1980年代のクルマのトレンドといえば、クーペやセダンなど硬派なイメージで、現在のようにSUVやミニバンは少数派。プレリュードやソアラなど、デートカーと呼ばれたクルマが若者の間で流行した時代です。ここではそんな1980年に売れていたクルマ5台をピックアップして紹介します。
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個性派揃いの1980年代登場のクルマたち
1980年代は、日本が昭和から平成へと変わり、高度経済成長からバブル景気に突入した激動の時代でした。
国産車の輸出が進み、メーカーは海外販売モデルを現地で生産するようになったことで、巨大市場であるアメリカでの販売数を急速に伸ばしていきます。
そして1980年(昭和55年)には、日本の自動車生産台数が世界ナンバー1となりますが、同時にアメリカとの間に貿易摩擦を引き起こすに至りました。
一方で、日本では一家に一台クルマを保有することが一般化されるようになり、多くの幹線道路や高速道路が整備され、多種多彩なクルマが登場してたことで、日本のモータリゼーションは大きく変わっていきました。
そんなときに生まれたクルマは、かなり個性派揃い。
スポーツカーは高性能化が一気に進み、ハッチバックやコンパクトカー、軽自動車でもスポーツ走行を楽しめるモデルが誕生。
そして、パジェロが登場したことでSUVの人気も徐々に高まって、新しいクルマの楽しさを切り引いていきました。
1980年代に売れていたクルマたち
第5位:トヨタ・コロナ
1980年代に生産されたコロナは6代目T130型(1978~1982年)、7代目T140型(1982年~1987年)、8代目T150/160型(1983年~1987年)の3モデル。
このなかで、T150/T160は累計65万5,185台を売り上げ、歴代コロナの中で一番売れたモデルです。
また、T140とT150/T160は同時進行で販売された期間があり、T140でFFだった仕様がT150/T160でFRへと代わり、トヨタのミドルセダンがFFへ変わっていった先駆けでもありました。
第4位:日産・サニー
サニーは日産が生産する最小排気量クラスの主力車種として、高度経済成長期からバブル経済期までのベストセラーカーとなったモデルです。
サニーがトヨタ カローラと同年に発売されたことで、CS戦争が巻き起こりました。
CS戦争は、Cがカローラ、Sがサニーを表し、二台間の販売競争は後に『日産vsトヨタ』の競争へと発展した流れを表しています。
1980年代に生産されたサニーは、4代目B310型(1977~1983年)、5代目B11型(1981年~1985年)、6代目T12型(1985年~1990年)の3モデル。
T12型はサニー初のDOHCエンジン搭載グレード『Super Saloon TWINCAM』、『306 TWINCAM NISMO』、『TWINCAM Type A/ TWINCAM Type B』、『TWINCAM NISMO』が設定され、NISMO仕様のスポーティーな仕様は、サニーをスポーツカーとしたことで、強烈なインパクトを産みました。
第3位:ホンダ・シビック
1980年代に生産されたホンダ シビックは、2代目モデルの『スーパーシビック』(SL/SS/SR/ST/VC/WD型|1979~1983年)、3代目モデルの『ワンダーシビック』(AG/AH/AJ/AK/AT型|1983~1987年)、4代目モデルの『グランドシビック』(EF型|1987~1991年)でした。
この中で、ワンダーシビックとグランドシビックは全日本ツーリングカー選手権に出場し、高いスポーツ性能を発揮したことで若者から高い人気を集め、サーキットや峠ではかなりの台数のシビックが走っていました。
中でもスーパーシビックは、ホンダで初めてカーオブザイヤーを受賞したモデルで、シビックの歴史的な1台です。
第2位:ホンダ・シティ
ホンダ シティは若者をターゲットにしたコンパクトカーで、月間販売台数1.6万台以上を記録した大ヒットモデルです。
ちなみに、シティと同時発表同時発売された原付バイク『モトコンポ』は、シティのトランクルームに詰めるというコンセプトでシティと並行して開発された、非常にユニークなモデルでした。
1980年代に生産されたモデルは初代モデルのAA/VF型(1981~1986年)、2代目のGA1/2型(1986~1994年)。
初代モデルで設定された『シティー ターボ』は軽自動車よりもボディサイズが小さいにもかかわらず100馬力を発揮し、ミニマムスポーツの中では相当過激なスペックでした。
第1位:トヨタ・カローラ
1980年代の販売数ナンバーワンは、世界で最も売れているクルマであるカローラでした。
1980年代に生産されたカローラは、4代目モデルのE7#型(1979年 – 1987年)、5代目のE8#型(1983~1987年)、6代目のE9#型(1987年~1991年)です。(#はモデルによって数字が異なる)
カローラといえば、カローラレビンだったAE86やAE92も登場し、大衆車からスポーツカーまで数々の名車を生み出してきました。
特に5代目モデルのデザインは、ジウジアーロが担当したことや、カローラ初のデジタルメーター 『オートドライブ』を搭載したことで、歴代カローラのなかでも革新的なモデルです。
まとめ
1980年代に流行ったクルマを振り返ると、1965年~1969年生まれたバブル世代がスーパーカーブームを経て、クルマに興味を持ったまま免許を取得した時代だったため、若者の間ではスポーツカーは花形でした。
しかし、とびっきりのスポーツカーは高くて手が出せなかったため、メーカーは安価で就職したばかりの20代前半層でも購入できるクルマを開発。
カローラやサニーといった、いかにも大衆車というイメージのモデルでも、派生モデルとしてスポーツモデルが続々と登場し、デートや買い物もできて、速いクルマというのがユーザーからウケた時代でした。
それはSUVやミニバンが主力モデルになりつつある現在と比較すると、クルマ好きにとって羨ましい時代だったかもしれません。
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