イタリアンモーターサイクルの中で、一番個性的なブランドはモトグッツィではないでしょうか。同モーターサイクルは、商品ラインナップの全モデルに縦置きV型2気筒OHVエンジンを頑なに搭載し続けています。そんなモトグッツィからアドベンチャーモデルにあたる、V85TTが発売されました。
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イタリアンテイスト溢れる旅バイク・モトグッツィV85TT
イタリア製バイクの中でもひときわ個性を放つメーカーが、モトグッツィ。
誰も乗っていない個性派で、ロングツーリングでも疲れにくく、ちょっとしたオフロードも走行可能。
さらには操作しやすいなど、バイク好きの理想をすべて網羅するモデルに近いのが、今回紹介する『V85TT』なのかもしれません。
ニュートラルギアに入れてエンジンを空ぶかしすれば、トルクリアクションで車体が右へ振られる特性は、唯一無二の縦置きV型2気筒エンジンとシャフトドライブ機構を搭載している証。
それでいてV85TTは、世界中のアドベンチャーツアラーモデルと比較しても、負けず劣らずの出来栄えなのです。
モトグッツィV85TTとは
モトグッツィV85TTは、2017年後半に発表され、2019年2月から量産を開始されたモデル。
モデル名のTTは、”Tutto Terreno”の略で、イタリア語で「全ての地形」を意味します。
そして、その名の通り、すべてのフィールドで軽快な走りを発揮するアドベンチャーツアラーであり、丈夫なスチール製トラスフレームに、ストロークが長めに設定されたサスペンション、ブロックタイヤを装着。
エンジンはモトグッツィ伝統の空冷V型2気筒OHVエンジンで、排気量は853ccとなっています。
Oualid Krelladi’s Moto Guzzi TT65 in the South of France. pic.twitter.com/3BKky25hRb
— Stephan Wagner (@altoMoto_info) 2019年2月27日
1980年代のパリダカール・ラリーのシーンでは、『BMW R80G/S』が強烈なインパクトを放っていましたが、当時モトグッツィもオリジナルマシンでパリダカに参戦していました。
V85TTは、そんな80年代にパリダカに挑戦していた『TT65』をオマージュし、クラシカルで力強いイメージとなっています。
ロードモデルより力強い!?チタンバルブが生み出すハイパワー仕様
モトグッツィは、絶対的なパワーを狙ってバイクを製造するメーカーではありません。
縦置き空冷V型2気筒OHVは、水冷直列4気筒DOHCに比べれば、圧倒的に不利なエンジンです。
また、排ガス規制が厳しくなるにつれ、開発が難しくなっていった空冷エンジンに、今なおこだわりを持っているモトグッツィは称賛に値します。
そんなモトグッツィのモデルラインナップの中で、V85TTはかなりパワーを絞り出したモデルです。
同じエンジンを搭載したロードスポーツモデル モトグッツィV9 ROAMERは、最高出力55HP、最大トルク62N・mに対し、V85TTは80HP/80N・mを発揮しています。
このパワーアップは、チタン製バルブを搭載したり、燃料供給装置にΦ52mmシングルスロットルボディのライド・バイ・ワイヤーを使用したことで、実現されました。
また、車両重量は同排気量の、BMW F850 GS ADVENTUREU(車重256kg)よりも27kg軽くなっていて、シート高は830mmですが、タンクからシートが絞り込まれているため、170cmぐらいの方なら足の裏半分ぐらいは地面に届きます。
モトグッツィV85TTは電子デバイスも充実!
V85TTはクラシカルなデザインですが、最新の電子デバイスが、いたるところに搭載されています。
メーターにはフルカラーのTFTディスプレイを装着し、スマートフォンやインターコムとの接続や電話の受信・応答、音楽の再生も可能。
さらにはディスプレイ横と、シート下にUSBポートが装備されています。
また、メーターには、速度、回転数、ギアポジション、距離計、時間以外に、気温、燃料計、平均/瞬間燃費、残走行可能距離も表示。
走行モードは『ロード』、『レイン』、『オフロード』から選択でき、走行時にモードを変更することも可能です。
ちなみに『オフロード』では、リアブレーキのABS解除とトラクションコントロールを最低レベルに設定し、オフロードフリークのライダーでも納得できるブレーキフィーリングになっています。
スペック&価格
モトグッツィ・V85 TT | ||
---|---|---|
シート高(mm) | 830 | |
乾燥車両重量/車両重量【燃料90%搭載時】(kg) | 208 | |
エンジン種類 | 空冷4ストローク縦置き90°V型2気筒OHV2バルブ | |
総排気量(cm³) | 853 | |
ボア×ストローク(mm) | 84.0×77.0 | |
圧縮比 | 10.5:1 | |
最高出力(kW[HP]/rpm) | 59[80]/7,750 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 80[8.1]/5,000 | |
変速機形式 | 6速 | |
タンク容量(ℓ) | 21【リザーブ5ℓを含む】 | |
燃費性能(L/km)【WMTCサイクル】 | 4.9/100[リッターあたり20.44] | |
タイヤサイズ | 前 | 110/80-19 |
後 | 150/70-17 | |
ホイールトラベル[mm] | 前 | 170 |
後 | 170 |
カラー | 価格(消費税8%込み) | |
---|---|---|
プレミアムグラフィックカラー | サハライエロー | ¥1,425,600 |
カラハリレッド | ¥1,425,600 | |
スタンダードグラフィックカラー | アストラスブルー | ¥1,398,600 |
アタカマグレー | ¥1,398,600 |
まとめ
伝統的なデザインなのに、中身はアドベンチャーモデルの代表格であるBMW GSシリーズ並にハイテク技術が詰め込まれたV85TTは、かなりの期待が持てるモデルです。
縦置きV型2気筒エンジンが、クラシックなデザインに良く似合っており、ライバルメーカーにはない個性派アドベンチャーモデルという立ち位置を確立したV85TTは、ライダーにどんなワクワク感をあたえてくれるのでしょうか。
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