5月に入り、そろそろエアコンを使う時期になってきましたが、クルマのエアコンを1年ぶりに付けたら嫌な臭いがして困った!ということはありませんか?クルマのエアコンもメンテナンスが必要で、フィルター効果や清掃、冷却ガスの補充などで臭いや効きを改善できるもの。そんなカーエアコンのメンテナンスは、どこまでが自分でできて、どこから整備工場に頼む必要があるのでしょうか。

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今年はエアコンの異臭で悩まされない!

出典:写真AC

家のエアコンにフィルター掃除が必要なように、クルマのエアコンにもメンテナンスが必要です。

放置していると、エアコンを稼働させた時に嫌な臭いがしたり、エアコンの効きが悪くなることも。

車内の臭いは消臭剤でごまかしても、嫌な臭いを根源から絶たないと、根本的な解決とは言えません!

つまりエアコンのメンテナンスは、夏が始まる前にしっかり行うべきなのです!

エアコンの悪臭の正体は

©1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.

エアコンは、冷媒ガスが気化することにより冷気を作りだすのですが、この際に大量の水が発生します。

ドレスホーンと呼ばれる部品でその水を吸引し、自然排出するのですが、ポンプのように強制的に水を取り除くものではないため、水分を完全に除去することができないのです。

残った水はエバポレーター(熱交換器)に溜まることがあり、エアコンを作動させない限り湿度が上がってカビやバクテリアを発生させてしまいます。

エバポレーターケースは分解しなければ手が届かず、一度発生したカビやバクテリアは取り除くことが難しいため、そのままにしておくと、カビやバクテリアがどんどん増殖していくのです。

対策はエアコンフィルターの交換が一番!

BOSCH(ボッシュ)トヨタ・レクサス車用エアコンフィルター / © 1996-2019, Amazon.com, Inc. or its affiliates

エアコンの臭い対策には、まずエアコンフィルターを交換することが最も効果的です。

エアコンフィルターは臭いの原因となるカビの胞子やバクテリアの餌となるホコリやごみなどを除去し、常に清潔な状態にしておくことでカビやバクテリアの増殖防止となり、嫌な臭いの発生を防いでくれます。

フィルターは1年又は1万kmの交換が推奨されていますが、実際にその間隔で交換している方は少数。

家にあるエアコンのフィルターならまだしも、クルマのエアコンフィルターは交換したことがないため、嫌な臭いは消臭剤で対策している方がほとんどでしょう。

また、フィルターの交換は、お店でやってもらうものと思いがちですが、実は自分で簡単に交換可能なのです。

交換用のフィルターは1,500~5,000円ぐらいで購入できるので、自ら交換して整備工場での工賃を抑えれば、そこまで大きな出費ではありませんよ!

おおよその車種では、助手席の足元にあるグローブボックスにエアコンのフィルターがついており、グローブボックスを取り外すとフィルターカバーが出てくるので、あとは交換するだけ。

特別な工具も必要ないので、初心者でも簡単に交換することができます。

クルマのエアコンフィルターは掃除しても大丈夫?

使用前と後のエアコンフィルター / © Mazda Motor Corporation

クルマのエアコンフィルターは、家のエアコンのように、フィルター掃除をしてはダメなのでしょうか?

クルマに付属しているマニュアルには、『清掃は〇〇〇〇kmごと、交換は〇〇〇〇kmごと』と記載されているモデルもあるため、交換ではなく清掃という選択肢もあるはずです。

フィルター清掃が可能であれば、フィルター交換費用も不要なため、経済的です。

清掃しても逆効果

クルマのエアコンフィルターは、家のエアコンとは異なり、清掃して再利用することを前提には作られていません。

フィルターはクルマに収まるように小さく作られているため、フィルターの表面だけでなく繊維の中にゴミが入り込むようになっているので、通常の清掃ではゴミを完全に取り除き切ることは不可能。

エアーコンプレッサーを用いた強力なエアーブローを吹き付ければ掃除も簡単ですが、それではフィルターの繊維を壊しかねません。

また、掃除機で吸い込んだり水洗いをしても、繊維内部のゴミの除去までは達しないのです。

それでも掃除で抑えたい場合は

クルマのエアコンフィルターは、自分で清掃しても全く効果がないというわけではありません。

フィルター内部のゴミが除去できなくても、表面側のゴミを取り除けば、少なからず臭いの原因は除去できます。

フィルターの清掃をするのであれば、フィルターの繊維を壊さないそうに”適度な力”で行うことを心がけましょう。

例えば、柔らかいブラシやハケで溝の奥までゴミをやさしく取り除く方法がおすすめです。

決して、エアブローや水洗いなど、力ずくで掃除しないようにしてくださいね。

お店に頼むといくらかかるか?

左上:エアコンフィルター交換、右上:エアコン消臭除菌、左下:エアコンガス補充 / (C) AUTOBACS SEVEN CO.,LTD.

エアコンフィルター交換を整備工場に依頼すると、簡単な短時間作業となるので、工賃は1,000~2,000円程度です。

しかし、一部の国産車や外車には、グローブボックス部分にエアコンフィルターがない特殊なものもあるため、そういったモデルはフィルターの価格が高額だったり、工賃を余分に取られる場合もあるので注意が必要です。

また、フィルターが搭載されていないカーエアコンシステムを採用しているモデルもあるのですが、そういったクルマの臭いや効きが悪化した際の対策は、専門的な知識や工具が必要となります。

フィルター交換だけでなくエアコンクリー二ングや消臭除菌が必要な場合も

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フィルター交換で臭いが100%改善できるということはありません。

冒頭でも紹介した、エバポレーター部分に繁殖したカビやバクテリアが、フィルターに溜まったゴミやホコリの慢性的な臭いの原因となっている場合は、整備工場に頼んでエアコンシステムそのものをクリーニングをしたり、専用器具を用いたエアコン消臭除菌をする必要があります。

これらをオートバックスで行った場合、エアコン消臭除菌で4,093円(税込)~、エバポレーター洗浄でも4,093円(税込)~となり、これらの価格は店舗によっても異なります。

しかし、エアコンのメンテナンスを数年行っていないという方は、フィルター交換だけでなく、こういった洗浄・除菌のサービスも利用することをおすすめします。

エアコンの効きが悪ければガスを補充

左:エアコンガス、右: チャージ ホース / 1996-2019, Amazon.com, Inc. or its affiliates

エアコンの効きが悪い場合、エアコンガスが減少していることがあります。

エアコンガスの補充は自ら行うことも可能ですが、エアコンガスとチャージングホースが必要になり、フィルター交換よりも難しい作業となります。

価格はエアコンガス200gで1,000~2,000円、チェージングホースで2,000~3,000円し、エアコン補充を行うには、いくつも行程があるため調べながら行うとしても、かなり時間がかかって面倒です。

しかし、エアコンガス補充をお店へ依頼する場合は、メンテナンスを含めて5,000~10,000円とかなり高額になりますが、エアコンガス補充を自分で行うことは少し難しいため、自信がない方はお店に依頼する方が無難です。

まとめ

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エアコンの臭い対策や、効き具合の改善などの方法はさまざまですが、1万km以上もしくは2年以上エアコンフィルターを交換していない方は、まずフィルター交換から行いましょう。

それでもエアコンの不具合が気になるのであれば、お店や整備工場に点検・修理を依頼することをおすすめします。

そして、エアコンのメンテナンスを早めに済ませ、今夏は快適なカーライフを過ごしてくださいね。

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