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白と黄色に、ワイドなボディで大人気だった名マシン「オペル・カリブラ」をご存じですか?

旧DTM(ITC)に参戦していたマシンは、市販車の面影を残したフォーミュラカーのようなマシンでした。そして、各メーカーが凌ぎを削ったこの旧DTM(ITC)で最後にシリーズチャンピオンを獲得したのは「オペル・カリブラ」というマシンだったのです。今回はこのオペル・カリブラがどのような車だったのかを振り返ってみましょう。

 

出典:http://allracingcars.com/opel-calibra-dtm/

 

 

DTM(ITC)とは?

 

出典:http://www.dtm.com/

 

「ドイチェ・トゥーレンヴァーゲン・マイスターシャフト」、通称「DTM」は1984年にドイツ国内で開始された市販車がベースとなるツーリングカー選手権です。

現在でも開催されているDTMは、ベテランドライバーや元F1ドライバーなども参戦しており、世界的に見ても大人気のシリーズのひとつといえるでしょう。

その人気がドイツ国内にとどまらなかったDTMは世界各国に進出し、1995年から「インターナショナル」の名が冠せられ、世界選手権(ITC)となるまでに成長しました。

しかし、あまりにも激化したシリーズは開発費の高騰を生み、それにより多くのチームが撤退を余儀なくされてしまったのです。

出典:http://www.igcd.net/vehicle.php?id=12124

そのため1997年から99年までは一時中止となり、コスト面やシステムなどが見直され、2000年に復活。

現在でも激しい争いが見られるDTMですが、中止前に行われていた旧DTMも熾烈な争いが展開されていました。

当時は今よりも参加しているメーカーが多く、BMW・メルセデスベンツ・アルファロメオ・オペル・アウディ・日産などの、世界を代表する自動車メーカーが参戦していました。

また、元F1ドライバーや世界的に有名なドライバーも参戦していたため、その闘いは非常にハイレベルなものとなっていたのです。

そんなハイレベルな旧DTM(ITC)シリーズの最後にタイトルを獲得したメーカーは、ドイツを代表する自動車メーカーのひとつであるオペルが送り出したカリブラというマシンでした。

今回は数あるDTM参戦車両の中から、旧DTM(ITC)最後のシリーズチャンピオンを獲得したこの「オペル・カリブラ」がどのようなマシンだったのかを振り返っていきたいと思います。

 

市販車、オペル・カリブラ

 

出典:http://media.opel.com/media/intl/en/opel/news.detail.html/content/Pages/news/intl/en/2014/opel/09-04-25-years-calibra.html

 

1994年式 XE20TF型 オペル カリブラ ターボ スペック
全長×全幅×全高(mm):4495×1690×1350
ホイールベース(mm):2600
車両重量(kg):1400
エンジン型式・仕様:C20型 直列4気筒DOHCターボ
排気量(cc):1998
最大出力:200ps/5600rpm
最大トルク:28.5kg-m/2400rpm
トランスミッション:6AT
駆動方式:フルタイム4WD
サスペンション型式(前/後):マクファーソンストラット/セミトレーリングアーム
タイヤサイズ(前後):205/50 WR16

乗車定員:4名
新車時販売価格:3,430,000円

 

DTMに参戦していたマシンたちは、必ず何かしらの市販車両がベースとなっています。

この「オペル・カリブラ」も例外ではなく、市販車両が存在しており、オペルが自信を持って世に送り出した「スペシャリティーカー」なのです。

スペシャリティーカーの位置付けは、日本でいうとシルビアやセリカと言えば分かりやすいでしょうか。

スポーティーな外観でありながらも優雅な内装を持ち合わせているのが、このオペル・カリブラなのです。

オペル・ベクトラAという4ドアセダンをベースに開発されたカリブラは2ドアクーペとなり、4ドアの内装はほぼそのままに作られた「実用的なスポーツカー」として1989年に販売を開始しました。

日本でも1994年から輸入・販売が開始されており、「16V」と呼ばれるベースグレードと「ターボ」と呼ばれるスポーツグレードが用意されています。

また、ターボは非常に高いポテンシャルを秘めており、当時の日本でスペシャリティーカーと呼ばれた車両と比較しても、外観やパワー、実用性において十分過ぎるほどの内容となっていました。

 

出典:http://media.opel.com/media/intl/en/opel/news.detail.html/content/Pages/news/intl/en/2014/opel/09-04-25-years-calibra.html

 

しかし、当時オペルにとって最大のライバルとされたBMWやメルセデスベンツの陰に隠れてしまい、日本での一般層向けの販売はやや奮いませんでしたが、DTMでカリブラの雄姿を見て憧れを抱いたユーザーからは大人気となったのです。

それほどまでに人を魅了したカリブラのDTM仕様とは、いったいどのようなものだったのでしょうか?

