2017年のジュネーブ・モーターショーで、まるでクラシックカーの世界からタイムスリップしてきたかの様な、1台のクルマがRUFから発表されました。その名は「RUF CTR 2017」。懐かしい930型ポルシェのルックスを纏うこのクルマ…実は驚くべきスペックを誇る、最新スーパーカーなのです。
RUF CTR”イエローバード”とは?
ポルシェ・チューナーの雄として、世界的に知られる「RUF オートモビル」。
ポルシェのモノコックを仕入れて一から組み上げることから、本国ドイツでは「自動車メーカー」としての正式認可を受けています。
そんなRUFが1987年に世に送り出したのが”イエローバード”の愛称で呼ばれる「RUF CTR」というクルマでした。
930型ポルシェ911カレラをベースに徹底したチューンが施され、ボアアップされた3.3L SOHCフラット6にはツインターボを搭載、500psを超えるパワーを発生します。
運動性能は当時の世界記録車だったフェラーリ・F40を上回る339km/hを達成しています。
また、ノーマル然としたフォルムからは、RUFを率いるアロイス・ルーフJr.のポルシェに対する敬意が犇々と伝わってきます。
そして、その精神は今も変わることはなく、RUFはポルシェ公認のハイパフォーマンス・カーとしての地位を不動のものにしてきました。
イエローバード再び。「RUF CTR 2017」 デビュー
そんなRUFが、ジュネーブ・モーターショーで初の”完全オリジナル・シャシー”による市販車を発表しました。
その名は「RUF CTR 2017」。
930型ポルシェとほぼ同一のフォルムを与えられたこのクルマ、実は最新スペックの驚くべきスーパーカーなのです。
あくまでポルシェ製のシャシーをベースに使用してきたRUFですが、これまでのノウハウを生かし遂にオリジナルのカーボン・モノコックシャシーを開発したのです。
これはRR(リアエンジン・リアドライブ)では世界初の試みでもあります。
更に、前後のサスペンションはプッシュロッド式のダブルウィッシュボーンを採用!
ボディシェルもすべてカーボンファイバーで作られており、車重はわずか1200kgに抑えられているのです。
レーシング・ポルシェ所縁の「メッツガー・エンジン」
注目のエンジンは、ポルシェ社内で伝説のエンジニアとして名を残すハンス・メッツガーが開発した通称「メッツガー・エンジン」を採用しています。
水冷3.6L DOHCフラット6をツインターボで過給するこのエンジンは、996型以降のGT3に搭載されていたものがベースとなっていて、これは911 GT1や962といったレースカーに採用された水冷シリンダーがルーツとなっているのです。
加えてパワートレインは、スパルタンなデュアル・クラッチ6速MTを採用。
出力は実に710psを誇り、0-100km/h加速はわずか3.5秒、最高スピードは360km/hというパフォーマンスを発揮する驚愕の性能となっています。
まとめ
今のところわずか30台の限定生産で、価格は日本円で9000万円ほど。
最新のテクノロジーで固めつつ、サイズ感含め隅々までその伝統のフォルムを再現する事は容易ではありません。
アフターマーケットの世界的ブームとも言えそうなヴィンテージ・リバイバルに、RUFが放った新たな”黄色い怪鳥”が大きな影響を与えることは、間違いないのではないでしょうか。
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