ロータリーエンジン搭載車といえば、RX-7 FD3Sを思い浮かべる方も多いのでは無いでしょうか。このRX-7 FD3Sが、今日においても高い人気を誇る理由は、いったいどこにあるのでしょうか。

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RX-7 FD3S

先代のFC3Sから、1991年10月にフルモデルチェンジを果たして登場したのが、3代目RX-7 FD3Sです。

このRX-7からサバンナの名称が消え、当時の販売系統アンフィニで販売されていたこともあり、アンフィニRX-7という車種名に変更されます。

その後、1997年に販売系統が統廃合したことで、マツダRX-7という名称に改名。

1991年〜2003年までの間、販売されていた中でも、前期・中期・後期型に分けられます。

その中でも細かくマイナージェンが行われ、1~6型が存在することも特徴的。他のRX-7と区別するために、「FD」の愛称で親しまれました。

搭載されたロータリーエンジン

エンジンは654ccの2ローター方式で、シーケンシャルツインターボが装備された、13B-REW型が搭載されました。

前期型

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前期型には1~3型があり、エンジンパワーは最高出力255PS/6500rpm、最大トルク30kgm/5000rpmを発揮。アンフィニのエンブレムが特徴です。

1型

1991年12月から販売が開始された初期モデルです。

タイプS、タイプRエアロ、タイプXサンルーフの3グレードが展開されました。

2型

1993年8月から販売されていたモデルで、1型からさらに走りの性能を向上させるために、ボディ剛性を向上。

アライメント変更や、足回りのセッティング変更などが行われ、BBS製17インチアルミホイールが採用されています。

グレードはタイプR2、タイプRエアロ、タイプRZエアロ、ツーリングS、ツーリングXサンルーフの4つが展開され、後者の2グレードはATのみの設定でした。

3型

1995年3月から販売されていたモデルで、リアスポイラーのステーが4本から2本に変更。グレード展開の見直しが行われました。

RZには大型のブレーキディスクが装備され、安心感を向上。タイプRバサーストエアロ、タイプR-Sエアロ、タイプRZエアロ、ATのみのツーリングXサンルーフの4グレードが展開されています。

中期型

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中期型は4型のみで、1997年にアンフィニが無くなったため、アンフィニRX-7からマツダRX-7へと車名が変わります。

二つの車名が混在する、珍しいモデルです。

4型

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1996年1月から販売され、ブースト圧の変更、吸排気レイアウト変更、ECUのビット数が8から16に変更され、メータ照明がグリーン、テールランプが丸目3灯になりました。

MT車のみ、10PSのエンジン出力向上が図られ、最高出力265PS/6500rpmまで引き上げられています。

また、グレードはタイプR-B、タイプR-Bバサースト、タイプR-S、タイプRZ、ATのみのツーリングXサンルーフの5つが展開されました。

後期型

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後期型には5型と6型があり、一番大きなマイナージェンが行われた時期でもあります。

MT車のエンジンパワーが、当時の馬力自主規制上限値まで上げられ、最高出力280PS/6500rpm、最大トルク32kgm/5000rpmを発揮します。

5型

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1999年1月から販売され、4型と比べてかなりの変更が施されたモデルです。

主な変更点は、剛性の向上や足回りセッティングの変更、吸排気セッティングの変更、冷却周りの強化など。空力性能も飛躍的に向上しており、エアロパーツの変更、アンダーカバーの変更、リアウィングが調整式に変更されました。

インテリアは油圧計が廃止され、ブースト計を採用。メーターの0スタートが真下に変更されるなど、スポーティな印象となっています。

グレードは、タイプRB、タイプRBバサースト、タイプR-S、タイプRZ、ATのみのツーリングXサンルーフの5グレード展開でした。

6型

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2000年9月から販売されていた6型が、最後のRX-7となります。

ABSが8から16ビット制御へ変更され、足回りのセッティング変更に加え、EBD(電子制御制動力配分システム)が追加されました。

さらに、メータ周りをホワイトベースのアンバー照明に変更。タイプRB、タイプRBバサースト、タイプR-S、タイプRZ、ATのみのツーリングXサンルーフの5グレード展開でした。

限定車 RX-7 スピリットRシリーズ

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販売終了と同年の2003年4月に発表されたのが、限定特別車のスピリットRシリーズです。

2シーターMT車のタイプA、4シーターMT車のタイプB、4シーターAT車のタイプCの3グレードが用意されました。

販売台数も、全体で合計1500台と希少性のあるグレードです。

専用のBBS製17インチアルミホイール、ナルディ製の専用ステアリングホイール、専用メーター、エンブレムが装備され、その中でも一番レーシーなモデルタイプAには、ドリルドブレーキディスクや、ステンレスメッシュブレーキホース、ビルシュタイン製ダンパーや、レカロ製フルバケが採用されています。

主要スペック

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車両型式:FD3S

乗車定員(人):4

スピリットRシリーズ タイプAは2人

全長(mm)

1型:4295

2~4型:4280

5~6型:4285

全幅×全高(mm):1760×1230

車両重量(kg):1240〜1330

エンジン型式:13B-REW

種類:直列2ローター

総排気量(cc):654×2

中古車相場

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販売終了から年月が経過していますが、現在でも非常に人気が高く、中古車市場でも高値で取引されています。

2021年2月現在は、250〜900万円の価格帯で推移しており、特に限定車、スピリットRのタイプAはレア度も高く、人気も高いので非常に高額設定です。

まとめ

まさしくピュアスポーツと言えるRX-7 FD3Sは、その見た目もカッコ良く、車好きや走り好きの間で高い人気を誇ります。

サーキットでも、グリップ走行やドリフト走行など、幅広いジャンルで走っている姿が見られ、高いポテンシャルは現在です。この、高い走行性能と、マツダのロータリーエンジンは、この後登場するRX-8へと引き継がれていきます。

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