シボレーコルベットはアメリカンスポーツカーの代表的なモデルであり、その中でもスポーツカーとしてのスタイルに磨きがかかったのは3代目モデルの『C3』からでした。シャシーやエンジンは2代目モデルからのキャリーオーバーですが、コーラのボトルのような流線型にクビレたSEXYボディに惚れ込む方が続出。誰もが憧れるアメリカンスポーツカーに進化しました。そんなコルベットC3の誕生秘話や魅力などをご紹介します。
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シリーズ最大ヒットを記録したシボレーコルベットC3とは
シボレーコルベットC3は、コルベットが誕生してから3代目モデルであり、1968~1982年まで製造販売されていました。
発売初年度の車両価格は4,663ドルでしたが、様々な進化を経て最終型1982年モデルでは18,290ドルにまで高騰。
それでもその年に25,407台販売し、C3が生産された期間の累計は542,741台!
コルベットシリーズの中で最も売り上げたモデルです。
ベースモデルとなったMako Shark IIコンセプト
The 1965 Corvette Mako Shark II by GM Styling. pic.twitter.com/4PAjtxbORS
— Peter DeLorenzo (@PeterMDeLorenzo) 2018年4月18日
コルベットC3はビル・ミッチェル氏と日系アメリカ人のラリー・シノダ氏が設計し、1965年に行われたニューヨーク国際オートショーで発表されたコンセプトカー『Mako Shark II』を実車化したものです。
ボンネットが車体の約半分を占め、エンジンは前輪より後ろに搭載。
フロントミッドシップ化されたことによりスポーツカーとしての運動性能は高く、販売後は数々のレースに出場していました。
エンジン&シャシーは2代目からキャリーオーバー
エンジンとシャシーは2代目モデルのものがそのまま使用され、オプションで用意されたさまざまなエンジンも2代目モデルと共通です。
それでも、足回りはC3で新搭載となった4輪独立サスペンションとディスクブレーキが採用され、トランスミッションにトルク増幅作用で発進や変速を行う『ターボハイドラマチック』がオプションで選択可能。
これにより、販売されたコルベットC3の多くがオートマチックトランスミッションであり、現在売られている中古車でマニュアルトランスミッションを搭載したものはほぼありません。
1968年コルベットC3に用意されたエンジン
モデル | エンジン | 排気量(cc) | 最高出力(kW[PS]) | 最大トルク(N・m[lb-ft]) |
---|---|---|---|---|
327 V8 Turbo-Fire 300hp | V8 | 5,354 | 223[304] | 488[360] |
327 V8 Turbo-Fire 350hp | V8 | 5,354 | 261[355] | 488[360] |
427 V8 Turbo-Jet 390hp | V8 | 6,996 | 291[396] | 624[460] |
427 V8 Turbo-Jet 400hp | V8 | 6,996 | 204[298] | 624[460] |
427 V8 Turbo-Jet 435hp L71 | V8 | 6,996 | 324[441] | 624[460] |
427 V8 Turbo-Jet 435hp L89 | V8 | 6,996 | 324[441] | 624[460] |
変わりゆく規制に対応してきたシボレーコルベットC3
シボレーコルベットがデビューした1968年モデルは、ベースモデルの排気量が5,358ccでしたが、翌1969年に5,735ccに変更。
オプションにワークス・ストックカー用エンジン『L88』を搭載したZL1が登場し、カタログスペックで430馬力とされていましたが、これはレースガソリン以外で走らせることができない本格レースエンジンだったため、実際は500馬力あるといわれています。
また、1971年にマスキー法が施行されたことにより、ハイオクガソリンからレギュラーガソリン対応に変更。
3元触媒が取り付けられたことで、標準モデルが300馬力から270馬力にパワーダウン。
1973年はさらに規制が厳しくなり、燃費改善と排ガス規制をクリアするために180馬力までパワーが抑えられました。
