RS★Rブランドでお馴染みのティエムシーが、トップマウントアクチュエーター式のAVSにつづき、電磁バルブで減衰力制御を行う最新機構、『AVS』に対応した車高調整式サスペンションキット(Best☆i Active)を新たに発売。純正の制御システムを徹底解析し、電磁バルブを自社で開発することで完全対応に成功。まずは、新型クラウン用。デビューさせました。その全容を、GTドライバー藤波清斗選手のインプレを交えて紹介します。

Text:Isao KATSUMORI / Photo : Yoshiyuki ITOU

世界ではじめてソレノイドバルブ式AVSに対応

電子制御によりショックアブソーバーの減衰力を自動的に変化させ、操縦安定性や乗り心地を高めるAVSシステム。

RS★RのBest☆iActiveは、この機能を生かしたままローダウンできる、車高調整式サスペンションキットです。

これまでのトップマウントアクチュエーター式のAVSに加え、ソレノイドバルブ式に対応したのも、このモデルが世界初。

純正サスペンションの制御信号を解析し、それに合わせたソレノイドバルブを独自開発することで、最新の制御機構へのマッチングを成し遂げました。

ベースはBest☆i。純正を上回る機能を発揮

最新型のAVSが生かせるBest☆iアクティブのベースは、乗り心地を重視したコンフォート志向のBest☆i車高調キットです。

36段階もの減衰力調整機構を搭載し、乗り心地やハンドリング特性を、より快適志向にもスポーティーな方向にも、ノーマルよりもずっと広範囲で自由にセッティング可能。

さらに、Best☆iアクティブのソレノイドバルブは純正のバルブよりも減衰力の制御領域が広く、乗り心地やハンドリングの変化をよりリアルに感じ取れます。

純正vs.Best☆iアクティブ。藤波清斗選手の感想は?

ここまでの紹介で、Best☆i Activeが画期的な車高調であるのはお分かり頂けたと思います。

しかし、乗り心地の違いは?ハンドリングの差は?ドライブモードセレクト時のAVSの作動具合の変化は?皆さんが1番気になるのは、そんなポイントでしょう。

今回は、純正とBest☆i Activeの装着車両を、レーシングドライバーの藤波選手が乗り比べ。

街中から高速まで、様々なロケーションで、Best☆i Activeの機能を体感した感想を聞いてみました。

まず、純正仕様のAVSサスペンションの乗り心地をチェックします。

ドライブモードは、『COMFORT』をセレクトしてみました。

藤浪「試乗車がRSグレードということもあって、コンフォートモードでも意外にしっかりとした乗り心地です。

ロールは多少するけど、安定感があって不安なく走ることができる感じですね。」

ドライブモードを『SPORT S+』に切り替えると……。

「足まわりが硬くなって、一段とスポーティーになった印象です。

ギャップでの突き上げ感がコンフォートモードに比べてダイレクトに感じられるようになり、ステアリングインフォメーションも高まりました!」

次に、車高を前後とも30ミリ下げたBest☆i Active装着車の乗り味を体感。

36段階の減衰力は、最弱合わせで、かなりソフトなセッティングです。

ちなみに、減衰力を目いっぱい低く調整されていることを、藤浪選手は知らずに試乗しています。

ドライブモードは、まずは『COMFORT』から。

「こちらが車高調でしたよね?

想像していた乗り心地とはまったく違い、とてもソフトです。

初期の突き上げ感みたいな感覚は、純正と同じようにあるのだけれど、その後の収まりが良く、ノーマルのコンフォートモードよりも、こちらのほうが乗り心地がマイルドで、快適に感じます。」

と、純正を凌ぐ快適さに驚いた様子。

そのまま、今度はドライブモードを『SPORT S+』に切り替えると……。

「うん、だいぶ変わった。まず、ステアリングレスポンスが違います。

ステアリングを切った時のフロントの反応が良くなり、切った方向に、自然に向きを変えてくれる感じです。

乗り心地は、コンフォートに比べて突き上げ感が強いけど、角がないマイルドな硬さで、不快感はあまりないですね。」

最後にBest☆i Activeの減衰力を最強から1段戻して、かなり硬めにセッティングしました。

まずは、『COMFORT』モードでのインプレッションです。

「もっとハードになるかと思ったけど、意外に抑制が効いたフィーリングです。

コンフォートモードでは、クラウンらしい”ジェントルなライド感”がしっかり保証されている印象で、硬めながら、乗り心地に不満は感じません。

安定感があって、高速を使っての長距離移動にも向いていると思います」

では、『SPORT S+』ではどうでしょうか?

「スポーツS+だと、やはり随分と硬さは感じますね。初期の突き上げ感も、かなり強くなる印象です。

ただ、ハンドリングの良さはピカイチ。

このレスポンスは、純正のままのスポーツS+モードでは味わえないので、ハンドリングを重視する人には、理想のセッティングじゃないかな。

乗り心地はコンフォートモードでしっかり確保できているから、気になるシーンでは切り替えればいいんだし。

モードの切り替えによるフィーリングの変化が、ノーマルよりもずっと大きいから、減衰力の領域を高めにセッティングしても大丈夫なのは便利ですね」

▶︎レーシングドライバー藤波清斗 プロフィール

 

6歳でカートを始め、17歳でジュニア・フォーミュラに参戦。

2018年、スーパー耐久ST-Xクラスでシリーズを制覇。

2019年はスーパーGT300も駆り、第5戦で初優勝。

現在24歳の、将来を有望視される若手ドライバーの一人。

Information

株式会社ティエムシー

https://www.rs-r.co.jp/

Best☆iアクティブ、ローダウンスタイルギャラリー

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