中古車価格が新車価格の倍以上!最高値500万~1,000万円になった1990年代以降の国産スポーツ、7台をご紹介します。
CONTENTS
- 7位:S15も程度が良いと新車価格の倍以上!S15シルビアスペックRが599万円!
- 6位:ほぼ新車の極上フルノーマルならS2000も740万円!
- 5位:初代インプレッサWRX STIの最終型バージョンVI極上車は750~769.9万円!
- 4位 ガレージ保管のEK9初代シビックタイプRは、ヘタなFK8より高価な798万円!
- 3位:プレミアはA80の専売特許じゃない!2代目A70スープラツインターボRが838万円!
- 2位:マツダ最後のロータリーターボFD3S型RX-7、最後の特別仕様車は888万円!
- 1位:初代インテグラタイプR DC2/DB8
- 希少な名車の値上がりは天井知らず!今回は1,000万円オーバー予備軍
7位:S15も程度が良いと新車価格の倍以上!S15シルビアスペックRが599万円!
トップバッターは、日産の2002年式S15シルビア スペックR。走行距離は1.5万kmおよび3.6万kmで、ワンオーナーの6MT車が、新車価格250.95万円に対し、中古車価格の最高値はナント599万円となっています!(いずれも税込価格。以下同じ。)
消費税が2002年だと5%、現在は10%と違いはあるものの、税別で考えてもブッチギリで、新車価格の倍!
S13(1990年式のK’sで418万円)や、S14(1996年式のK’sで333万円)もそれなりに高価ですが、維持まで考えるとタマ数豊富なS15が有利かつ、5ナンバーサイズでコンパクトなイメージと、動力性能(S14のK’s MF-Tを除けば最高の250馬力)といった点が評価されたのか、「今のうちによいタマを抑えておこう」という需要があるのかもしれません。
NAのスペックSなら100万を切る車もあり、スペックRでもノーマルにこだわらなければソコソコ安く買えるのですが、ワンオーナー、フルノーマル、走行少なめと好条件が揃った場合は500万円以上!
走行6万km以内でほぼノーマルくらいなら450万円以上と、かなり強気な価格設定となっています。
6位:ほぼ新車の極上フルノーマルならS2000も740万円!
新車販売当時はさほど高い評価が得られず、前期AP1(2リッターのF20C搭載)のマニアックな乗り味を改善すべく、後期AP2(2.2リッターのF22C搭載)でマイルドに改善されたとはいえ、それでも人気モデルとは言い難い販売台数で終わったS2000。
しかしどうやらホンダ最後のFRスポーツになりそうな事や、スポーツモデルとして考えた場合の純粋な魅力は間違いないところで、「事情があれば買いたかった」ユーザー向けか、はたまたJDMブームで右ハンドル車は海外需要があるという事なのか、走行わずか976kmの2000年式フルノーマルAP1が、新車価格354.9万円の倍以上となる740万円まで高騰しています。
平均的には2.2リッターで新しいAP2の方が、走行距離が少なめなら560~650万円程度と高値をつけるも、走行1,000km足らずのフルノーマルAP1という奇跡のようなコンディションが、とんでもないプレミアとなった原因のようです。
5位:初代インプレッサWRX STIの最終型バージョンVI極上車は750~769.9万円!
