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現在もスズキ エブリイワゴン4兄弟ともども軽1BOX乗用ワゴンの双璧をなすダイハツ アトレー。その初代モデルはかなり古く、1981年に登場しました。当時、各社から相次いで1BOX商用バン派生の乗用ユースモデルが登場した中でも初期の方でしたが、そんな乗用ユース軽1BOX登場の背景とともに、初代アトレーを紹介します。

初代 ダイハツ アトレー 出典:https://en.wheelsage.org/daihatsu/atrai/1981-86/pictures/ndf8td/
6代目『ハイゼットまゆげ』をベースに誕生した初代アトレー

初代ダイハツ アトレーのベースとなった6代目ハイゼットバンの輸出版ダイハツ1000 / Photo by Guillaume Vachey
初代アトレーが登場したのは1981年4月、ダイハツの商用トラック/1BOXバンの『ハイゼット』が6代目にモデルチェンジしたのと同時期でした。
この型のハイゼットは左右ヘッドライト上に配されたウインカーにより、通称『ハイゼットまゆげ』と呼ばれた独特のフロントマスクで愛嬌を振りまいていたモデルで、輸出向けモデルに初めて850ccや1,000ccエンジンを搭載した1台でもあります。
当初『ハイゼットアトレー』と呼ばれた乗用ユース仕様ですが、この時期には商用1BOXバンをリリースしていた各メーカーから、相次いで同種のモデルがリリースされています。
【相次いでデビューした乗用ユース軽1BOXバン】
1981年
- ダイハツ・ハイゼットアトレー
- 三菱・ミニキャブエステート
- ホンダ・アクティストリート
1982年
- スズキ・エブリイ
- スバル・サンバーエクストラ
これらの元祖は1973年に発売された3代目サンバー(通称『剛力サンバー』)の『カスタムL』で、サンバーの常用ユース仕様はその後もサンルーフなどを追加していきますが、各社がそれに追随するにはもう少し時間がかかりました。
その後、一斉リリースのキッカケは1970年代末期から少しずつ始まっていたRV(レクリエーショナル・ビークル)ブームで、本格オフローダーや商用1BOX車に乗用車テイストの豪華内外装を与えて、快適性と実用性を両立した新時代の乗用車がウケ始めたのです。
フルフラットも可能な快適性!4WDターボもあった初代アトレー
初代アトレーは低床ロールーフの廉価グレードを除けば全てハイルーフで、1983年10月のマイナーチェンジから全車ハイルーフ化されるとともに、車名もハイゼットアトレーから『アトレー』へと改名。
商用4ナンバー登録のままながら、乗用1BOX軽ミニバンとしての道を歩み始めます。
それに先立ち1982年3月に、当時の軽自動車用としては大径ホイールの12インチタイヤを履く4WDを追加。
軽1BOXの4WD自体は1980年に3代目サンバーが初でしたが、アトレーは後に軽自動車初と思われる4WDターボ車も追加しました。
また、荷室重視で後席の快適性は限られた4ナンバー車ながら、シート地やフロアカーペット、サンルーフなど快適装備は乗用車並で、乗り心地を確保するためにリヤサスペンションのルーフスプリングは枚数を減らしてマイルド化。
最大積載量は、200kgに抑えられています。
そしてリヤサスペンションのマイルド化で積載性より快適性を重視した仕様は、現在のハイゼット クルーズ(アトレーとは別に存在する、ハイゼットカーゴの乗用ユース版)にまで受け継がれました。
なお、初代アトレーの段階で多彩なシートアレンジが可能になっており、リアシートにもヘッドレストがついた1983年10月のマイナーチェンジ以降は、オプションのクッションも使えばフルフラットも可能な『5ウェイマルチシート』もセールスポイントです。
主なスペックと中古車相場

初代 ダイハツ アトレー / 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC
ダイハツ S66V アトレー LX-TURBO 4WD 1984年式
全長×全幅×全高(mm):3,195×1,395×1,910
ホイールベース(mm):1,815
車両重量(kg):810
エンジン仕様・型式:AB55 水冷直列2気筒SOHC4バルブ ターボ(IC無し)
総排気量(cc):547
最高出力:29kw(39ps)/5,500rpm(※グロス値)
最大トルク:58N・m(5.9kgm)/3,000rpm(※同上)
トランスミッション:5MT
駆動方式:4WD
中古車相場:皆無
まとめ

初代ダイハツ アトレーのベースとなった6代目ハイゼットバンの輸出版ダイハツ850 / Photo by RL GNZLZ
初代ハイゼットの頃はまだ軽1BOXに限らず、商用1BOX車に乗用車的なテイストを与えて、新時代の乗用車として通用するかは試行錯誤の段階で、手探りで少しずつ商用車との違いを与えていた時代でした。
最初は多少マイルドにしたとはいえ乗り心地が軽1BOXバンそのもの、快適装備も毛が生えた程度だったので、「とにかく広ければ全て許せる!」という層がまず買い求める乗り物でしたが、1990年代に入ってミニバンブームが到来すると、市民権を拡大します。
そして新規格軽自動車時代に入っていよいよ乗用1BOXミニバン化していきますが、その原点となったのが1980年代初期に一斉デビューした、初代アトレーなど乗用ユースの軽1BOXバンたちだったのです。
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