごいんです。今回は、そんな白バイ隊員の走行動画と、白バイのベース車両について、ご紹介します。
街中が主戦場になる白バイ隊員のテクニックは、やっぱりすごい!
CONTENTS
白バイ、そして白バイ隊員とは
言わずと知れた白バイ。
白バイ隊員は、小さい頃は憧れの職業でもありましたよね。
白バイ隊員になるには、日々の業務で成績優秀な者が推薦を受けて、養成所で一か月間の特別な訓練を行い、試験に合格する必要があります。
その後、交通課に配属されて一定の業務をこなした後に、晴れて白バイ乗務が可能になるそうです。
この期間は「修行」と呼ばれ、およそ1年程度かかると言われていますが、各都道府県などによって多少の差はあるようです。
犯罪者の追跡においては、危険が伴うような狭い路地や、高速域でも安全にバイクを操作しなければならないため、常々運転技術の向上訓練を行っているとのこと。
では、そんな厳しい訓練を超えた白バイ隊員はどれだけ運転が上手いのか、次の項目で見てみましょう。
ライディングテクニックがわかる動画
こちらが全国白バイ安全運転競技大会の動画。
ウェットコンディションの中、右に左に大型バイクを振り回しています。
高速スラローム時の振り替えしの速さは必見です。
こちらはデモランですが、同じくウェットコンディションの中、スラロームや隊列走行など、なんなくこなしています。
この動画の警察官の皆さんは、全国白バイ安全運転競技大会の強化選手とのこと。
画面奥と手前から同時にスラローム。ぶつからないのが謎です。
なんと、ダートもあります!
障害物をいとも簡単に突破してみせる姿から、いかに運転技術が高いのかが見えますね。
普段乗っている白バイは300kg近くありますが、真逆のXRでも全く問題ありません。
全国白バイ安全運転競技大会とは
先ほどの動画で触れている「全国白バイ安全運転競技大会」ですが、こちらは1969年からスタートした白バイ隊員だけの競技になります。
この競技を通して、白バイ隊員の技術の向上と士気の高揚、ならびに全国の機動隊隊員の団結を目的とされ、2016年10月には第47回大会が開催されます。
近年は茨城県ひたちなか市の自動車安全運転センターで開催されていますが、第1回大会はなんと鈴鹿サーキットで開催されていたとのこと。
競技はバランス走行操縦と傾斜走行操縦(スラローム走行)、トライアル走行操縦と不整地走行操縦の4種目。前者2つは普通の白バイで、後者はXR230などのオフロードバイクを使用して競技を行うそうです。
ざっくりいうと、ジムカーナとモトクロス・トライアルバイク。
ただしバランス走行は、細かなターンの後に一時停止する必要があったり、波状路+一本橋、狭路走行などもあるので、バイク版オートテストと言ったほうが的確かもしれません。
日々訓練を行ってきた白バイ隊員たちが、その技術を披露し、競い合う場所が、この「全国白バイ安全運転競技大会」なのですね。
では実際、振り回している白バイってどんなバイクなのでしょうか?
白バイ・ベース車両
では、白バイはどんなスペックなのか、見ていきましょう。
ちなみに、車重は車両のみのもの、ここに無線やらパトランプやらの装備が着くので、実際にはさらに数十kg重くなります。
ホンダ・CB1300P
競技大会でも使用されていたのがこちら、ホンダCB1300です。
ちなみに、白バイ車両は名前の後に必ずPがつきます。
ハーフカウルでスタイリッシュなこの車両のベースがコチラ。
こうやって見てみると、車体後部の書類箱を設置するために、マフラーが下がっているのがわかりますね。
新車価格は 1,218,000円、現在の中古相場では600,000円から1,000,000円の間ぐらいで取引されているようです。
スペック
エンジン:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ
排気量:1284cc
車重:264kg
パワー:101ps/7,000rpm
トルク:11.6kg/5,000rpm
燃費:25.5km
ホンダ・VFR800P
フルカウルのこちらは、同じくホンダのVFR。
街中で見かける白バイとしては、このバイクのイメージが強いのではないでしょうか?
見た目にもレーシーで、カッコイイ一台です。ベース車両はコチラ
もう15年以上前のバイクとは思えないデザインが魅力的ですね。
歴代から踏襲しているプロアーム(片持ちのスイングアーム。後輪が車体左側からしか支えられていません。)も特徴です。
新車価格は980,000円、現在の中古相場は300,000円~700,000円程度。
スペック(1998年式)
エンジン:水冷4ストロークV型4気筒DOHC4バルブ
排気量:781cc
車重:209kg
パワー:80ps/9,500rpm
トルク:6.9kg/7,000rpm
燃費:27km
スズキ・GSF1200P
なかなか見かけませんが一応まだ現役らしい?GSF1200P。いわゆるバンディットです。
アッパーカウルが2段になっている上に、ヘッドライトより上に2つのランプ。
他メーカーじゃ見られないようなデザインがなんとも憎めないGSFのベースがこちら。
ネイキッドですが、こちらがモデルの車両となっています。
軽い車体に短いホイールベースで、バイク乗りの間ではじゃじゃ馬と呼ばれていたそうですが、速さは折り紙付きだったようですよ。
中古相場価格は400,000円~700,000円程度のようです。
スペック(1996年式)
エンジン:油冷4ストローク直列4気筒DOHC
排気量:1156cc
車重:210kg
パワー:97ps/8,500rpm
トルク:9.8kg/4,000rpm
燃費:27km
ヤマハ・FJR1300P
おそらくこちらが最新の白バイ!ヤマハのFJR1300P!
2014年から採用されており、VFRよりもシャープなデザインで、見た目にはよりレーシーですね。
元々のベース車両はこんな感じ。
ベースと白バイを見比べていただけるとわかると思いますが、アッパーカウルにある、POLICEと書いた追加シールドのようなもの、純正なんですね。
元々ツアラーという位置づけで販売されていたFJRは、その高い安定性と信頼性から、採用に至ったようです。
新車価格は1,490,000円、中古相場はおよそ1,000,000円前後といったあたりのようです。
スペック(2013年式FJR1300A)
エンジン:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ
排気量:1298cc
車重:289kg
パワー:146.2ps/8,000rpm
トルク:14.1kg/7,000rpm
燃費:24.6km
まとめ
いかがだったでしょうか?
普段、街中で目にする白バイ隊員さんたちはこれほどの運転技術を持っていることに、改めて驚きです。
警察だけのモータースポーツである「全国白バイ安全運転競技大会」は、年に一回しかないので、観戦しに行ってみるのも面白いかもしれませんよ!
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