車の一括査定は「複数の中古車専門店に見積もりを依頼し、数分もあれば査定相場が分かる」とされるサービスです。中古車の売却時は、車の一括査定が便利ですが、一方で「申し込んだ途端に電話が鳴り止まない」、「しつこい」などとの声が聞かれるのも事実です。この車の一括査定は、利用しても大丈夫なのでしょうか? 車の一括査定に関する疑問についてや、車を高額で売却するための秘訣を解説します。

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そもそも車一括査定の仕組みとは?

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そもそも車の一括査定とは、どのような仕組みで成り立っているのでしょうか。

車の一括査定サイトに登録した場合、10社以上の買取業者に個人情報が発信されます。

その際に、各買取業者は一括査定サイト側に平均2,500円ほどの情報料を支払うので、一括査定サイトは数多く存在しているのです。

そして、この個人情報を入力する際に情報料を支払ってしまっているのは、なんと一括査定サイトに登録したユーザー自身。具体的には、「車の査定価格から情報料が差し引かれている」という現状があります。

車の査定相場は一括査定サイトでは分からない

そもそも、中古車相場は査定ミスでもない限り、業者オークションと呼ばれる、中古車オークションにおける相場を基準値としています。

この業者オークションの相場を基準値としている限り、どの買取業者のどの査定士が査定したとしても同じ価格で、例えば相場価格が100万円の車の場合は、どの査定士が見ても100万円になるということです。

そのため一括査定を使って見積もりを依頼した車でも、同じ価格になるというわけですが、むしろ一括査定を使用すると情報料が買取価格から差し引かれてしまいます。

どこの業者に査定を依頼しても、買取限界値は業者オークションの相場で固定されているため、一括査定サービスを利用する事にはデメリットしかありません。

一括査定に登録すると電話が鳴り止まないのは何故?

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先述した通り、一括査定に登録した場合、登録業者は情報料として平均2,500円ほどを一括査定サービス側に支払うことになります。

20社ほどの競合がひしめき合う中で、中古車を買い取れるのは1社だけなため、全社必死になって電話を掛けるというわけです。

しかも電話を掛けるのが遅いと、利用者に電話を取ってもらえなくなるので、中古車買い取り業者は、なるべく早いうちに電話を掛けようとします。

利用者に電話を取ってもらえないと、情報料として支払った2,500円が無駄になるので、相手が電話に出るまで業者は大量に電話を掛け続けるのです。

業者との交渉トラブル

買取業者が情報料を支払っている以上、車を買い取れないと彼らはコストを回収できません。

そのため買取業者は査定のアポを取れた相手に対し、必死に交渉をしてきます。

また、買取業者は競合他社に顧客を取られないようにと、早く車を売るように要求するので、それが交渉トラブルに発展してしまうケースもあるというわけです。

車を本当に高く売るための秘訣

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車の買取相場の基準として、業者オークションの相場がありますが、この値はわからないようになっています。

しかし、中古車買取業者に対し、車の査定額を限界まで釣り上げる方法はあります。

それは複数の買取業者に電話を掛け、数社一斉に“せり”を行うのです。

せりを行ってしまえば、業者は競合に負けないように買取限界値を出さざるを得なくなります。

具体的なやり方は、数社に電話を掛けて車を持っていき、店では値段の交渉をせずに査定後に電話で「ベストな金額を提示する」ように伝えます。

この時、最高額や他店舗の名前を言わずに「ベストな金額を提示する」ように伝え続け、「これ以上出せない」と詰まった場合に現時点の最高額を言い、相手に限界値を出すように求めるのです。

そうすると、買い取りの限界値を業者側に出させることが可能となります。

まとめ

車の一括査定は、一見すると便利なサービスのように思えますが、実際は電話が大量に掛かってきたり、交渉トラブルに巻き込まれやすいだけでなく、そもそも最高額は出ないなど、利用者側にとってのメリットはほとんどありません。

そのため、一括査定サービスを利用するよりも、先ほど説明した方法で、買い取り業者に最高額を出させたほうが最善です。

車を本当に最高額で売りたいのなら、一括査定サービスの実態を知り、業者側に対して強気な態度で臨みましょう。