歴代インプレッサWRX STIおよび、後継のWRX STIを通してもっともブランド力が高いのは、やはりWRC(世界ラリー選手権)で抜群の活躍を見せ、三菱 ランサーエボリューションなどと並んで「WRC日本車黄金期」を作った初代インプレッサWRX STIでしょう。
今回別格のWRカーレプリカ「22B」(最高値3,300万円)を除いて最高値をつけたのは、2000年式のクーペWRXタイプR STIバージョンVIリミテッドで、走行6.6万kmながら新車価格319.1万円の倍以上となる、769.9万円となっています。
次いで同じ2000年式、走行4.8万kmのセダンWRXタイプRA STIバージョンVIリミテッドが新車価格の242.9万円に対し750万円で、新車価格からのプレミア幅はクーペのタイプRを上回りました。
インプレッサで他に高額車というと3代目GVBの「S206」(748万円)、初代GC8の「S201」(689.9万円)など、STIコンプリートモデルが並び、2代目GDBも最高額555万円とプレミアはついているものの、「WRCでの伝説的活躍と、当時の国内外モータースポーツからストリートまで、あらゆるジャンルで活躍したブランド力」が、大きくモノを言う結果となっています。
初代GC8についてはセダンWRXもそこそこ高値なものの、全般的にはWRカーのイメージが強く、とんでもないプレミアがついた22Bよりは買いやすい、クーペWRXタイプRの相場がかなり高めになっており、流通台数の少なさ(2021年5月時点で確認できたのはわずか4台)も、プレミアに拍車をかけているようで、最低でも342.8万円します。
セダンはS201、そしてWRX STIバージョン各型となっていますが、あまりこだわらないならWRX無印だとおおむね100万円台から購入できるため、形が好きというだけなら、安く購入する選択肢もありそうです。
4位 ガレージ保管のEK9初代シビックタイプRは、ヘタなFK8より高価な798万円!
史上もっとも安価で手軽なホンダのタイプRとして一斉を風靡したとはいえ、それだけに各種モータースポーツやストリートで酷使されたホンダEK9。
初代シビックタイプRは後年までワンオーナー、走行少なめのフルノーマルなど、程度良好車は少なく、そうでなくともウッカリ適当な保管をしていると、盗難被害にもあいやすい車です。
それだけに、数々の悪条件をクリアしたEK9にはプレミア価格がついており、それが走行6.2万kmとはいえガレージ保管されていて、ほぼフルノーマル。
コンディション最高なタイプR X(快適仕様フル装備型)ともなると、新車価格230.8万円の3倍以上!「798万円」という、とんでもないプレミアがついています。
ちなみに現行モデルで320馬力のVTECターボ搭載、世界最速FFの座をゴルフやメガーヌと争う「世界のタイプR」と呼ばれるFK8シビックの登録済み未使用車ですら、プレミアつきでも400万~600万円台が多いくらいで、程度良好なEK9のプレミア度は驚きのレベル!
ただし、この798万円の個体はやや別格すぎるようで、走行5~12万kmのEK9ならフルノーマルから車高調やマフラーなどを少しイジった程度だと、実際の相場は300~500万円くらいのため、若干のリスクを許容すれば、そこまで極端に高い車とは言えません。
それでも、EK9は今後相場が高騰すると、このくらいの価格はありえるという意味で、798万円の個体はひとつの参考と言え、300万円台なら「買っておくなら今のうち」と考えることもできます。
3位:プレミアはA80の専売特許じゃない!2代目A70スープラツインターボRが838万円!
A70スープラは1986年のデビューなので、「1990年代以降の車からノミネート」という今回の趣旨からは若干外れますが、最後のマイナーチェンジで3リッターターボ7M-GTEから、2.5リッターツインターボ1JZ-GTEへ更新されたJZA70型は、1990年8月デビューという事で、特別に組み込みました。
そんなJZA70スープラ、そしてA70系スープラ全体での最高値は、1992年式2.5GTツインターボRの、奇跡のような走行0.5万kmで、新車価格338.8万円の倍以上となる838万円を付けています。
JZA80のRZ系(3リッターツインターボの2JZ-GTE搭載)が程度良好なら1,000万円、極上車なら2,000万円オーバーなのには及びませんが、70スープラも極上車ならプレミアがつき、現行のGRスープラよりはるかに高額!
なお、70系全体で見ると2.0GTや同ツインターボ、2.5GTツインターボの難ありなら120~250万円で購入できますが、3.0GTターボや2.5GTツインターボ系、グループAホモロゲーションモデルの3.0GTターボAの程度良好車となると、さすがに300万円は下らず、極上車となると400万円以上と考えた方がよさそうです。
2位:マツダ最後のロータリーターボFD3S型RX-7、最後の特別仕様車は888万円!
