1989年に登場した「ギャランAMG」は、三菱とAMG(現:メルセデスAMG)のコラボレーションにより誕生した隠れた名車です。今となっては実現不可能とも言える三菱とAMGのコラボモデル「ギャランAMG」は、AMGが手がけた気持ちの良い「エンジン」が特徴となっています。今回は、そんな隠れた名車「ギャランAMG」をご紹介します。

出典:https://www.mitsubishi-motors.com/jp/company/history/car/index.html?intcid2=company-history-car

ギャランAMGのベースモデルの三菱6代目ギャラン

ギャランAMGのベースモデルとなった三菱「ギャラン」は、1987年に登場した6代目モデルです。

エクステリアは直線を基調とした箱型デザインで、横長のヘッドライト・リアコンビランプ、2分割されたフロントグリルを装備。インテリアは、奥行きのある水平なダッシュボードやスイッチ類が集約されたセンタークラスターが、シンプルかつ機能的な雰囲気を演出しています。

搭載されたエンジンは、1.6L、1.8L、2.0Lと幅広いラインナップを設定。そして、トップグレードの「VR-4」には、直列4気筒ターボエンジンの「4G63」が搭載されました。

4G63エンジンは、当時最も高い出力(ネット値)となる205psを発生。その後も改良されるごとに出力を向上させ、後にランサーエボリューションに搭載されることになります。

そして1989年に6代目ギャランは、マイナーチェンジが施され、同時にギャランAMGをラインナップ。6代目ギャランは1992年まで製造・販売され、7代目へフルモデルチェンジされました。

出典:https://www.mitsubishi-motors.com/jp/company/history/car/index.html?intcid2=company-history-car

AMG(現:メルセデスAMG)とは?

AMGは、ドイツの高性能モデルを製造・販売するチューニングメーカーです。

かつては独立したチューナーでしたが、2014年にダイムラーの子会社となり、現在はメルセデス・ベンツのスポーツブランド「メルセデスAMG」となりました。

AMGは「One man-One engine」。つまり、1人の職人が最初から最後まで1基のエンジンを組み立てるという一貫した作りが特徴で、職人が組み立てるエンジンは、高い出力と鼓動と呼ぶにふさわしい太いエンジンサウンドを発生させます。

そんなAMGは、三菱とのコラボレーションにより誕生した「ギャランAMG」では、エンジンのチューニングのみならず、エクステリアやインテリアのデザインなども手掛けました。

ギャランAMGは、エクステリアにスポーティーなエアロパーツを装着し、インテリアに木目調パネルやレザーシートが装備されています。

出典:https://www.mitsubishi-motors.com/jp/company/history/car/index.html?intcid2=company-history-car

1989年のギャランAMGのスゴさは「エンジン」にあり!

三菱自動車とチューニングメーカーAMGの共同作である「ギャランAMG」のスゴさは、ずばりエンジンにあります。

ギャランAMGに搭載されるエンジンは、2.0L直列4気筒DOHC「4G63」の自然吸気で、ノーマル状態での最大出力は140psでしたが、AMGのチューニングにより170psにまでパワーアップされています。

ちなみに、エンジン出力を向上させる際に、三菱は「吸気効率」を上げることに重点を置いていましたが、AMGでは「排気効率」を上げることにこだわっています。

その理由は、排気効率を向上させることでサウンドが心地よくなり、性能も上がるという考えに基づいたもの。こうして生まれた4G63エンジンは、ノーマルよりも30ps出力が向上され、高回転まで回るエンジンに進化すると同時に心地よいサウンドを実現しています。

出典:https://www.mitsubishi-motors.com/jp/company/history/car/index.html?intcid2=company-history-car

当時の売れ行きと現在の流通台数について

三菱とAMGのコラボレーションにより誕生した「ギャランAMG」は、控えめながらもスポーティーなパーツが装着されたエクステリアや、レザーや木目調パネルを使った上質なインテリア、気持ちの良いサウンドの高回転エンジンを搭載したラグジュアリースポーツモデルです。

当時の「ギャランAMG」の価格は280万円~と、ベースグレードの2倍以上の価格が設定され、ギャランのトップグレード「VR-4」と同価格帯となっていました。

そのため、FF自然吸気エンジンが搭載された「ギャランAMG」は、四輪駆動ターボエンジン搭載の「VR-4」の影に隠れてしまい、販売台数が伸びないまま1992年に販売を終了してしまいます。

そして販売台数に伸び悩んだギャランAMGは、現在中古車で探しても、なかなか見つからないレア車となっています。

また、販売終了から年月が経過しているため、状態の良い車両は非常に希少な存在だと言えるでしょう。

まとめ

三菱とAMGのコラボレーションにより誕生したラグジュアリースポーティーセダン「ギャランAMG」は、目立つ存在ではなかったものの、AMGのこだわりが存分に詰まったエンジンフィールが気持ち良い希少モデルです。

現在、中古車市場に流通しているギャランAMGの数は非常に少なく、今後も希少価値が高くなっていくことは確実!手に入れたいなら、今が最後のチャンスかもしれません。

 

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