イタリアの企業、ピニンファリーナがデザインを手掛けたことで有名なプジョー05世代の車達。一方のプジョー06世代のはピニンファリーナがスタイリングを担当した、最後のシリーズだと言われています。これらプジョー06世代の車の魅力は、一体どこにあるのでしょうか。今回はプジョー06世代の車をご紹介します。

プジョー・206

プジョー 206XT1.6 / Photo by RL GNZLZ

205の後継車として登場したのが、プジョー206です。

1998年のパリサロンで発表されたこの車は、ピニンファリーナがデザインを手がけた先代の205とは違い、社内のデザインチームがデザインを担当。

日本国内では手頃な価格とオシャレなイメージで人気を博し、2000年の年間販売台数は、1万台以上を叩き出す大ヒットモデルとなります。

当初日本では、 1.4リッターSOHCエンジン搭載のXTと、1.6リッターのSOHCエンジン搭載のXSとXTプレミアムがラインナップされ、このうち 1.4リッターモデルにのみ4速ATが設定されました。

その後2001年の6月には、1.6リッターモデルをSOHCからDOHCエンジンに変更。こちらにも4速AT仕様を加え、装備を充実させます。

そして、元々の旋回時の挙動の良さや、DOHC化によってエンジンがパワーアップしたこともあり、206は乗っていて運転が楽しくなる車として定評を得ます。

また、4速AT仕様のXTプレミアムは、この車のトルクが最も感じられる3000回転付近をキープしつつ軽快に走れるという、意外な特徴を持っていました。

この206にはWRC参戦を見据えたホモロゲーションモデル206GTが設定され、4000台を生産。日本国内では、50台が販売されています。

そんな206の販売は2012年まで続く、息の長いシリーズとなりました。

プジョー 206XTプレミアム 主要諸元
●全長×全幅×全高:3835×1670×1440mm
●ホイールベース:2440mm
●車両重量:1100kg
●エンジン形式:直4・4バルブDOHC 横置きFF
●排気量:1587cc
●最高出力:80kW(108ps)/5800rpm
●最大トルク:147Nm(15.0kgm)/4000rpm
●トランスミッション:電子制御4速AT
●タイヤ:185/65R14
●車両価格(当時):199万5000円

引用元:【懐かしの輸入車 14】新エンジン搭載のプジョー 206はフレンチ コンパクトらしい走りがさらに楽しくなった|Webモーターマガジン

プジョー・106

プジョー106 XSi(前期) / Photo by peterolthof

マイナーチェンジ前のプジョー 106ラリー、日本における通称”テンサン・ラリー/ Photo by Spanish Coches

フランス本国で1991年に登場した106は、1996年のマイナーチェンジ後に日本国内へと輸入されました。

欧州市場での206は、排気量やドア数などの異なるモデルが多数販売されていましたが、日本で販売されたのは3ドアに1600ccDOHCエンジンを搭載した106S16。

通常、日本向けモデルは右ハンドルが原則ですが、その設計上、右ハンドルにするとカーエアコンが装備できなくなるという問題があり、それを回避するために左ハンドルのまま日本に輸入されました。

そういった事情から正規販売モデルは少なかったものの、軽量コンパクトなボディによってコーナリング性能が高く、格上相手でも勝負できるポテンシャルを秘めた1台です。

また、トランクルームが広く、分割式リアシートを倒せばフルフラット状態になるので、小柄なボディからは想像できないほどの、積載スペースが確保できます。

高い運動性能と実用性を備えた106は、106MAXIというモデルがWRCに参戦しており、競技用モデルのラリー(Rallye)は、日本にも並行輸入されました。

このラリーモデルの特徴は、106S16と同様の1600ccDOHCエンジンを搭載しながらも、810kgという驚異的な軽量ボディで、その軽快な旋回能力は多くのホットハッチファンを魅了します。

その後、2003年に販売が終了され、107へとバトンが渡されました。

プジョー106 S16 (1997~2003)
全長×全幅×全高(mm) 3,690×1,620×1,370
ホイールベース(mm) 2,385
車両重量(kg) 960
タイヤサイズ 185/55R14 79H
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量(cc) 1,587
最高出力(PS/rpm) 118/6,600
最大トルク(kgf・m/rpm) 14.5/5,200
トランスミッション 5速M/T
駆動方式 FF

引用元:値上がり確実!!プジョー・106の中古を買うなら今しかない!|Motorz

プジョー・306

プジョー・306 ハッチバック/出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB306 作者:Rudolf Stricker

プジョーが1993年から2002年まで販売したモデルが、306です。

欧州市場で5ドアと3ドアハッチバックがデビューした後、日本国内へは1994年に輸入され、1.8リッター5ドア仕様のXTとXR、2.0リッター 3ドア/5ドア仕様の、XSiが2月に販売されました。

当初は5速MTが用意されたXSi以外、SOHCエンジン搭載、右ハンドル、4速AT仕様でしたが、6月に2.0リッターの3ドア仕様のS16が追加されています。

S16は最高出力163psを発揮し、当初は5速MTと組み合わされ、走りに特化したホットハッチモデルとして販売されました。

その後、8月に販売されたカブリオレのデザインはピニンファリーナが手掛けており、幌を収納してもシルエットに影響を及ぼさないイタリア式収納方式が注目を集めます。

2ドアながらも4人が乗車可能なパッケージングが特徴で、多人数乗車も可能なモデル。

1997年8月にはマイナーチェンジが施され、全車がDOHCエンジンを搭載し、フロントマスクの形も大幅に変更されました。

また11月には、ステーションワゴンのブレークというグレードを追加。

306はこれらの多彩なラインナップにより、ユーザーの用途に応じたチョイスが可能なシリーズでした。

まとめ

プジョー06世代の車の特徴は、その美しいデザインと高い運動性能です。

ピニンファリーナが最後にデザインを担当したシリーズなので、05世代と同様に、ピニンファリーナのデザインと走りを楽しみたいという方に、オススメのシリーズ!

特に206は欧州で主流のMTを買ってしまえば、基本的にメンテナンスはブレーキパッドやローター、その他の消耗品の交換で済むと言われています。

ホットハッチ好きの方は、プジョー06シリーズを検討してみてはいかがでしょうか。