シボレーのロングセラー車種・カマロの3代目モデルは、2代目から一気にデザイン変更され、運動性能が飛躍的に向上。ポニーカーと呼ばれていた時代から人気を維持し続け、レースでの活躍も顕著でした。そんな3代目カマロの魅力やモータースポーツでの活躍、現在の中古車など、気になるところを一気にご紹介します。
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鉄仮面マスクが特徴のシボレー・3代目カマロとは
シボレー・3代目カマロは、GMが販売するシボレー・カマロの中で1982~1992年の間に生産・販売されたモデルです。
2代目モデルから全長で205mm、全幅で30mm、全高で15mm縮小されましたが、長いフロントノーズに大排気量V型8気筒OHVエンジンを搭載し、ヘッドランプは鉄仮面を思わせるデザインのアメ車らしいボリューム感あるクーペでした。
シャシーは、GMのFボディプラットフォームを使用。
Fボディプラットフォームとは、1967年に登場した初代カマロと姉妹車ポンティアック・ファイヤーバードから4代目カマロ(~2002年)まで使用された共通のフレームです。
もちろん、同時期に登場したポンティアック3代目ファイヤーブレードは姉妹車であり基本的な車体構造はほとんど同じですが、リトラクタブル・ヘッドランプを装備し、3.8リッターV型6気筒ターボエンジンを搭載したモデルもありました。
それに対して3代目カマロはエンジンがバラエティーに富んでおり、2.5リッター直4、2.8リッター直4、2.8リッターV6、3.1リッターV6、5.0リッターV8、5.7リッターV8エンジンをラインナップ。
トランスミッションは3速/4速ATと4/5速MTがあり、ボディタイプは3ドアクーペと2ドアコンバーチブルから選択可能。
カマロに直列4気筒エンジンを搭載したのは3代目モデルからで、かなりお買い得で購入しやすい価格設定となっていました。
また、発売された初年度1982年にはアメリカで約17万3,000台も販売され、そのうち搭載エンジンの割合とみると、直4で12%、V6で37%、V8で51%と、比較的購入しやすかった直4エンジン搭載モデルの人気はそれ程高くなかったようです。
ちなみに3代目カマロは『スポーツクーペ』、『ベルリネッタ』、『Z28』の3モデルがラインナップされており、1986年にベルリネッタは販売終了となりました。
そして、ベルリネッタが販売終了となる直前の1985年には『IROC-Z』が登場。
これはアメリカ全土からさまざまなレースのトップドライバーを招いて行われる『International Race of Champions』から称された最上級スポーツモデルであり、1985~1989年の間に行われたIROCレースの車両には、3代目カマロが使用されていました。
1987年からはスポーツクーペモデルの直4エンジン搭載車が廃止され、1989年モデルからは『スポーツクーペ』が『RS』へと名称変更。
屋根部分のルーフパネルの中央を細く残して、左右ルーフが取り外し可能なTバールーフも登場しています。
3代目カマロはハイウェイパトカーとして採用されていた
1991年から法執行機関や行政機関向けの『B4C”Special Service”』オプションが用意され、このオプションを搭載したカマロの約600台がアメリカ政府へデリバリーされました。
そして、この多くはパトカーとして使用され、特に高速パトロール向けのハイウェイパトカーとして活躍しています。
シボレー・3代目カマロのモータースポーツでの活躍
3代目カマロは、カマロシリーズのなかでレースでの活躍が顕著なモデルです。
その実力は、初代と2代目に比べて飛躍的にポテンシャルが上がったことにより、IROCレースのストックカーとして採用されたほど。
また、レーシングチーム『Peerless Racing』は、シボレーの全面サポートを受け、3代目カマロでアメリカ国内のメジャーレースに参戦。
Jack Baldwin氏のドライブによりIMSA GTOクラスで1986年シーズンを3位、1987年シーズンで4位を獲得し、2シーズンの中で5回の優勝と3回の2位を獲得しました。
そして1986年、北米地区で行われる自動車レース選手権『Trans-Am Series』の1986年シーズンは、Wally Dallenbach Jr.氏が3代目カマロをベースにしたプロトタイプカーでシリーズ優勝を獲得しています。
他にも1983年、デイトナ24時間で総合6位とIMSA・GTOクラス優勝。
1984年のセブリング12時間では、総合8位とIMSA・GTOクラス優勝を獲得するなど、1982年以降のアメリカの自動車レースでは、多くのドライバーが3代目カマロで参戦し輝かしい成績を残してきました。
シボレー・3代目カマロのスペック
1982年モデル シボレー・カマロ スポーツクーペのスペック
スポーツクーペ2.5L TBI | スポーツクーペ2.8L V-6 | スポーツクーペ5.0L V-8 | |
---|---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 4,770×1,849×1,270 | 4,770×1,849×1,270 | 4,770×1,849×1,270 |
ホイールベース(mm) | 2,565 | 2,565 | 2,565 |
乗車定員(名) | 4 | 4 | 4 |
車重(kg) | 1,295 | 1,329 | 1,410 |
エンジン種類 ※( )内はエンジン製造名 |
直列4気筒OHV8バルブ (GM Pontiac 2.5L “Iron Duke”) |
V型6気筒OHV12バルブ (GM Chevrolet 2.8-Litre V-6) |
V型8気筒OHV16バルブ (GM Chevrolet Small-Block V-8 305) |
排気量(cc) | 2,471 | 2,838 | 5,001 |
最高出力(kW[PS]) | 67[91] | 76[103] | 108[147] |
最大トルク(N・m[kgf-m]) | 179[18.2] | 193[19.6] | 325[33.1] |
トランスミッション | 4速MT/3速AT | 4速MT/3速AT | 3速AT |
駆動方式 | FR | FR | FR |
3代目カマロの中古車価格相場
3代目カマロが新車販売されていた当時、ヤナセが5.0~5.7リッターV8エンジン搭載のモデルを輸入し国内販売していました。
そのため、販売されている中古車の多くが1989~1992年のモデルで、価格は『スポーツクーペRS』『Z28』『IROC-Z』の順番で高くなっていきますが、中古車価格相場は50~250万円とそこまで高額ではありません。
しかし実際に乗るとなれば、年間の自動車税が101,100円(6,000cc以下・13年経過)と整備費を考えれば、維持費が相当高額になることを念頭に置くことが必要です。
まとめ
3代目カマロは2代目からデザインを一気に変更し、エンジンの小型化を試みてカマロで初めて直4エンジンを搭載したことで、シボレーにとってチャレンジングな設計変更がなされました。
発売当時、鉄仮面のフロントマスクに憧れて購入したユーザーは多く、現在も3代目カマロのファンは少なくありません。
そんな、3代目カマロはアメリカンスポーツカーの歴史に残る名車といえるでしょう。
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