カリブラの人気を支えたDTM仕様のマシンをチェックしてみたいと思います。

 

モンスター、オペル・カリブラ

 

出典:http://allracingcars.com/opel-calibra-dtm/

 

1994年 オペル カリブラ V6 DTM スペック
全長×全幅×全高(mm):4673×1756×1405
ホイールベース(mm):非公開
車両重量(kg):1040
重量バランス:52:48
エンジン型式・仕様:V型6気筒 自然吸気
排気量(cc):2496
最大出力:448ps/11000rpm
最大トルク:28.6kg-m/9500rpm
トランスミッション:6速 シーケンシャルミッション

駆動方式:4WD

前後トルク配分:30:70

 

1994年より本格的にDTMに参戦を開始したオペル・カリブラは、市販車の面影を残しつつも、まるで別物といえるマシンとなってサーキットに登場しました。

ワイド化されたボディの中には、当時最先端の技術とされたシーケンシャルミッションや、トラクションコントロール、ABSなどがふんだんに盛り込まれており、カリブラの形をしたフォーミュラカーだったといっても過言ではありません。

また、DTM参戦にあたり、ヨーロッパや耐久選手権で老舗といえるヨーストがチーム運営を担当したり、1995年からはF1のトップコンストラクターであるウイリアムズが開発協力を行うなど、チームもマシンも素晴らしい飛躍を遂げました。

このカリブラDTMの特徴として挙げられるのが「ラジエターシャッター」なるもので、ラジエターの前部に速度に応じて可変するルーバー(羽板)を設置することにより、空気抵抗の減少やダウンフォースを得る事ができるようになったのです。

当然、ラジエターに当たる風は減少するのでオーバーヒートの危険性が高くなりますが、強豪がひしめくDTM(ICT)においては0.1秒でも速く走るために、また当時超高速コースだったドイツのホッケンハイムリンクのためだけに、こうした細かい部分にまで改良の手が加えられていたことは驚きといえるでしょう。

なお、このラジエターシャッターは空力装置ではなく、冷却効率を狙ったシステムとして申請されたため、使用が可能となりました。

カリブラDTMは、このように細かい部分までモディファイされたマシンとして仕上がっており、その結果として1996年にマヌエル・ロイターのドライブによりシリーズチャンピオンを獲得するに至ったのです。

 

モンスターを操った猛者たち

 

出典:http://allracingcars.com/opel-calibra-dtm/

 

ケケ・ロズベルグ

 

出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ケケ・ロズベルグ

 

1982年のF1ワールドチャンピオンであるケケ・ロズベルグは、1993年にカリブラがDTMにデビューした際のドライバーとして参戦していました。

また1995年には、チーム・ロズベルグを立ち上げ、その際に使用したマシンもカリブラだったのです。

残念ながら優勝には至りませんでしたが、予選で好成績を残すなどカリブラの底力を見せつける結果をおさめています。

 

J・J・レート

 

出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/J.J.レート

 

ロズベルグの故郷であるフィンランド出身のJ・J・レートは、同郷のロズベルグが立ち上げたチーム・ロズベルグにドライバーとして抜擢されました。

チーム・ロズベルグが使用していたカリブラを操り、優勝こそなかったものの着実な走りを見せシリーズランキング5位を獲得!

レートもまた元F1ドライバーであり、ミハエル・シューマッハのパートナーとしてベネトンをドライブするなど、F1でも活躍したドライバーの1人でした。

 

まとめ

 

オペル・カリブラがどのような車だったのかを振り返ってみましたが、いかがでしたか?

日本には馴染みの薄いカリブラですが、ヨーロッパでは大人気となった車です。

そして、DTMでの活躍も目を見張るものがあり、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

そのオペル・カリブラですが、グランツーリスモなどのレースゲームでも登場しています。

是非、バーチャルの世界でそのモンスターぶりを体験してみてはいかがでしょうか?

 

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The intimidator #3

モータースポーツを愛して止まないアラフォーです。
デイル・アンハートsrに憧れ、自らもそれに扮する変わり者。
以前はマイカーにてサーキット走行を楽しんでおりましたが、現在は主にレンタルカートとシュミレーターにて活動をしております。
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