往年のスポーツカー DC2をブルーとイエローのツートンカラーにしたスプーン(SPOON)コンプリート仕様。外観だけでなく、スプーンで組まれたエンジンが搭載され、インテR好き、Vtec好き、スプーン好き必見の1台です。

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スプーンが今、DC2コンプリートを作ったらどうなるかを具現化

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ホンダ インテグラタイプRの初代モデルとなるDC2は、軽量な車体に当時のシビックタイプR(EK9)より大きい1.8リッターエンジンを搭載し、当時のFF最速を誇った名車です。

スポーツカーとしての素性の良さや、多くのショップからカスタムパーツが販売されたことで、レースで数々のタイトルを獲得し、ストリートでもカスタムベースとして絶大な人気を誇りました。

今回ご紹介する “めんちゃかさん” の愛車は、DC2の外装をフルラッピング。

ホンダ系チューンの名門ショップである、SPOON(スプーン)のコンプリートカー仕様となっています。

スプーンのコンプリートカーさながらのカッコよさもさることながら、わかる人が見てもカッコいいと思えるクルマを目標とし、スプーンUSAで製作されたFD2コンプリートマシンをイメージしたカスタムが施されています。

スプーンUSAが製作したFD2コンプリートカー / ©Spoon Sports USA

めんちゃかさんは、スプーンが今DC2のコンプリートカーを作るとこうなる!という自身のイメージをDC2で具現化。

DC2が生産を終了してから19年が経つ今でも、古臭さを微塵も感じさせない最新のカスタムカーに仕上げています。

アメリカのVetc Clubゼッケンステッカーがポイント

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DC2を購入した当初から、カーボンボンネットや車高調、デフなどは既に搭載されていましたが、そこからたった約1年で、ここまでカスタムしたことには驚かされます。

フロント周りは、バンパーを純正のままナンバー取り付け箇所をスムージングさせ、スプーン製フロントリップ、J’sレーシング製DC2エアインテークダクト、アメリカのパーツメーカー、トップワンモーター製のウィングレッドを装着。

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サイド周りは、ミラーにAPRパフォーマンス製フォーミュラーGT3カーボンミラー、サイドステップにPCIサイドスカートが装着されているものの、特別なエアロパーツや加工はすることなく、カラーやステッカーを除けばノーマルシルエットです。

HVじゃない!Vtec ClubはVTEC好きが集うアメリカ最大級のオーナーズクラブ

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ゼッケンナンバーの上に描かれた”Vtec Club”の文字は、アメリカのVTECオーナーが集まるグループのロゴだそうです。

© 2020 VTEC Club.

Vtec Clubは、北米中のVTECオーナーや専門ショップが登録しているアメリカ最大級のオーナーズクラブであり、ワンメイクタイムトライアルシリーズやVTECだけのワンメイクレースなど、大きなイベントを全米で開催している団体です。

スプーンUSAのFD2を意識して愛車をカスタムしているだけに、Vtec Clubのゼッケンステッカーはマストアイテムです。

足回りだけは要改善!?

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サスペンションは購入時からTEIN製タイプHTダンパーが装着されており、ショップオリジナルのセッティングが施されていたそうです。

ホイールはENKEI製RPF1、タイヤはファルケン アゼニスRT615K+を装着。

ホイールの幅は前後とも9Jですが、タイヤは前と後ろで幅を変えており、後が前より細くなっているため、若干の引っ張りタイヤとなっています。

これはDC2の構造上、リアのオフセットが少なく、リアタイヤを細くして尚且つキャンバー角を付けないとタイヤとフェンダーが干渉してしまうから。

このあたりは、オーナーの納得がいっていない部分のようで、今後、改善の余地ありです。

ド迫力のGTウイング

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リアには、大きなGTウイングが装着されています。

GTウイングのトップと車両のルーフがほぼ同じ高さのため、このDC2の後ろを走った時は、とても大きなインパクトを感じました。

ブリッドのグラデーションにこだわりを感じる内装

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内装は、運転席と助手席にブリッド製のフルバケとセミバケをそれぞれ装着し、シートベルトカバーとシフトブーツにもブリッドのグラデーションを入れるほど細部にまでこだわっています。

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また、momo製ステアリングのセンターにはスプーンのステアリングセンターカバーが装着され、スプーンコンプリートのコンセプトが忠実に再現されています。

購入時は、定員乗車タイプのロールケージが取り付けられていましたが、リアシートを取っ払い斜行バーなどを追加したことで、ボディ自体が強化されています。

ステッカーチューンに痛車オーナーだった神髄を実感

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スプーンコンプリートがコンセプトなので、スプーンのロゴステッカーはもちろんですが、ほかにも様々なステッカーがいたるところに貼られています。

特に印象的だったのは、後部座席ドアガラス部分の左側にはショップ系のステッカー、そして右側は痛車関連のステッカーと、分けて貼られている点です。

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また、車内のタワーバー、バケッドシートの裏側にまで痛車ステッカーがびっしりと貼られ、スプーンコンセプトに加えて痛車感も感じられます。

めんちゃかさんは以前、痛車に乗っていた関係で痛車オーナーやチームとの関りがあり、ステッカーをよくもらうそうです。

そのため、スプーンコンプリートをコンセプトとした愛車の目立たない部分には痛車ステッカーチューンがなされ、彼が今でも痛車のコミュニティを大切にしていることが伺えます。

エンジンはスプーンコンプリート!?

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ボンネットを開くとエンジンヘッドは赤!

純正エンジンのように見えますが、実はスプーンで組まれたエンジンだそうです。

これは購入した時から変えておらず、スプーンのコンプリートエンジンの証である黄色を、前オーナーがヘッドのみ赤に塗り替えていたそうです。

そのため、ヘッドを黄色くすれば、エンジンルーム内もよりスプーンコンプリートらしくなるはず。

めんちゃかさんがこれからエンジンをどうカスタムするか、気になるところです。

まとめ

取材したDC2は、スプーンコンプリートカーを忠実に再現したカスタムカーで、めんちゃかさんのDC2に対するこだわりがひしひしと感じられました。

DC2のエンジンは既に載せ替えられていますが、23万キロを走行した車両であるため、ボディのヨレや痛み具合は走行中にも感じられるようで、これから改善していきたいと話してくれました。

DC2はまだまだ進化の途中で、これからどんな風にカスタムが進められていくのか、また取材させていただきたいと思います。

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