最後の13Bロータリーターボ、マツダRX-7の最終モデルFD3Sは、1991年から2002年までの11年にわたり生産されており、初期モデルは当時の280馬力自主規制には及ばない255馬力から始まりました。
そのため、まだバブルの余波で景気がいいうちに買って大事に乗っていたのか、フルノーマルの初期型の中古車相場が、案外高めだったりします。
逆に1999年以降、ついに280馬力に達したモデルはチューニングベースなどで酷使されたためか思いのほか安いのですが、それだけに「最後の特別仕様車、スピリットR系の極上車」は超高額で、最強の2シーター版である2002年式スピリットタイプAなど、走行7.4万kmながらワンオーナーの極上車が、新車価格419.8万円の倍以上となる888万円!
それ以外のFD3Sでは、走行少なめ5万km程度以内のほぼフルノーマル車か、逆にチューニングカーが500万円以上の高値をつけており、次いで走行多めか初期型でも程度の良いものは400万円以上。修復ありや過走行など、難ありでも200万円台からとなっています。
他に「ASK(価格応談)」の個体もそれなりにあり、888万円を上回る高値をつける車が、中には含まれているかもしれません。
1位:初代インテグラタイプR DC2/DB8
さて、最後に紹介する新車価格の倍以上で、もっとも1,000万に近い最高値をつけた1990年代の国産スポーツは、新車価格229.5万円、2021年5月現在の最高値889.9万円と、実に4倍近いプレミアをつけた「1997年式ホンダDC2 インテグラタイプR 3ドアクーペ」です。
ワンオーナーでこそないものの、1999年以降、つまり新車時からのディーラー整備記録簿が存在する、大事に乗り継がれてきた1台で、走行1.6万kmの極上車。
EK9シビックタイプR同様に、盗難被害の多い車がこれだけの良コンディションで生き残ってきたのは、まさに驚異です。
次点で1999年式のワンオーナー、走行4.1万kmのガレージ保管車が539万円、その他程度良好車の相場は350~400万円台といったところですが、ほとんどは98スペックや00スペックで、初期の96スペックで極上車というのが、超絶プレミアの理由でしょう。
なお、4ドアのDB8は程度ソコソコまでの相場が150~260万円くらい、程度良好車でも最高値は389.8万円なので、モータースポーツでも現在は現役車両が少ないなど、4枚ドアが意外とハンデになっているのかもしれません。
DC2でも安い個体は150万~250万円程度からあるものの、ほとんどは過走行など、かなり酷使されており、それなりに程度のいい個体を求めるなら、250~480万円が相場となっています。
流通しているタマ数も50台を切っているため、300万円台で程度良好なら買いと言えるでしょう。
マトモに動けば、素晴らしいどころか極上の痛快な走りを存分に堪能できる車なだけに、今後も相場が上がる事こそあれ、下がる事はそうそうないと思われるため、後悔したくない方は、まだ現実的な価格のうちに買っておく事をオススメします。
希少な名車の値上がりは天井知らず!今回は1,000万円オーバー予備軍
今回は8台の「1990年代以降で新車価格の倍、500~1,000万円のプレミアつき国産中古スポーツ」を紹介しました。
他に1980年代の車でも、1984年式トヨタAE86カローラレビン/スプリンタートレノで500~586万円、1987年式日産F31レパードで770万円、1985年式Z31フェアレディZ 300ZXで698万円と、新車価格の倍以上、500万円オーバーの中古国産スポーツは多々あります。
1980年代以前の車は性能やブランド力の限界で、トヨタ2000GTなど一部の例外を除けば伸び代が少ないものの、1990年代以降の車なら「性能は最新の車に負けておらず、1990年代国産スポーツ黄金期に最強を誇った車たち」という事で、いずれは1,000万円オーバーの値札が付けられてもおかしくないでしょう。
近年は海外でのJDMブーム、国内でも1990年代国産スポーツブームが到来しています。
これほど軽量ハイパワーな車を2010年代以降に作るのは、だいぶ難しくなっているため、「かなり高くなったけど、あの頃の夢を実現したい、あるいは取り戻したい!」という方は、思い切った決断が必要な時期かもしれません。