実用性とスポーティな魅力を兼ね備えたホットハッチ。日本では人気が非常に高く、街中でもよく見かけます。そんな、ホットハッチがもてはやされる日本でも、買うのが難しいとされるのが「オペル アダム」「ヒュンダイi20」「セアト レオン・クプラR」の3台です。日本市場で目にすることのないこれらの車は、どれも高い性能を誇っています。

オペル・アダムス ラリーカー / photo by Alex Clemouny

オペル・アダム

オペル・アダム/photo by M 93:„Dein Nordrhein-Westfalen“

アダムは、ゼネラルモーターズが「オペル」ブランドで展開するハッチバックです。

MINIのハッチバックやフィアット500に対抗すべく作られた車であり、3ドアの外見はルーフデザインが特徴的。

どこか、海に棲む哺乳類を想起させる外見です。

搭載エンジンには自然吸気の「ecoFLEX」で、4気筒ガソリン3種が用意され、1.2リッターは最大出力が70ps、1.4リッターは87psから100psのものが存在。

また、環境性能に優れたグレードでは燃費24km/リッター、CO2排出量118kg/kmを達成しています。

さらに、2014年には2つのエンジンがラインナップに追加され、「SIDI」と呼ばれる直列3気筒の直噴ターボエンジンは、最大で90psから115psを達成。

従来よりも、CO2排出量を削減しています。

もう一方の1.4リッターは「アダムS」というスペシャルグレードに搭載されていて、最大出力は150psと、ホットハッチ好きには見逃せないモデルです。

足まわりはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームを装備。

余裕のあるシャシーを持っているので、プレミアムコンパクトカーながらも18インチのホイールにも対応可能です。

またアダムSには、「オペル コルサ OPC」や「ボクスホール コルサ VXR」から引き継いだ足回りが採用されており、どんな走行シーンにも対応してくれます。

オペル・アダム1.0iターボ・アンリミテッド スペック

価格 : £14,620(213万円)
全長×全幅×全高 : NAm
最高速度 : 195km/h
0-100km/h加速 : 9.9秒
燃費 : 21.3km/リッター
CO2排出量 : 109g/km
乾燥重量 : 1063kg
エンジン : 直列3気筒998ccガソリン・ターボ
最高出力 : 115ps/5200rpm
最大トルク : 17.3kg-m/1800-4500rpm
ギアボックス : 6速マニュアル

セアト・レオン・クプラR

クプラR モーターショー/photo by Marco Verch Professional Photographer and Speaker

『レオン クプラR』はスペインの自動車メーカー、セアトが販売する5ドアのハッチバック『レオン』に設定されたハイパフォーマンスモデルです。

クプラの意味は「CUP RAcing」の略称で、ニュルブルクリンクで開発されたこのシリーズは、2014年に発売されたクプラ280の時点で、FF車最速となるラップタイム7分58秒を同コースにて達成。

現在発売されているタイプRは、最高出力300psのクプラ300を超える性能を誇っており、VWのゴルフRと同じ、直列4気筒2.0リッター TSIターボを搭載しています。

最高出力は310psを発揮し、ニュルブルクリンクのレコードホルダーとなったクプラ280を超える足回りを実現すべく、サスペンションには通常モデルにも使われている「マクファーソンストラット」と「マルチリンク」を、それぞれフロントとリアに装備。

コーナリング性能を上げるための電子制御デフロックに、タイプR専用のアダプティブダンパーや、ブレンボブレーキを備え、玄人も満足できる仕上がりになっています。

また、シャープながらも、見る者にどこか落ち着いた印象を与えるデザインは、この車が持つ凄みを実感させます。

セアト・レオン・クプラRのスペック

価格 3万4995ポンド(522万円)
最高速度 250km/h
0-100km/h加速 5.8秒
燃費 16.5km/リッター
CO2排出量 170g/km
乾燥重量 1453kg
パワートレイン 直列4気筒1984ccターボ
使用燃料 ガソリン
最高出力 310ps/5800-6500rpm
最大トルク 38.6kg-m/1800-5700rpm
ギアボックス 6速マニュアル

ヒュンダイi20

ヒュンダイi20/photo by M 93:„Dein Nordrhein-Westfalen“

『ヒュンダイ i20』は韓国の現代自動車(ヒュンダイ)が販売する、欧州Bセグメント級のサブコンパクトカーです。

ボディタイプには3ドアと5ドアのハッチバックモデルが用意されています。

ヒュンダイi20クーペ1.0-T GDi 120スポーツというモデルでは、内部に1.0リッター ターボエンジンを搭載し、最高出力は120psを発揮。

過給器のおかげで5000rpm以下でも力強い走りを見せてくれますが、足まわりの柔軟性があまりなく、乗り心地はそれほどよくないとの評価も。

ヒュンダイi20ターボ エディションには直列3気筒998ccターボ・ガソリンが搭載され、最高出力は100psを発揮。

WRCでおなじみのこの車は、トヨタ ヤリスのライバル車としても有名であり、2014年の第3戦では3位、9戦では2位、フランスラリー選手権の第4戦では優勝を果たしました。

そして続く2015、2016年ではそれぞれマニュファクチャラーズランキング3位、2位を記録するなど、WRCでは高い性能を見せてくれる車です。

ヒュンダイi20クーペ1.0-T GDi 120スポーツ・ナビ

価格 : £15,700(259万円)
最高速度 : 190km/h
0-100km/h加速 : 10.2秒
燃費 : 20.9km/リッター
CO2排出量 : 112g/km
乾燥重量 : 1217kg
エンジン : 直列3気筒998ccターボ
最高出力 : 120ps/6000rpm
最大トルク : 17.4kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス : 6速マニュアル

まとめ

ヒュンダイi20 ラリーカー/photo by Ben

この3台はハッチバックモデルということもあり、日本国内で販売されれば人気車種となる可能性が高いと言えます。

特にニュルブルクリンクで鍛えられた足まわりを持つクプラRは、大きく話題になるのではないでしょうか。

これらの車がいつか適切な方法で日本に入ってきて、国内市場で販売される日が来ると良いですね。

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