古今東西、クルマやバイクのヘッドライトには様々なデザインがあります。特に点灯時のみポップアップするリトラクタブル・ヘッドランプは、空気抵抗にシビアなスーパーカーならではの特徴で、1990年頃までは憧れの的でした。今回はその中から予想外の動きにビックリさせられる、変わりダネたちを集めてみました。
アルファロメオ・モントリオール
まずご紹介するのは、ベルトーネ在籍時のマルチェロ・ガンディー二によってスタイリングされた、アルファロメオの野心作「モントリオール」です。
このクルマのライトの上にはスリットの入ったグリルが付いています。なんだか眠たそうな表情。
ところが、ライトをオンにすると…
おやおやおや?
なんと、ライトの下にグルっと回り込んでグリルが隠れてしまうのです。
サラリーマンの初任給が4万円程だった時代に、車体価格770万円というスーパーカー!
性能面での効果は謎ですが、男心をくすぐるギミックです。
GSX750S3 KATANA
1980年にデビューした初代 「KATANA」の3年後、スズキによる自社デザインで送り出された後継モデルがGSX750S3、通称「Ⅲ型KATANA」でした。
バイク史上初のリトラクタブルヘッドライトを採用しており、OFFの状態は空気抵抗が良さそうです。
残念ながら、現在は二輪車の法律で「ヘッドライトの常点灯」が義務付けられている為、2度と世に現れる事のないデザインとなってしまいました。
オーナーは故障に泣かされる事が多いとの噂もありますが、今も尚カルト的な支持を受け続けている名車です。
コード812スーパーチャージャー (1973年式)
自動車産業の黎明期、実業家エレット・ロバン・コードが1937年世に送り出した「コード・812」。
水冷4.7L V8ユニットをスーパーチャージャーで加給し、170馬力を発生する高性能車でした。
このクルマのチャームポイントは、当時としては先進的なリトラクタブルヘッドライトの採用です。
といっても、モーターではなくなんと手動! 彼が持っているハンドルを回すと…
ギコギコとライトが回転しながら出現する、という仕組みとなっているのです。
オペル・GT
ドイツのアダム・オペル社が1968年から5年の間生産していたスポーツカー、「オペル・GT」。
排気量ごとに1900GTと1100GTの二つのバリエーションが存在し、主にアメリカ市場で人気を博しました。
そしてこのヘッドライトは、完全に常識をぶち壊す動き方をするのです。
「ガポン」という音と共に、まさかの高速・横回転!
この間、コンマ0.2秒ほどで、しかも手動です!
このクルマは、当時トヨタ・2000GT並の価格で販売されていた様で、動画の中で語られる、オーナーの「三越で買った」というエピソードにも興味深々です…。
チゼータV16t
最後にご紹介するのは、知る人ぞ知る幻のスーパーカー「チゼータ V16T」。
この車は、80年代を代表するテクノ音楽家・ジョルジオ・モルダーと、ランボルギーニ出身のクラウディオ・ザンポーリが設立した「チゼータ」唯一の市販車なのです。
またしてもガンディーニによるスタイリングに、前代未聞の巨大な6L V型16気筒エンジンを横置きで搭載!
ライトをONにすると、なんと4つのリトラクタブルライトが前方を睨みつけるのです。
目の錯覚かのような強烈なインパクト…なんだか妖怪のようにも見えませんか?
ちなみにこのV16Tは、ディアブロの廃案になったデザインを流用したとも言われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
HIDなどの高輝度ランプが無かった時代には、空気抵抗と照度の高さを両立する数少ない方法がリトラクタブル化でした。
さらに個性を際立たせる為、様々なデザインが生まれたのです。
まだまだ見渡せば多く存在する、面白いヘッドライトを持ったクルマたち。
LEDを巧みに使用した近年のクルマにも驚きのものがあるので、折を見てご紹介したいと思います!
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