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2016鈴鹿8耐「嬉しかった、悔しかった、そして戦い抜いた」…それぞれの思いが交錯した8時間

7月28~31日に開催された2016“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース。YAMAHA FACTORY RACING TEAMの2年連続圧勝で終わり、カワサキTeamGREENが2014年からの8耐挑戦で初となる2位表彰台。また名門ヨシムラ・スズキも随所で手に汗握るバトルをみせ3位を勝ち取った。ここまでは、先日までにお伝えした記事で紹介してきたことだが、鈴鹿8耐のドラマはこれだけじゃない。参戦した全68台それぞれに8時間の忘れられない、語らなければいけないドラマがあった。

Photo by Tomohiro Yoshita

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今回は、残念ながら全チーム紹介することはできないが、特に気になった4チームの「8時間」を振り返っていきたいと思う。

 

被災地に明るい話題を届けるべく最後まで激走… #33 日本郵便 熊本レーシング

鈴鹿8耐

Photo by Tomohiro Yoshita

毎年、鈴鹿8耐には参戦を果たしているホンダ熊本レーシング。しかし、今年はレースにかける思いは少し違っていた。

例年通り参戦の準備を始めていた4月中旬。本拠地がある熊本を大地震が襲った。

平成28年熊本地震だ。これにより、拠点の一つでもあったホンダ熊本製作所にも被害が及び、一時は参戦も危ぶまれる声もあった。

しかし、彼らはスターティンググリッドにつくことを決意した。

Photo by Tomohiro Yoshita

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当初は被災地の状況を考え断念するつもりだったというが、自分たちが頑張ることで被災地に明るい話題が届けられればと、関係者や会社の理解を得て参戦決定。「ちからをひとつに」のステッカーを貼って、本番に臨んだ。

今回は33番をはじめ計3台がエントリー。初日から相次いで転倒してしまうシーンがあったが、チームはその都度マシンを直し、決勝へ。序盤にも33番が転倒。カウルなどを破損していたが、スロー走行になりながらもピットへ戻りマシンを修復。

 

Photo by Tomohiro Yoshita

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何番手に落ちても、何周遅れても、何回転倒しても…

今年の8耐は絶対に完走しなければならない。そんな強い思いが、ライダーやチーム全員から伝わってきていた。

そして残り45分。ライトオンボードが出される中、最後のピットストップへ。着実に作業を終えマシンが動き出した時には、グランドスタンドで応援するHonda応援シートのみならず、ヤマハ、カワサキ、スズキの各応援席からも拍手が。

ここまできたら、メーカーの枠を超えて、最後まで走りきってほしい。そんな思いでサーキットに詰めかけた69,000人のファンは見守っていた。

結果、34番ホンダ緑陽会熊本レーシングwithくまモンが31位、33番日本郵便 ホンダ熊本レーシングが41位でフィニッシュ。78番のHonda ブルーヘルメットMSC熊本&朝霞は規定周回に満たなかったが、3台が見事8時間を走りきった。

「被災地を元気づけたい」

きっと、その強い思い、その勇姿は遠い熊本に届いていたはずだ。

 

やはり8耐の舞台は簡単じゃない… F.C.C. TSR Honda

Photo by Tomohiro Yoshita

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鈴鹿8耐では毎年優勝候補の一角として注目を集めているTSR。しかし、2012年の優勝を最後に勝利から遠ざかっている。

今年は、本番で最大限の力を発揮するべく、世界耐久選手権(EWC)への挑戦。今までとは異なるアプローチを試みた。

4月のル・マン24時間では初挑戦ながら3位表彰台を獲得。その後、ポルティモン12時間耐久を経て7月の鈴鹿8耐へやってきた。

しかし、事前テストでは転倒したマシンが炎上してしまうアクシデントにも見舞われたが、名門チームは一晩で新しいバイクを組み上げテストを続行。悪い流れを自らの力で断ち切る強さもみせていた。

「全て8耐で勝つため…」

そのために、およそ1年かけてバイクやライダーだけでなく、チーム全体が耐久レースに慣れる為にヨーロッパへ遠征し準備を進めてきた。

予選こそ4番手に終わったが、「今年のTSRは一味ちがう」。グリッドでも少し不気味な存在感を出しライバルをけん制。スタートすると予想通り、果敢にトップに襲いかかるライディングを披露した。

Photo by Tomohiro Yoshita

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しかし、いくら用意周到な準備をしてきたとしても“簡単に勝たせてくれないのが8耐。彼らには“まさか”という結果が待ち構えていた。

スタートからドミニク・エガーターが積極的なライディングをみせ、トップ争いに加わっていたが7周目の2輪専用シケインで痛恨の転倒。すぐにバイクを起こして再スタートを切るが、マシンにダメージが及んでおりピットイン。

メカニックも必死に修復したが、トップから10周遅れでコースに復帰。完全に勝負権を失ってしまった。

しかし、過去のレースもそうだったが、何があっても最後まで諦めないのがTSR。3人のライダーが終始アグレッシブに攻めていき、着実に順位を上げていく。

そして残り1時間を切ったところで、世界耐久選手権ではポイント圏内にあたる20位まで浮上。最終的に18位まで挽回してチェッカーを受けた。

もちろん、彼らが望んでいた結果ではないが、最後の最後まで諦めず順位を取り戻す努力をみせたTSR。彼らの挑戦は、また来年に持ち越しとなったが、「来年はどんなすごい走りを見せてくれるのだろうか?」と今からワクワクするような、レースを披露してくれた。

後半パートでは、鈴鹿8耐になくてはならない“エヴァRT”の8時間を振り返る

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Writer Introduction
Tomohiro Yoshita

フリーのモータースポーツジャーナリスト。サーキット取材は2011年からスタートし、最近ではSUPER GTスーパーフォーミュラを全戦取材。この他にもF1をはじめとする海外レースや、2輪レースもカバー。レースに関する記事だけでなく、サーキットに来場するファンに役立つ情報発信も展開しています。http://www.kansenzyuku.com

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