ヤマハTZRシリーズの末っ子として販売されていたヤマハTZR50/TZR50Rは、昨年2017年で販売終了から20年が経ちました。フルサイズ2スト50ccの中でも、特に本格的なレーサーレプリカ仕様となっていて、ホンダNS-1と共に人気の高いバイクです。そんなヤマハTZR50/TZR50Rについてご紹介していきます。
TZR50っていいよね pic.twitter.com/cWMP4WwdnA
— いち狼 (@obj_ichi) 2016年2月4日
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ヤマハTZR50とは
TZR50購入しました!納車はGW後だけどみんなとツーリングできるの楽しみにしてます( *´꒳`* ) pic.twitter.com/CSb6W1i7bp
— ワダちゃん(:3 (@XxwadachanxX) 2017年4月4日
ヤマハTZR50/TZR50Rは、1990~1997年までヤマハが製造・販売した原付バイク(50ccバイク)です。
TZR50とTZR50Rの違いは1990~1993年まで製造されたものがTZR50(型式:3TU)であり、TZR50の後継モデルとして登場し、1993~1997年まで製造されたものがTZR50R(型式:4EU)です。
ヤマハTZR50/TZR50Rが登場した時代背景
登場した時の時代はレプリカバイク全盛期であり、ホンダNSR250R、ヤマハTZR250R、スズキRGV250ガンマといった250cc2ストロークエンジンの人気が高く、それに続いて125cc、80cc、50ccのレプリカバイクが多く登場していました。
50ccのレプリカバイクであれば、12インチタイヤを装着したミニバイクのホンダNSR50やヤマハTZR50Mなどが50ccバイクレースの主流でしたが、17インチタイヤを装着したフルサイズバイクでは、ホンダNS-1やヤマハTZR50に人気が集中。
もちろんホンダNS-1やヤマハTZR50でレースに参戦するライダーもいましたが、走りのフィールドは街乗りや峠がメインでした。
ヤマハTZR50とTZR50Rの違い
ヤマハTZR50とTZR50Rの違いは、シートカウルの形状とチャンバーの長さの違いが見てわかると思います。
それ以外では、始動方式がTZR50ではキック方式でしたがTZR50Rからセル方式になり、エンジンがピストンリードバルブからクランクケースリードバルブ方式になりました。
TZR50は市販レーサーTZ50のエンジンをベースに制作されており、TZ50は混合油仕様ですが、TZR50は街乗りもできるように分離給油となっていて、フルモデルチェンジ後のTZR50Rでは、モトクロスレーサーYZ80用のエンジンをベースに開発されてTZR50よりも高回転式のエンジンになっています。
ヤマハTZR50の魅力
同じような系列で
ヤマハ TZR50ってのもあるよね pic.twitter.com/cT4umPCheP— かばん (@KabanWolf_BL5) 2017年11月3日
TZR50Rは原付でありながら、かなり本格的な作りをしていました。
サスペンションはフロントフォークにインナーチューブ径φ30㎜、リアサスペンションにリンクレスのモノクロスサスでガス封入式ビルシュタインタイプのダンパーを搭載。
フロントブレーキにはφ245㎜という大径のローターを使用したディスクブレーキを採用し、50ccにしてはかなり贅沢なつくりとなっています。
ちなみに、ヤマハTZR50/TZ50Rの最大のライバルはホンダNS-1であり、NS-1はタンク部分がメットインになっているので街乗りでのユーティリティではヤマハTZR50より勝っていましたが、ヤマハTZR50はホンダNS-1よりも9キロ、TZR50Rでは8キロ軽く、50ccでこの車重差はかなり大きい事から運動性能はTZR50/TZR50Rのほうが勝っているという声が多く聞かれました。
50ccレプリカバイクであれば、コンパクトで軽量なNSR50やTZM50Rが速さで勝りますが、TZR50/TZR50Rはフルサイズの車格でありながら、カスタムや乗り方次第では50ccミニバイクに負けないぐらいの速さを実現できたのです。
ヤマハTZR50のモータースポーツでの活躍
ミニバイクレースの定番といえばホンダのNSR50、NSF100で、最近定番となりつつあるXR100やグロムなど12インチタイヤを装着したバイクが主流ですが、13インチ以上のタイヤを装着したSP50クラスや改造無制限のOPENクラスなどでは、TZR50Rがまだまだ現役。
スポーティーで軽量な17インチタイヤ装着バイクであれば、TZR50Rが人気であり、NSF100やXR100、グロムは中古価格が未だに高額ですが、TZR50Rは10万円以下で購入できる中古車も多いため、格安のベース車両としておすすめです。
ヤマハTZR50のスペック
TZR50(3TU型)これニーグリップするとシートカウルが割れることがあるんだよね・・・ TZR50R(4EU型)になってもあまり改善しなかったなあ・・・
左がTZR50 右がTZR50R #バイクの日 pic.twitter.com/5vJCBAWDbf— あお (@lazward0192) 2016年8月19日
TZR50(1990~1993) | TZR50R(1993~1997) | |
---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 1,875×600×1,025 | 1,880×605×1,025 |
軸間距離(mm) | 1,250 | 1,250 |
シート高(mm) | 760 | 760 |
乾燥重量(kg) | 83 | 84 |
エンジン種類 | 50cc 水冷2ストローク単気筒 ピストンリードバルブ |
50cc 水冷2ストローク単気筒 クランクケースリードバルブ |
圧縮比 | 8.2 | 7.3 |
最高出力(kW[P.S]/rpm) | 5.2[7.2]/9,000 | 5.2[7.2]/10,000 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 6.0[0.62]/7,500 | 5.8[0.60]/8,000 |
始動方式 | キック | セル |
ミッション | 6速リターン | 6速リターン |
燃料タンク(L) | 10.0 | 10.0 |
タイヤサイズ | 前 80/90-16、後 90/90-17 | 前 80/90-16、後 90/90-17 |
販売価格(円) | 269,000 | 299,000 |
まとめ
昔我が家にあったレーサーレプリカのTZR50 pic.twitter.com/gqWO5ZkHnt
— 👹ゆいちょふ㌃👹 (@r541chase) 2016年5月23日
1990年代後半になるとレーサーレプリカブームは終わり、さらに2ストロークエンジンの規制が迫ってきたせいか、1997年にはTZR50Rの生産は終了してしまいます。
しかし、1998年から再び50cc2ストフルサイズのRZ50が登場し、レトロファッションを盛り込んだ50ccネイキッドスポーツで排ガス規制をクリアしつつクラストップの7.2PSをマーク。
TZR50Rがなければ、RZ50の誕生はなかったかもしれません。
そんなTZR50/TZR50Rは50ccの2ストレプリカバイクに大きな功績を残し、原付のレジェント的な存在といえるのではないでしょうか。
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