日産より販売された4代目C110型スカイラインをベースに開発された、2代目GT-R「日産 スカイライン2000GT-R」。ケンメリGT-Rという名称で呼ばれた名車は、たった4ヶ月のみ販売された幻のGT-Rです。
ケンメリとは
ケンメリは1972年、先代のハコスカからフルモデルチェンジをし、4代目C110型スカイラインとして誕生しました。
ラインナップは、2ドアクーペ、4ドアセダン、ワゴン、バンで、当時のCMでの「ケンとメリーのスカイライン」とういうキャッチフレーズにより、ケンメリと呼ばれるようになります。
ちなみに、4ドアセダンモデルは、ヨンメリとも呼ばれました。
そして1973年にスポーツグレード「スカイライン2000GT-R」が追加されますが、たった4ヶ月のみの販売で、生産を終了してしまいます。
そんな短命で終わったGT-Rについて、詳しく見ていきましょう。
ケンメリGT-R
先代のハコスカで脚光を浴びたGT-Rは、販売前から注目を浴びていました。
1973年に2代目GT-Rとして販売が開始され、KPGC110型「スカイライン2000GT-R」の名で世に出ます。
しかし、時代が進むにつれて環境汚染問題が大きくなり、その影響は自動車産業にも及んでいきました。
そして、先代より引き継いだS20型エンジンでは、1973年の排出ガス規制をクリアできなくなってしまいます。
それによりケンメリGT-Rは、生産台数197台・市販販売台数195台というタイミングで生産を終了したのです。
新車販売価格は、163万円でした。
S20型エンジン
エンジンは先代と同じ型式の1989cc直列6気筒DOHCのS20型が採用され、インテークやエキゾーストマニホールドの形状が変更されました。
また、ソレックスの3連キャブレターが採用され、キャブレターの独特な吸排気音が楽しめます。
それらに加えて、レギュラーガソリン仕様とハイオク仕様がラインナップされました。
丸目4灯テールランプ
スカイラインといえば、特徴的な丸目の4灯式テールランプをイメージすると思いますが、このデザインはケンメリから続く、スカイラインの伝統です。
主要スペック
車両型式:KPGC1110
全長×全幅×全高(mm):4460×1695×1380
車両重量(kg):1145
エンジン型式:S20
総排気量(cc):1989
最大出力(PS/rpm)
ハイオク仕様:160/7000
レギュラー仕様:155/7000
最大トルク(kgm/rpm)
ハイオク仕様:18.0/5600
レギュレー仕様:17.6/5600
レース仕様のケンメリGT-R
ハコスカGT-Rの伝説を引き続くかたちでデビューしたケンメリGT-Rは、レース界でも活躍が期待されていました。
しかし、環境問題に対応しきれず生産がすぐに終了したことや、日産ワークスのレース撤退が重なり、不発に終わります。
その期待の表れとなったのが、レースに参戦するために開発されたケンメリGT-Rレーシング仕様のマシンで、ケンメリGT-Rの販売が開始される前の年に開催された東京モーターショーに参考出品されました。
大型のエアロパーツを装着し、レーシングカーそのもの。そんな幻のレース仕様車両は、富士スピードウェイで2017年に開催された第20回NISMO FESTIVALのパレードランで復活走行し、ファンを魅了しています。
ケンメリGT-Rの中古車相場
販売台数がたった195台のみに終わったケンメリGT-Rは、中古車市場で探すのは至難の技です。
仮に市場に出てきても、数千万円というプレミアム価格がつくことでしょう。
まとめ
環境規制により幻となったケンメリGT-Rは、世界中探しても見つけることが非常に困難な希少車種となっています。
走行する姿を見ることがあれば、それはラッキーかもしれません。
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