2019年に登場予定の新型のBMW 1シリーズは、なんと駆動方式をFFに大変更!Cセグメント5ドアハッチバックは、VWゴルフが筆頭となっている激戦クラス。これまでFRを15年間貫いてきたのに、なぜ、ここにきてFFに踏み切ったのか?FRを手放した1シリーズが、今までのユーザーを納得させることができるのか。気になって仕方ありません。

出典:https://www.press.bmwgroup.com/global/article/detail/T0293686EN/the-new-bmw-1-series:-final-test-phase-in-miramas

 

FFに踏み切ったBMW新型1シリーズ!ライバルは強敵揃いだぞ

2019年に入り、世界各国のCセグメント5ドアハッチバッククラスが続々とモデルチェンジを果たしています。

まず、4代目モデルとなる新型マツダ3(日本モデル名:アクセラ)が発売を控え、プジョーは2019年3月にマイナーチェンジした新型306アリュールを発売。

そして、このクラスの王者であるVWゴルフも、8代目モデルへとフルモデルチェンジを控えています。

これまでのBMW1シリーズは、Cセグメント 5ドアハッチバックでありながら、このクラスでは稀なFRレイアウトを採用。

BMWとしてもFRレイアウトを貫くことで、キャッチコピーである”駆け抜ける喜び”を実現させてきましたが、今回のフルモデルチェンジでは、FFに変更されることが決定。

VW ゴルフと正真正銘の同じ土俵に立つわけです。

とはいえ、FFになってしまったら、BMW 1シリーズではなくなると思うユーザーもいるかもしれません。

しかし、すでにプロトタイプを試乗車にしたプレス向け試乗会が行われており、レビューを見てみるとFFとなった次期1シリーズは、自動車ジャーナリストが唸るほどの出来栄えのようです。

 

BMW新型1シリーズには新開発のFAARプラットフォーム採用

出典:https://www.press.bmwgroup.com/global/article/detail/T0293686EN/the-new-bmw-1-series:-final-test-phase-in-miramas

BMWは、2シリーズ アクティブツアラーやミニに搭載されるFF専用のUKLプラットフォームを持っていますが、新型1シリーズには新たに開発されたFF専用のFAARプラットフォームが搭載されます。

実は、今後MINIや2シリーズ アクティブツアラーもFAARへ移行し、2021年以降はUKL搭載モデルを生産終了にする予定です。

BMWがこれほどFFに力を入れようとしている理由は、何なのか?

考えられる点としては、BMWは中国の長城汽車と50/50のジョイントベンチャー企業を設立しており、本格的な中国進出をするために、新FFプラットフォームをベースにプラグインハイブリッドやEVの開発に本腰を入れている事です。

1シリーズはBMWにとってはエントリーモデルであっても、Cセグメントクラスとしては全然売れていない実情があります。

このクラスで一番売れているのはVW ゴルフ。
そしてシュコダ オクティバ、オペル アストラ、フォード フォーカスと続き、Cセグメントの販売数ランキングにおいて、1シリーズは実はトップ10内にもランキングされていないのです。

VW ゴルフは、年間50万台も売れるモデルであるため、BMWも中国進出を本格化したいのであれば強力なグローバルカーが必要になり、FF開発に力を入れて、1シリーズを新世代グローバルカーとして生まれ変わらせたかったのだと考えられます。

 

カモフラージュ化された外装&内装でもFF化された特徴を多数発見

FAARプラットフォームを採用したことで、Aピラーが前進したショートノーズ&ロングルーフとなり、ルーフは後方に向けてなだらかに下降しています。

また、ボディサイズの詳細は公開されていませんが、正面から見たときに従来モデルよりワイド&ローボディ化されているようにも見え、キドニーグリルは3シリーズと同様に従来より大型化されています。

そして内装は、カモフラージュがなされて詳細な画像はありませんが、公式発表によると後部座席の足元が33mm、ヘッドスペースが19mm延長され、ラゲッジスペースは現行モデルから20リッターアップの380リッターの容量を確保しています。

現行1シリーズでは、FRであるがゆえにプロペラシャフトや後輪用デフの為のスペースを確保するとなると、後部座席がタイトになるのは仕方がなかったのですが、FF化の恩恵を得て、広い空間を実現できました。

 

最新式のトラコン『ARB』がFRのようなハンドリングを実現

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新型1シリーズには『ARB』と呼ばれる最新式のトラクションコントロールが搭載されます。

BMWがFFの常識を覆そうと意気込んで開発したARB。
前輪のスリップを検知すると、従来のようにセントラルコンピュータを介さずに直接ECUに指令を与えることで、今までより10倍の速さでエンジンパワーを制御させる仕組みになっています。

駆動軸であるフロントタイヤのスリップを抑制し、DSCオフの状態でもFF特有のパワーアンダーステアを抑えてくれるので、最適なトラクションを提供し路面からのインフォメーションもリニアに伝わってきます。

ARBの恩恵は、FFなのにリアタイヤが滑り出すほどとされており、BMWらしいドライビングフォールが期待できる進化ではないでしょうか。

 

新開発の直4ツインターボエンジンは306馬力を発揮

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エンジンには、強化クランクシャフトや新型ピストンを採用した、新型2.0リッター直列4気筒ツインターボエンジンを搭載。

BMW M135i xDriveでは、最高出力225kW[306hp]を発揮します。

それでいて燃費性能は7.1~6.8リッター/100km(リッターあたり14.0~14.7km)を達成。

そのほかのエンジンに関しては情報が公開されていませんが、プレス向け試乗会では118iと120d xDriveが用意されているため、ガソリンエンジンでは1.5リッター直列3気筒DOHCターボと1.6リッター直列4気筒DOHCターボ、ディーゼルエンジンでは2.0リッター直列4気筒DOHCターボが設定されると予想されます。

 

まとめ

最後に、新型3シリーズにも採用されたBMWオペレーティングシステム7.0を搭載し、画面上でのジェスチャーコントロールや音声での支持やシステムの操作が可能となる、BMW独自の運転支援テクノロジー『BMW Personal CoPilot』も搭載されます。

また、FFプラットフォームになったことで、VW ゴルフ同様に1シリーズをベースにしたプラグインハイブリッドやEVも今後開発されると考えられ、BMW史上初の本格派FFスポーツは、さまざまなモデルを生み出すかもしれません。

そして、駆け抜ける喜びをユーザーが体感できる新型1シリーズになってくれることに期待したいと思います。

発売日は2019年9月が有力視されており、9月といえばBMWのお膝元になるフランクフルトモーターショーが控えているため、カモフラージュを脱いだ新型1シリーズがドイツ本国でお目見えするかもしれません。

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