ちなみに、コルベットC3の特徴でもあったアイアンバンパーが取り外されたのもこの年です。
1978年コルベットC3初となるマイナーチェンジ
1978年はコルベットC3で初めてマイナーチェンジされ、5マイルバンパーが搭載されました。
5マイルバンパーとは、時速5マイル(約8km/h)以下で衝突した際にバンパーが衝撃を吸収して車両に大きな損傷が及ばないというものです。
また、リアウィンドウを大きなワンピースのものに変更。
内装はタコメーター・スピードメーターなどの配置デザインを『エアークラフト スタイル(aircraft styled)』にし、スピードパネルやセンターコンソールのデザインが一新されました。
そして1980年には前後バンパーに大きなエアダクトが設けられ、翌1981年は生産工場をセントルイス工場からボーリンググリーン工場へ移管。
コルベットC3最後の年となる1982年は、すべてのモデルがキャブレーションからインジェクションに変更されました。
ル・マン最速の速度を記録したシボレーコルベットC3のモータースポーツ
コルベットC3は歴代コルベットの中で最も長く販売され、多くのレーシングチームがコルベットC3でカーレースにチャンレジしています。
そしてセブリング12時間耐久やル・マン24時間耐久など有名レースにも多くのコルベットC3が出場していましたが、当時ポルシェやジャガー、フォードといった有力メーカーが上位を占めてなかなか結果を出すことができず、上位入賞はあっても優勝や表彰台獲得までには至りませんでした。
それでも直線での速さは他を圧倒し、1976年のル・マン24時間耐久レースではJohn Greenwood氏がドライブするコルベットC3が時速362キロを記録。
多くのレースファンを驚かせました。
シボレーコルベットC3のスペック
1968年コルベットスティングレイ327 V-8 Turbo-Fire 300-hpのスペック
1968年コルベットスティングレイ 327 V-8 Turbo-Fire 300-hp |
|
---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 4,625×1,758×1,217 |
ホイールベース(mm) | 2,489 |
乾燥重量(kg) | 1,393 |
乗車定員(名) | 2 |
エンジン種類 | V型8気筒OHV16バルブ |
排気量(cc) | 5,354 |
最高出力(kW[PS]) | 223.5[304] |
最大トルク(N・m[kgf・m]) | 488[49.7] |
トランスミッション | 3速MT、4速MT、3速AT |
駆動方式 | FR |
1968年コルベットスティングレイ327 V-8 Turbo-Fire 300-hpの性能
最高速度(km/h) | 209 | |
0-100m 加速性能(秒) | 7 | |
燃費(km/ℓ) ※カタログ表示 |
街乗り | 3.6~4.3 |
高速道路 | 5.4~6.5 | |
平均 | 5.3 |
シボレーコルベットC3の中古車価格は
中古c3コルベット pic.twitter.com/wUdhTRr2Od
— ワタル@睡眠不足 (@8ttXs) 2016年1月6日
シボレーコルベットC3の中古車相場価格は200~600万円とされていますが、状態の良いものや人気のモデルではそれ以上の価格または『応談』というタグがつけられています。
特にアイアンバンパーが装着された1972年以前のモデルが人気があり、500万円以上するものも多々ですが、生産終了から35年以上が経っているため旧車の域に達しており、大排気量エンジン搭載のためナンバーを取得すれば自動車税がかなり高額になり、安価で購入しても多額なレストア費用がかかることもあるので、購入する際はきっちりと計画をたてる事をおススメします。
まとめ
コルベットC3のクビレたボディーラインを持つ流線型スタイルは、当時の自動車市場において唯一無二の存在でした。
また、1970年代前半にマスキー法が施行されたことで多くのアメ車が生産終了となりますが、それでもコルベットは排ガス規制を乗り越えて生産を継続。
コルベットC3が登場しなければ、現在コルベットはなかったでしょう。
C3はそれだけ偉大な車であり、アメリカンスポーツカーの象徴ともいえる存在だったことは言うまでもありません。
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