かつてダイハツとデ・トマソのコラボモデル「シャレード デ・トマソターボ」が販売されていました。国産コンパクトカーの「シャレード」と、イタリアのスポーツカーメーカー「デ・トマソ」の共同製作で作り出されたホットハッチは、どのような車だったのでしょうか。
ダイハツ「シャレード」とは
ダイハツ「シャレード」は、1977年に販売を開始した前輪駆動のコンパクトカーです。
1.0Lエンジンを搭載したハッチバックであることから、「リッターカー」と呼ばれました。
ボディバリエーションは、太いクォーターピラーが特徴の3ドアクーペと5ドアをラインナップ。1983年には、直線的なスタイルと角型ヘッドライトが特徴の2代目へフルモデルチェンジされ、ボディタイプは3ドアと5ドアがラインナップされています。
その後1987年に、角がとれたボディ造形と盛り上がった前後フェンダーが特徴の3代目となりました。
ボディタイプは3ドアと5ドアがラインナップされ、前輪駆動と四輪駆動を展開。1993年には丸みを帯びたスタイリングの4代目となり、2000年まで製造・販売された後、シャレードの歴史に幕を閉じました。
通算4世代にわたり製造・販売されてきたシャレードの中で、デ・トマソとコラボレーションした「シャレード デ・トマソ」は初代、2代目、4代目に設定されています。
デ・トマソとは
デ・トマソは、1959年に設立されたイタリアのスポーツカーメーカーで、起業から数年間はフォーミュラーカーの製造をおこなっていました。
そして1963年に初のロードカープロトタイプが製作され、1966年に2代目ロードカー「マングスタ」をリリース。1971年には、フォードと共同開発した「パンテーラ」を販売します。
パンテーラは、今でもデ・トマソを代表するモデルとして広く知られている1台で、その後、1980年代にかけてマセラティなどを買収し規模を拡大。
この頃にダイハツとのコラボレーションモデル「シャレード デ・トマソターボ」が発売されました。
しかし1990年代には新たなモデルをリリースするも少数生産に留まり、1993年にパンテーラの生産を終了。
2004年には会社を解散し、2010年代に経営状態が悪化したことで2014年に工場の閉鎖を余儀なくされました。
ダイハツ「シャレード デ・トマソターボ」
初代、2代目、4代目に設定された「シャレード デ・トマソ」。中でも、最も有名な「シャレード デ・トマソターボ」は、1984年に販売された2代目です。
3ドアハッチバックのボディに、レッドとブラックのツートーンカラー、ゴールドのホイールが特徴で、フロントスポイラー一体型バンパーや、バックドアスポイラー、サイドスカートなどを装着し、スポーティーなスタイルに仕上げられました。
インテリアには、レッドとブラックのツートーンバケットシートを装備。エンジンは、993cc直列3気筒SOHCターボで、最高出力80ps、最大トルク12.0kgmですが、車両重量690kgという軽さと相まって小気味良い走りを実現しています。
また、レッドとブラックのツートーンカラーは、デ・トマソの代表モデルでもある「パンテーラGTS」を思わせるカラーリングであるため、「シャレード デ・トマソターボ」と「パンテーラGTS」は、親戚関係にあると言えるのです。
シャレード デ・トマソターボ(1984年)のスペック
- 全長×全幅×全高=3,600mm×1,575mm×1,390mm
- 重量:690kg
- エンジン:CB-50型993cc直列3気筒SOHCターボ
- 最高出力:80ps/5,500rpm
- 最大トルク:12.0kgm/3,500rpm
- トランスミッション:5速MT
まとめ
シャレード デ・トマソターボは、日本の小型車を得意とする「ダイハツ」とイタリアのスポーツカーメーカー「デ・トマソ」のコラボレーションにより誕生しました。今となっては実現できない伝説のコラボレーションモデルです。
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