ヤマハが新型セロー250の発売を発表しました。去年9月に生産を終了したものの、この段階から新型セロー250を開発していることを明かし、1985年から販売されるロングセラーモデルは約1年が経過した平成28年、排ガス規制に対応して見事に復活を果たしました。新型セロー250は、見た目で旧型から大きな変化はありませんが、新設計のエンジンやマフラーは排ガス規制に対応しただけでなく、パワーアップして乗りやすく、さらに優れた低燃費も実現しています。
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外観は変わらないが中身は全て新設計になった新型ヤマハ・セロー250
2018年7月25日、ヤマハは新型セロー250を8月31日に発売することと、ツーリングに適したアイテムを装備したアクセサリーパッケージ『TOURING SEROW(ツーリングセロー)』を9月13日に発売することを発表しました。
セローは、毎年強化される自動車排ガス規制に対応できなくなったことで2017年9月に生産終了となりましたが、この時点からヤマハは排ガス規制に対応したモデルを開発中であると公に発表していたため、近々新型セロー250が登場することを期待されており、今回満を持して新型セロー250が登場。
旧型同様に、軽快なオフロードの走破性、オンロードでのグリップ力に優れたサスペンションセッテング、軽量な車体はそのままにパワーの増したエンジンは従来型よりも低燃費になって、250ccクラスのトレッキングツアラーバイクのさらなるレベルアップに貢献しました。
ヤマハ・セローとは
ヤマハ・セロー(SEROW)は、1985年に登場したオフロードバイクです。
セロー(SEROU)とはカモシカの英語表記で、カモシカのように獣道を軽快にそして長距離を走り抜けることをイメージし、採用されました。
ヤマハはセローの開発をする上で『二輪二足』をコンセプトに扱いやすいパワー感を意識し、ハンドルの切れ角も大きくして軽量な車体を実現したモトクロスバイクの開発を目指します。
さらにオフロードバイク特有の高めのシート高は、女性でも乗りこなせるよう低めに設計されています。
足つき性を良くしたことで足をつく場面の多い山道や林道でも難なく走行できるようにし、どんな道でも走れる走破性と扱いやすいパワー感のトレッキングバイクとしてセローを発売しました。
しかし、セローが登場した1980年代はレーサーレプリカブームの時代だったため、販売されているバイクはどれも絶対的なパワー主義のもと製作されたモデルがほとんど。
モトクロスバイクも例外ではなく、1980年代はホンダMTX200R、ヤマハDT200R、スズキTS250、カワサキKDXといったモトクロスレーサーバイク譲りのハイパワー2ストロークエンジンを搭載したモトクロッサーが多く製造された時代。
国産メーカーがひしめく中で、セローがすぐに2輪市場で受け入れられることはありませんでした。
1970年代から一部のライダー達の間で楽しまれるようになった林道ツーリングが、徐々にバイク業界全体で知られるようになり、ツーリングのコースにオンロードとオフロードを組み合わせた道のりを走るツーリストが徐々に増えてきました。
さらに1980年代のバブルの頃にキャンプの第2次ブームがやってきたことで、林道ツーリングにキャンプを含めた楽しみ方も珍しくなくなり、デュアルパーパスモデルのバイクが注目を集めるようになりました。
かくしてデュアルパーパスモデルのセローも人気がジワジワと上昇し、いつしかロングセラーモデルに。
発売されてから約10年後の1995年には、累計販売台数6万台を突破するようになり、デュアルパーパス・250ccクラスの絶対モデルとしての位置を確立したのです。
新型セロー250の変更点
新型セロー250のエンジンは、旧型からパワーアップ。
排気量は変更されていませんが、圧縮比を9.5から9.7に高められたことで最高出力と最大トルクが向上。
平成28年の排ガス規制に対応するために、O2フィードバック制御の新型フューエルインジェクションと蒸気ガソリンがマフラーから出ないようにキャニスターが搭載されました。
メーターはフル液晶モニター化され、この中にスピードメーター、時計、ツイントリップ機能がついており、バックライトは昼夜問わず視認性に優れるグリーンのバックライトが採用されています。
ヘッドライトは100mm径レンズと60/55Wハロゲンバルブの軽量小型ヘッドライト。
リアのテールランプには、LEDが採用されました。
また、タイヤがスタックした時のためにリアサイド2箇所とヘッドライト下にスタックバーを装備。
カラーリングは『ホワイト/グリーン』、『ホワイト/オレンジ』、『ホワイト/ブルー』の計3色が設定されています。
新型セロー250と旧型セロー250のスペック違い
新型セロー250 | 2017年モデル・セロー250 | ||
---|---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 2,100×805×1,160 | 2,100×805×1,160 | |
軸間(mm) | 1,360 | 1,360 | |
シート高(mm) | 830 | 830 | |
車両乾燥重量(kg) | 133 | 130 | |
エンジン種類 | 空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | 空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | |
排気量(cc) | 249 | 249 | |
内径×行程(mm) | 74.0×58.0 | 74.0×58.0 | |
圧縮比 | 9.7:1 | 9.5:1 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 14[20]/7,500 | 14[18]/7,500 | |
最大トルク(N・m[kgf-m]/rpm) | 20[2.1]/6,000 | 18[1.9]/6,500 | |
トランスミッション | 5速 | 5速 | |
タンク容量(L) | 9.3 | 9.6 | |
タイヤサイズ | 前 | 2.75-21 45P | 2.75-21 45P |
後 | 120/80-18M/C 62P | 120/80-18M/C 62P | |
価格(円) | 564,840 | 507,600 | |
燃料消費率(km/L) | 国土交通省届出値定地燃費値 | 48.4km/L(60km/h)2名乗車時 | 40.0km/L(60km/h)2名乗車時 |
WMTCモード値 | 38.7km/L(クラス2, サブクラス2-1) 1名乗車時 | – | |
価格(円) | 564,840 | 507,600 |
新型セロー250の低燃費性能がすごい!
スペックの違いの中で、注目してほしいのが燃費です!
国土交通省届出値定地燃費値ではありますが、旧型から8.4km/hも燃費値が向上。
出力・トルク共に向上しつつ、これほど燃費値を向上させたのは素晴らしいの一言。
WMTCモード値38.7km/hであれば、ガソリン満タン状態で約360km走行可能です。
また、走行距離700kmぐらいのロングツーリングであれば、レギュラーガソリンリッターあたり148円(2018年8月25日時点での全国平均価格)として、2回のガソリン給油代が2,752円で済んでしまうほど経済性に優れています。
まとめ
モトクロスバイク好きの中で、セローを愛するファンはかなり多く存在します。
また、初心者向けに最適なバイクとされていますが、程よいパワー感とどんなところでも走れてしまうタフな作りがベテランライダーからも高い支持を得る事に!
新型セロー250は旧型セローの良さを残しつつ、パワーアップと低燃費を果たし、多くのセローファンを魅了し続けるでしょう。
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